時を操り、時間の崩壊を食い止めろ

 2016年2月25日、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコで、海外でXbox OneおよびWindowsで今春に展開予定のタイトルを紹介するスプリングショーケースが行われた。日本でもXbox One版が4月7日に発売予定のTPS『Quantum Break』の序盤をプレイできたので、プレイインプレッションをお届けしよう。

 『マックス・ペイン』シリーズで時間の流れを遅くする“バレットタイム”システムを、『アランウェイク』で光と闇の概念を使った戦闘を提示してTPS(三人称視点シューティング)の可能性を追求してきたゲームスタジオ・Remedy。同スタジオの最新作となる本作のテーマは“時間”だ。

 主人公ジャック・ジョイスは、本作のストーリー冒頭でタイムマシン実験が失敗した影響により時間を操作する能力を身につける。この時間操作能力を、先に進むための道を作り出したりする謎解きパートと、銃撃戦の双方で活用し、時間の崩壊を食い止めるのだ。

 『Quantum Break』Remedy最新作は時間操作能力を駆使して戦うTPS。プレイリポートをお届け【Xbox Spring Showcase】_04
▲怒りの刑事(マックス)、闇に引きずり込まれた小説家(アラン)に続く主人公ジャックは時をかける理系エンジニア。
 『Quantum Break』Remedy最新作は時間操作能力を駆使して戦うTPS。プレイリポートをお届け【Xbox Spring Showcase】_02
▲ジャックと並ぶ重要人物ワイルダー。もうひとりの時間干渉能力者であるポール・セリーンによって設立された組織モナーク・ソリューションズの一員に見えるが、ジャックを追うモナークとは別の意図があって動いているのだという。

時を操作するギミックによる超人ガンプレイで戦え

 銃撃戦では、時間を止めた空間に弾を撃ちこんで解放時に一気に放つ“タイムストップ”、逆に敵の攻撃を食い止める“タイムシールド”、時間操作で高速移動を可能にする“タイムドッジ”、空間を炸裂させて攻撃する“タイムブラスト”といった技が使用可能。敵の攻撃が結構強く、複数の敵が同時に出現するなかで、これらの能力を活用して切り抜けることになる(ちなみに道中で情報アイテムを拾っていくことでポイントをゲットし、各能力の強化も可能)。

 ただし光を当てることで敵を倒せるようになるという設計だった『アランウェイク』とは異なり、本作の敵は基本的に普通の銃撃でもちゃんと倒せる。もちろんギミックを使ったほうが効率的だったり、そうしないと敵が堅くて厳しいシチュエーションも出てくるのだが、個人的にギミックに縛られすぎない設計がいい感じ(『アランウェイク』も銃つきのアクションアドベンチャーゲームとしては好きなので、あくまで好みの問題)。

 『Quantum Break』Remedy最新作は時間操作能力を駆使して戦うTPS。プレイリポートをお届け【Xbox Spring Showcase】_03
▲ちなみに、ショットガンやマシンガンなども出てくるのだが、初期装備のピストルがほぼ同じ場所に正確に連続して撃ち込めるので、タイムストップで敵を倒す際にはメチャ便利(強力な銃器だと一発ごとに銃口が跳ね上がって弾がバラけてしまったりする)。

複数の視点・時間軸・可能性をまたいだ重層的な物語

 ストーリーテリングはかなり凝っていて、プレイヤーの選択による分岐や実写ドラマなどを交えた複雑なもの。記者がプレイした範囲では、まずジャックパートが終わると宿敵ポール・セリーンによる短いパートが始まり、ここでポールとして下した選択が後のパートでの出来事に影響するという展開が見られた。
 この“ジャンクション”と呼ばれる小分岐は実プレイ可能な部分にとどまらず、ハリウッド映画や海外ドラマなどに出演する俳優陣を起用した実写パートにも影響し、選択内容によって再生される映像が変わるというのがなんとも豪勢。こうして複数の視点・時間軸・可能性をまたいでストーリーが進行していく。

 ちなみに『アランウェイク』にあったような、“道中のテレビで見られる本筋にあんまり関係ないビデオ”が本作でも仕込んであったり、メールなどを盗み見ることでバックグラウンドストーリーを知ることができたり、より深く世界に浸りたい人のための寄り道要素もいろいろ仕掛けてあるので、そういった要素が好きな人はお楽しみに。

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▲ゲームパートでの判断も影響してくる実写パートのジャックはショーン・アシュモアが演じる。

PC版も開発進行中。4K解像度でのプレイの実現を目指す

 なお会場には開発途中のPC版(Windows 10版)も出展されていて、Xbox One版と同様にプレイすることができた。まだ最適化中とのことで会場では1080P&秒間30フレームでのプレイだったが、発売までには4K解像度でのプレイの実現を目指すとのこと。

 海外ではXbox公式や特定のショップでのXbox One版のダウンロード版または本体バンドルの予約特典としてWindows 10版が付属することが発表されており、日本でもひとつ同様の施策の展開をお願いしたいところ。
 なお今回のイベントでは、Xbox OneとWindows 10の双方をXboxプラットフォームとして総合的に展開していくというメッセージが打ち出されており、今後マイクロソフトによるほかのXbox Oneタイトルでもこういった施策が行われるのか興味深い。この点についてはXboxプラットフォームのマーケティング面を担当するAaron Greenberg氏に別記事で話を聞いているので、そちらも参照して頂けると幸いだ。