神田明神節分祭に参加した今井麻美さんに直撃

 2016年2月3日(水)に東京の神田明神で行われた“神田明神節分祭豆まき式”。毎年恒例で行われているこの神事に、『シュタインズ・ゲート』シリーズ累計100万本達成と、さらなるヒット祈願ということで、同作で牧瀬紅莉栖役を務める、声優の今井麻美さんが参加。その模様を、こちらの記事でリポートしたが、豆まき式が終わった後に、ファミ通.comでは今井さんにインタビューを敢行。式の裏側で起きていた出来事や、『シュタインズ・ゲート』の今後について、また自身の6枚目のアルバムについても語ってもらった。

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※今井麻美さんがシリーズ100万本を突破した『シュタインズ・ゲート』のさらなるヒットを神田明神で祈願!

『シュタインズ・ゲート』で描かれるのは普遍的な“人間愛”――“豆まき式”後の今井麻美さんにインタビュー_01
■今井麻美さん(文中は今井)
『シュタインズ・ゲート』牧瀬紅莉栖役、『アイドルマスター』如月千早役など、さまざまな作品で活躍。歌手活動も精力的に行っており、2016年2月24日には、6枚目のアルバム『Words of GRACE』が発売予定。

ドキドキで参加した“豆まき式”

『シュタインズ・ゲート』で描かれるのは普遍的な“人間愛”――“豆まき式”後の今井麻美さんにインタビュー_02

――本日は、神田明神節分祭豆まき式への参加ということで、今井さんにとっては初めての参加でしたが、いかがでしたか?

今井 今回は『シュタインズ・ゲート』の牧瀬紅莉栖役として、『シュタインズ・ゲート』を代表して参加させていただきました。正直、このお話を聞いたときにはイメージが湧かず、とりあえず豆をまけばいいのかな、くらいに思っていたんです。でも、来てみたら思いのほか大規模イベントで面食らって、とにかく孤独でした(笑)。私以外の方々も、皆さん“どうしていいのかわからない”という雰囲気で、誰も状況がわかっていなかったのが逆に高揚感につながりまして、参加された方との「この後、どっちに行けばいいんですかね?」、「どうなんでしょうね?」なんていうやりとりもすごく楽しくて、いい経験をさせていただけましたね。神殿の中ではお祓いをしていただいたのですが、“『シュタインズ・ゲート』の今後”をずっとお祈りしながら、痺れと戦っていました(笑)。

――ずっと正座だったんですね(笑)。神殿の中では、基本お祓いだけが行われていたんですか?

今井 そうですね。ふつうのお祓いといっしょでした。いわゆる、皆が神社で厄払いをしてもらったりするような感じで、正座をして、二礼、二拍手、一礼をして神様にご挨拶させていただき、素敵なお声の宮司様が奏でられる祝詞の音色を聞きながら、「この先、どうなるのだろう……?」とみんなでハラハラドキドキしながら、聞き入るといった感じでしたね。

――その後、豆まきが行われたわけですが、神田明神に集まった人たちの顔は見えましたか?

今井 ガンガン見えました。「ミンゴスー!」とか、「麻美ちゃーん!」という声も聞こえていましたね。ただ、すごくドキドキしたのが、パニックが起こるのを防止するために、「笛の音が聞こえたら、豆まきを止めてください」とキツく言われていたんですけど、みんな舞い上がっていたので、笛の音が鳴ってもBGM程度にしか聞こえなくて、皆さんまくのが止まらないんですよね。私はひとりでハラハラしていました。途中からは「鳴ってますよ、鳴ってますよ」と、まわりの人たちに教えるみたいな(笑)。あと驚いたのが、“豆まき式”だったのですが豆がほとんどなくて、ほぼ駄菓子やミカンだったんです。ビックリしましたね。ただ、お片付けが楽でいいなと思いました。それと、ひとりひとりに用意された駄菓子の数が少なかったので調整するのが、たいへんでした(笑)。カメラが見つけられなくて、「取材のカメラマンさんは撮ってくれているのかな?」と不安になりながらやっていましたね。MAGES.のスタッフの皆さんは、『シュタインズ・ゲート ゼロ』のチラシを持って手を振ってくださっていたので、すぐに見つかりました(笑)。

――ちょうどMAGES.の皆さんの前にいたので、ばっちり撮影できました(笑)。

今井 そうだったんですか(笑)。いいフォーメーションでしたね! すごく貴重な経験をさせていただいたので、もしまた機会があったら、ほかのキャストの皆さんや、『シュタインズ・ゲート』のスタッフの皆さんといっしょに参加したいな、と思いました

『シュタインズ・ゲート』で描かれるのは普遍的な“人間愛”――“豆まき式”後の今井麻美さんにインタビュー_03

――今回、『シュタインズ・ゲート ゼロ』の10万本突破と、『シュタインズ・ゲート』シリーズ累計100万本突破を記念しての、さらなるヒット祈願ということでしたが、この記録の達成については、どのように感じられていますか?

今井 びっくりですね。シリーズで出ている作品数が多いとはいえ、100万本というのは夢のまた夢の数字ですので、微力ながら自分もこの偉業に関われたというのは身に余る光栄ですし、スタッフの皆さんのがんばりが報われた瞬間だとも思います。応援してくださった皆さんには本当に、感謝の気持ちでいっぱいです。また、スタッフの皆さんも、このたびはおめでとうございます。

――100万本という数は、日本のみならず海外のファンの方々も応援してくださった結果だと思うのですが、『シュタインズ・ゲート』が愛される理由は、どういうところだと思いますか?

今井 普遍的な人間愛を深く描いた物語という点だと思います。『シュタインズ・ゲート』は一見、“萌えの文化”というものを描いているように思われがちですが、いざフタを開けてみると、誰もが引き込まれる人間物語が描かれているんです。そういったものが受け入れられるというのは、万国共通なんだな、ということをすごく感じていますね。紅莉栖が世界中の方から応援していただいていることをリアルに感じているので、紅莉栖がこの世界に本当に生きているんだな、と思えます。

――物語の中のキャラクターだったはずが、ファンの方々の応援によって、実際に生きているように感じられるというのは、とてもよくわかります。

今井 そうですね。それは本当に応援してくださっている皆さんのおかげですので。

『シュタインズ・ゲート』シリーズ累計販売本数200万本達成のカギは……?

――2016年3月2日に発売予定のCD『The Sound of STEINS;GATE 魂』には、撮り下ろしのドラマCDが収録されるとのことですが、こちらの収録時のエピソードをお聞かせいただけますか?

今井 何人か別録りの方がいたのですが、私は本収録のときに皆さんといっしょに録ることができまして。今回のストーリーは、主軸にフブキがいる内容になっているんです。『シュタインズ・ゲート』という作品は、いろいろな世界線があるのですが、“『シュタインズ・ゲート ゼロ』の物語の後、フブキたちはどうなったのか?”というところを、若林監督(若林漢二氏。劇場版アニメの監督を務め、今回のドラマCDのシナリオも担当)がずっと気にしていらっしゃったそうで、収録のときに「僕はどうしてもこの先を描きたかったんです」と仰られていて。だから、役者さんたちも皆さん、気合を入れて収録に臨んでいましたね。今回は、比較的いままで絡んでいなかったメンバーと紅莉栖が絡む内容になっているので、新鮮でした。とくにフブキ役の本多真梨子ちゃんには、「今日、麻美さんがいてくださってよかったです」と、本当に熱く熱く言っていただきましたね(笑)。その意味はドラマCDを聴いていただけると理解してもらえると思います。なかなか珍しい収録風景だったので、この話については、皆さんのお手元に届いたころに、真梨子ちゃんからも聞いてもらいたいな、と思います。

――なるほど、いったいどういうことなのか、気になりますね。ちなみに『シュタインズ・ゲート』はシリーズ累計100万本を突破しましたが、200万本に到達するには何が必要だと思いますか?

今井 うーん……、時間ですかね(笑)

――なるほど(笑)。『シュタインズ・ゲート』も“時間”の話ですしね。

今井 いままでどおり誠実なモノ作りをして、お客さんを必ず驚かせる姿勢を貫き続ければ、いつか叶うと信じています。それくらい素敵なスタッフさんたちに恵まれていると思っています。

――信頼関係ができあがっているわけですね。『シュタインズ・ゲート』だけではなくて、今井さんご自身のお話もうかがえればと思うのですが、2016年2月24日に今井さんの6枚目のアルバム『Words of GRACE』が発売されますが、こちらはどんなアルバムに仕上がっていますか?

今井 2015年は音楽活動を精力的にやらせていただきました。ひさしぶりにテレビアニメのタイアップとして『プラスティック・メモリーズ』のエンディングテーマ『朝焼けのスターマイン』を歌わせていただいたり、実写映画『コープスパーティー』の主題歌『BABYLON ~before the daybreak』まで歌わせていただいきました。そういった自分の代表作となる楽曲も入りつつ、新曲も4曲も収録されていて、いちばん新しい私が存分に反映されたアルバムとなっています。2015年から2016年にかけてのリアルな私の“いまの歌”を体感していただけます。また、私のプロジェクトは、楽曲制作に当たって生音にこだわりを持っていまして、人間が奏でる音に人間が声を合わせることの化学反応みたいなものを、如実に感じられるアルバムになっています。きっと、音楽を身近に感じていただけるんじゃないかな、というアルバムになっているので、ぜひ手にとって聴いていただけるとうれしいです。

――最後に、今後の活動の展望などについての展望をうかがえれば。

今井 今年からちょっとルーティーンを変えて、ツアーが春に行われます。いつもやっていたバースデーライブとくっつけて、いっしょにやってみよう、と。岡山や名古屋、浜松など、いままでにライブをやったことがない土地でもライブを行うことが決まって、お会いできなかった方々の近くにも行けるかな、と思っていますので、ぜひ、お時間を作ってライブに参加していただきたいと思います。今回、ツアーを組むに当たって、いわゆるプロモーターの方とか、チケット会社の方とお話をする機会があったんですけど、私の音楽性にすごく共感していただけて、お客さんから見えないスタッフの方にも、すごく応援していただいているのを感じました。今後、自分にできる分野というものを、より深く研究していけたらいいな、と意欲に満ちています。今年は、自分のやりたいことを口に出していける年になったらいいなと思います。皆さんも応援よろしくお願いします!

『シュタインズ・ゲート』で描かれるのは普遍的な“人間愛”――“豆まき式”後の今井麻美さんにインタビュー_04

■The Sound of STEINS;GATE 魂(ザ・サウンド・オブ・シュタインズゲート・コンプリート)
発売日:2016年3月2日(水)
価格:18500円[税抜]
仕様:描き下ろしBOX仕様、CD7枚+DVD-ROM1枚 8枚組
収録分数:CD部分421分22秒/DVD部分1251分
品番:FVCG-1364 JAN:4582325374074
発売元:5pb.  
販売元:株式会社KADOKAWA メディアファクトリー
【毎回特典】キャラクター原案・huke氏新規描き下ろしBOX

■シュタインズ・ゲート ゼロ
機種:プレイステーション Vita、プレイステーション4、プレイステーション3
発売日:好評発売中
価格:【PS Vita版】6800円[税抜]/【PS4、PS3版】7800円[税抜]

■今井麻美6thアルバム Words of GRACE
発売日:2016年2月24日発売予定
価格:【数量限定盤(Blu-ray付)】4600円[税抜]/【DVD付盤】3800円[税抜]/【通常盤】3000円[税抜]
発売元:5pb.
販売元:株式会社KADOKAWA メディアファクトリー