赤い毛糸で思いをつなぐ――『UNRAVEL』プレイインプレッションをお届け

エレクトロニック・アーツより、本日2016年2月9日発売のプレイステーション4、Xbox One 用(PC版は2月10日発売)パズルアクションゲーム『UNRAVEL』。本作のプレイインプレッションをお届けする。

●実写的でありながら、ファンタジーのような柔らかさを感じるビジュアル

 エレクトロニック・アーツより、本日2016年2月9日発売のプレイステーション4、Xbox One用(PC版は2月10日発売)パズルアクションゲーム『UNRAVEL』。本作の物語は、とある老婆の編み物から赤い毛糸の人形が歩き出すところから始まる。彼の背中から伸びている毛糸を活かした物理アニメーション&アクションが特徴の、プラットフォームアクション/パズルアドベンチャーゲームだ。本稿では、本作のプレイインプレッションをお届けする。

 赤い身体と白い目を毛糸で作られた物語の中心となるあみぐるみ“ヤーニー”のインパクトと、リアリティ溢れるビジュアルで注目を集めてきた本作だが、実際にゲームをプレイしてみると、家の中や庭、山や海や川などありとあらゆるシチュエーションにおいて、一貫していままでトレイラーで感じてきたような“写実的でありながらも柔らかさを感じる”という印象に変わりはなかった。
 とくにヤーニーの行動は、プレイヤーの心を温めてくれるものが多く、ステージや状況によっては表情や姿勢がある程度変わるため、いまヤーニーはどんな気持ちなのかが手に取るようにわかる。家を出て冒険をするヤーニーは、いつもひとりだ。これからヤーニーをどんな試練が襲うのか、希望と一抹の不安を抱えながらプレイヤーもヤーニーとともに冒険をすることになる。


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▲シンプルな操作性だが、冒頭ではしっかりと説明をしてくれる。

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▲りんごを押しているときの音やBGMもバツグンに良い!

 自然の中に足を踏み入れれば、もちろんカラスやカニ、チョウチョウなどの生物にも出会う。ほとんどの場合は敵対的な立場か、あるいは中立的な立場の生物たちだ。その姿もとてもリアルにゲームの中に存在していて、“自然の中を冒険しているんだ”と実感させられる。
 その中でも筆者のお気に入りはカニ。カニということだけあって、海のステージに登場する敵対的な生物である。彼らのハサミに捕えられると、ヤーニーは糸を切られて胴体をつかまれ何度か地面にたたきつけられてから放り投げられてゲームオーバーとなり直近のポイントから再開することになる。このカニの動作の現実味がとても強く、初めてカニの歯牙にかかった際には、ヤーニーのやられっぷりに思わず絶句してしまった。ヤーニーやステージの景色が優しさを感じさせる分、よりその衝撃は大きかった。


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▲このほかにもミミズやクモも風景の一部として登場するが、どの生き物も生々しくリアルに描かれている。

●ストーリーを支えるステージは“四季”だけではない

 本作を開発したのはColdWood Interactiveというスウェーデンのゲームメーカーだ。スウェーデンの会社が作ったというだけあって、ステージはスウェーデンの景色を背景にしたものが多く用意されている。そのどれもが雄大で素晴らしい景色なのだが、ヤーニーの冒険は四季の美しさの中だけでは終わらない。
 例えば、暗くじめじめした沼地のステージではヤーニーの回りに蚊がたかってきたり、浸かるとすぐにゲームオーバーとなってしまうような汚染物質が流れているステージなどがある。これもまた、海や山を舞台に雄大な四季を表現しているからこそ、少ない割合で描かれるこの沼地や汚染地帯などの不気味さと印象が強くなっている。


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 筆者のお気に入りのステージは、雪が降り積もった晴れた日のステージ。朝起きてみたら雪がたくさん積っていたという、あのワクワクするような気持ちを思い出させてくれた。池に張った薄い氷はヤーニーのジャンプで割ることができるのだが、それが楽しくてついつい無駄に氷を割ってしまい、池に落ちてしまうということが何度もあった。
 ちなみに、ステージ内の一部で大量のゴキブリが出現するステージも。その場所をプレイしているときは、思わず絶叫をし鳥肌を立てながらプレイしてしまった。


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▲穏やかな陽光が降り注ぐ雪のステージでは、ヤーニーの足音のSEなども雪を踏んだ時のようなSEに変わる。

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▲筆者が最も苦手だったステージの一部。「カサカサカサ」という足音に鳥肌を立たせながらプレイした。

 各ステージを冒険しながらヤーニーはそのステージそのステージごとの思い出を手に入れていく。ステージの内容と同じように、すべてが幸福な思い出というわけではない。そのおかげで本作はただ雰囲気が良いアクションゲームという枠の中に収まらない魅力を持つのだ。


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●人生の教訓を示した哲学書のような物語

 ステージの終わりでは、赤い毛糸で作られたバッジのようなものを手に入れる。ヤーニーはこのバッジを探し集めるための冒険をしているようだ。バッジを手に入れるたびにアルバムの表紙にそのバッジが貼られていき、そのアルバムの中でメッセージとともに数々の写真が貼られていく。そのメッセージがとても人生の教訓めいていて、考えさせるというかノスタルジックな気持ちにさせられる。希望はありながら切なさも感じさせられるそんなメッセージと写真なのだ。
 そしてこれは筆者だけなのかもしれないが、日常のあらゆるシーンを写真に収めておこう、切り取って残しておこうと、そんな気持ちにさせられた。


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 また、やり込み要素的な存在として、“秘密の思い出”というものがステージにいくつか点在してある。各ステージで最大5個用意されており、木の上やオブジェクトの下などちょっとすると見落としてしまいそうな場所に隠してあった。これをゲットするとアルバムの中の写真だけではなく、それぞれの思い出の品がヤーニーの家に飾られることになる。一度通して冒険をしたら、今度はこの“秘密の思い出”を探しにもう一度ステージを回ってみて欲しい。各ステージのギミックを理解したうえでもう一度冒険してみると、スイスイとステージを進行できて単純に楽しいし、“秘密の思い出”を手に入れるためにはそれなりのギミックが用意されているので、それを解くための新たなパズルを味わうことができるはずだ。


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▲バッジを獲得するとステージを選択する写真立ての前に飾られていく。

 また、ヤーニーの家には“アルバムがある部屋”と、“写真のある部屋”がある。暖炉やピアノなどが置かれておりピアノはヤーニーが鍵盤を踏むと音が出るなど、細かい部分もしっかりと作り込まれていると感じた。


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 今回、クリアーまでにかかった時間は約6時間程度。途中、何度も失敗したり“秘密の思い出”をゲットするためにトライ&エラーをくり返してこのクリアー時間となっている。パズルアクション好きの方が楽しめることはもちろん、普段はあまりこの手のゲームをプレイしたことがない人でもサクッとプレイできるのでオススメだ。操作も非常にシンプルなうえ、オンライン要素はないのでマイペースで楽しめるところもポイント。大切な思い出を探しに、ヤーニーと一緒に冒険してみてはいかがだろうか。


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▲おまけ
公式サイトにて公開中の毛糸の人形“ヤーニー”の作りかたガイドで作製した手作りヤーニー(と我が家の猫)。詳細はこちら(http://www.famitsu.com/news/201601/18097467.html)をチェック。