テレビゲームでは『Splatoon(スプラトゥーン)』、『マインクラフト』が受賞

 一般社団法人デジタルメディア協会は、優秀なデジタルコンテンツ等の制作者を表彰する“デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'15/第21回AMDアワード”において、年間コンテンツ賞、“優秀賞”の授賞作品8作品(コンテンツ及びサービス)、功労賞、江並直美賞(新人賞)、リージョナル賞、今年特別賞として設けた先端科学技術賞の授賞者及び授賞作品を発表した。
 なお、2016年3月14日に発表される“大賞/総務大臣賞”及び“AMD理事長賞”は、優秀賞の8作品の中から選考される。

 以下、リリースより。


1:ULTRA JAPAN 2015(ULTRA JAPAN 2015 実行委員会)
 世界的なダンスミュージックの祭典の日本上陸版。2015 年9 月に東京・お台場で開催し約9 万人を集めた。世界から集めた有名DJが生み出す音楽と映像、照明が一体化したショウは音楽の楽しみ方を変え、SNS を積極的に活用した事でイベントそのものの楽しみ方も変えた。また、米国生まれでありながら日本の独自性を取り入れ新しい都市型の野外フェスを作り上げた。その先進性を評価。

2:au三太郎シリーズ(KDDI株式会社、株式会社電通、株式会社AOI Pro.)
 「CM 好感度調査」において、2015 年度はKDDI が1 位へと躍進。日本昔話の主人公3 人(桃太郎、浦島太郎、金太郎)が友達という設定がユニークで、くすっと笑えるシーンも豊富。「au のCM といえばこれ!」といったイメージを見事に醸成させ、au のブランド力向上にも貢献したのではないか。

3:スーパー歌舞伎II『ワンピース』(松竹株式会社、スーパー歌舞伎II『ワンピース』パートナーズ)
 海外でも大人気の冒険マンガを、歌舞伎という伝統的な様式美の世界に再現させた。コンピュータグラフィックスやプロジェクションマッピングという最新技術を取り入れる一方、早替わりや宙乗りなどの歌舞伎の技法を融合させた演出は観客の度肝を抜いた。若者や外国人を集めることにも成功している。その独創性を評価。

4:Splatoon(スプラトゥーン)(任天堂株式会社)
 オンラインマルチプレイがメインのアクションシューティングゲームでありながら、任天堂らしい「間口が広くて奥が深い」ゲーム性が多くのゲームプレイヤーの心をつかみ、新規IPとしては近年になかった国内100万本以上のセールスを記録。まさに2015年を代表するゲームソフトになった。その多大な成果と、そしてなによりチャレンジ精神を評価。

5:Pepper(ソフトバンクロボティクス株式会社)
 「Pepper」は、世界初となる自分の感情を持ったパーソナルロボット。感情を擬似的に生成する機能により、喜んだり、不安になったり、ため息をつくなど言動が変化する。販売開始より、毎月即完売するなど世間から大きな注目を集め、金融・小売・医療・教育など様々な業界の未来の可能性を感じることができる点を評価。

6:Minecraft(Mojang AB)
 いわゆるサンドボックス型のゲームで、ブロックを配置し、ユーザーが作りたいものを自由に作っていくことができる。ゲームとしての純粋な完成度、面白さもさることながら、“何でもできる”自由度の高さから、想像力や管理能力、戦略的思考の向上といった、知育の面でも注目されている点を評価。

7:民放公式テレビポータルTVer(日本テレビ放送網株式会社、株式会社テレビ朝日、株式会社TBSテレビ、株式会社テレビ東京、株式会社フジテレビジョン)
 2015 年10 月にスタートした無料の見逃し配信サービス。初めて在京民放5 社が連携したもので、2 カ月で150 万ダウンロードを突破。PC やスマホ、タブレットで視聴でき、テレビ放送とインターネットの垣根をついに突破した功績は大きく、今後のコンテンツ流通の可能性を広げるものとして賞したい。

8:Universal Cool Japan(株式会社ユー・エス・ジェイ)
 「モンスターハンター」や「進撃の巨人」、「バイオハザード」、「エヴァンゲリオン」といった日本が世界に誇るエンターテイメントを積極的に取り入れ、当該年度において約1270 万人というパーク開設以来年間最高入場者数を記録した。本年度はさらに同イベントに「きゃりーぱみゅぱみゅXR ライド」が加わり、インバウンド客も含め、さらに大きく業績を伸ばしている。顧客満足に取り組むチャレンジ精神と意外性を許容する企業文化、成果を評価。

■先端科学技術賞Advanced Science and Technology Award
マツコロイド(日本テレビ放送網株式会社、マツコロイド製作委員会(株式会社ナチュラルエイト、株式会社エーラボ、株式会社電通、株式会社電通テック))
 マツコロイドは、大阪大学石黒浩教授の提唱する「ヒューマノイド型ロボットと人間のインタラクション」を、人気テレビ番組という一般国民に非常に分かりやすい形で提示したことに大きな意義がある。ロボット技術、人工知能といった日本の最先端科学に一般国民の興味を大いに沸かせたことはAMDの先端科学技術賞に値すると考える。

■功労賞The Life Achievement Award
受賞者:久夛良木健
 いわずとしれた"プレイステーションの父"。社内ベンチャーだったソニー・コンピュータエンタテインメント設立からPlayStation 3まで、一貫して最先端を追求する独創的な着想で全世界のゲームユーザーを熱狂させた。業績は自プラットフォームに止まらず、ゲームとWebが出会った時点で両者が融合すると指針を示し、リアルが後を追った。その偉大なる功績を称える。

■江並直美賞(新人賞) Naomi Enami Award
受賞者:本多達也
 本多氏は、耳の聞こえない人のために、音を振動と光の強さに変換させて髪の毛で感じさせるヘアピン型の装置という前代未聞の装置を開発した。音のアンテナという意味から「ONTENNA(オンテナ)」と名付けられたこの製品は、全世界のろうあ者に新しい希望を与える製品であり、表彰に値すると考える。

■リージョナル賞Regional Achievement Award
宮崎県小林市移住促進PRムービー「ンダモシタン小林」(宮崎県小林市)
 小林市を知らない人にも存分に楽しめるコンテンツとして仕上げ、二度見する人が続出。メディアでも数多く取り上げられ、2015年8月の公開後、約180万アクセスを記録(2016年1月時点)。西諸弁の言葉選びから、撮影、収録まで、市役所職員と制作スタッフによるチームワークの結晶といえるだろう。