世界大会の最新情報などもお披露目
2016年1月30日~1月31日、千葉・幕張メッセにて開催された、ゲーム実況とゲーム大会の祭典“闘会議2016”。会期2日目となる本日1月31日、バンダイナムコエンターテインメントブース最後のステージには『東方Project』などでおなじみの上海アリス幻樂団を主宰するZUN氏が登場し、太鼓チームのクリエイターらとトークをくり広げた。
今回の対談は、『東方Project』関連楽曲が多数『太鼓の達人』に収録されていることから実現したもの。「素面なんですよ、いま」と語るZUN氏と対談するのは、太鼓チームの総合プロデューサー・ナカダテ氏とアートディレクターのササオカ氏。クリエイター3名にお笑い芸人ならぬ宇宙海賊・ゴー☆ジャスを加えて、貴重な対談が展開した。
最初のテーマは「クリエイターになったキッカケ」。もともとは西陣織の帯の図案などを描いていたというササオカ氏は幼少の頃からゲーム好きで、それが高じてゲームクリエイターの道へ進んだという。幼い頃はナムコから発売された『ALL ABOUT NAMCO』の巻末に載っていたドット絵をひたすらなぞっていた、というエピソードを明かしていた。同じくゲーム好きだったというナカダテ氏もかなりマニアックな楽しみかたをしており、小学生の頃には欲しいファミコンソフトのデータベースをノートに手描きで描いていた、という思い出も! ゲーム同様音楽好きのナカダテ氏がナムコに入社し、生まれたのが『太鼓の達人』だ。
一方のZUN氏も、幼い頃からのゲームファン。そのまま大人になり、「しいて言えばゲームしかなかった。大学生になり、当たり前のようにゲームを作り始めた」と、クリエイターになったキッカケを語った。ちなみにゴー☆ジャスは前述の通り宇宙海賊。テレビや声優の海を荒らそうとした結果、いまはネットの海を荒らしているとのこと。
プレイヤーを熱中させるには“勉強”をする必要があるというZUN氏。技術的なことや音楽的な勉強はもちろん、「その辺を歩いているだけでも見たことがないものがたくさんあり、いろんな勉強ができる」と話す。おもしろいこと・ものは、往々にして身近なところに転がっているもの。「電車の中でスマホ見てる場合じゃない!」と、身の回りに注目することが大切だと語った。これにはナカダテ氏も「好奇心を持って見ることが大事ですね。感覚で感じたものを論理的に考える。幼いころの“これなんで?”が大人になるまで続いています」と、深く頷いていた。
そんなクリエイター陣の音楽の原点とは? ナカダテ氏の原点は、幼いころに聞いた歌謡曲。「アイドルたちのキラキラした曲が心に飛び込んでくる気持ちよさを、ゲームで作りたいと思った」と語った。ZUN氏はやはりゲーム音楽が原点にあるようで、『ダライアス外伝』などに影響を受けたそうだ。
ゲームメーカーでチームとして開発を行う太鼓チームと、単身で作品を作り上げるZUN氏。対照的な制作環境には、それぞれメリット・デメリットもある。チームとして開発を行うメリットは、「ひとりでは思いつかない発想を出し合える」(ナカダテ氏)こと。関わる人が多い分、コミュニケーションに気を遣うというが、意見や激論を交わし合ったうえで、よりよいゲームが生まれていくのだ。一方のZUN氏は、ひとりで制作を行うデメリットを「どうしても妥協しなかいけない。諦めの繰り返しです」と語ったうえで、「ひとりで作るならその覚悟がないとダメ」と断言。このように異なる環境で制作している両者だが、やはり“おもしろいゲームを作る”という目標は同じくしていることだろう。
盛り上がりを見せたトークの後は、出演者でアーケード版『太鼓の達人 Ver.ホワイト』をプレイ。もちろん楽曲は『東方Project』関連ということで、ZUN氏がナカダテ氏とともに貴重なプレイ姿を見せた。
続いては、MCを務めたドグマ風見&ゴー☆ジャスの「イロモノコンビ」(ドグマ風見)が挑戦! ステージを観覧していた参加者からの「おにー!」のリクエストに、難易度最高で「Help me, ERINNNNNN!!」にチャレンジするも、ニコ生&会場からの応援虚しく惨敗(笑)。“おに”に恥じない難関譜面に苦戦したドグマ風見は「40代は鍛えてプレイしないとダメですよ!」と疲労を滲ませていた。
“太鼓の達人ドンだー!世界一決定戦2016”大会スケジュールなどが公開
バンダイナムコエンターテインメントブース最後のステージとなる本ステージでは、多数の新情報も公開された。
まず、2日間にわたって実施されていた『太鼓の達人プラス』の特別イベント“みんなでニコニコテレビちゃんを救うんだドン!”の結果が発表。550億スコア突破で最後の“ごほうび”が配布されるが、結果は見事552億スコア! これにより、バンダイナムコのゲーム楽曲が期間限定で無料配信されることが決定した(配信時期など詳細は後日発表)。ちなみに『太鼓の達人プラス』は、現在Google Play版の事前登録が受付中。こちらも人数によってアイテムが配信される予定なので、ぜひ登録しておこう。
そして世界大会“太鼓の達人ドンだー!世界一決定戦2016”に関して、大会スケジュールなどが公開。概要は以下の通りだ(日程などはすべて予定)。
■小学生以下部門
◆都道府県大会:2016年4月1日~30日
⇒各都道府県上位1名が小学生決勝大会へ進出
⇒課題曲
<都道府県大会・予選ラウンド(ふつう)>
・ゲラゲラポーのうた(『妖怪ウォッチ』より)
・ようかい体操第一(『妖怪ウォッチ』より)
・となりのトトロ
・XY&Z(『ポケットモンスター XY & Z』より)
・Let It Go~ありのままで~(『アナと雪の女王』より)
<都道府県大会・決勝トーナメント1回戦(むずかしい)>
・名探偵コナン メイン・テーマ
<都道府県大会・決勝トーナメント3位決定戦(むずかしい)>
・紅蓮の弓矢(『進撃の巨人』より)
<都道府県大会・決勝トーナメント決勝戦(おに)>
・Hard Knock Days(『ワンピース』より)
◆小学生決勝大会:2016年6月予定
⇒上位2名が世界一決定戦2016へ進出
■中学生以上部門
◆予選:2016年3月19日~4月24日
⇒各店舗上位2名がエリア大会(21エリア)に進出
⇒課題曲
<予選>
・輝きを求めて(Versus)※2月11日収録予定
・Choco Chiptune(Ancraft)※2月18日収録予定
・トオリヨ(テヅカ feat. 鏡音リン・鏡音レン)※2月25日収録予定
◆エリア大会(21エリア):2016年5月21日~6月5日
⇒各エリア1名の代表者が世界一決定戦2016へ進出
⇒課題曲
・凛(a_hisa)
・おにぎりはどこかしら♪(よみぃ feat.初音ミク)
・ココロボ(Ujico*)
・SstTAarR(M-O-T-U feat.初音ミク)
・食らいむ!まうんとぱふぇ(unatra)
・超絶技巧系少女(ねこかぶりサイクロン(xi+ねこみりん))
なお大会期間中にバナパスポートカードを使って世界大会の課題曲をプレイすると、世界大会にちなんだ“ぷちキャラ”が配布される予定。大会に出場しないプレイヤーも参加できるので、ぜひ参加してみよう。
また世界一決定戦2016には“天下一音ゲ祭”で開催される大会の優勝者が招待されるが、この“天下一音ゲ祭”は2月20日、アーケードゲームイベント“JAEPO2016”内で開催予定。こちらもお見逃しなく。
加えて、“敗者復活戦”、“出場枠争奪戦”によって、世界一決定戦2016の出場枠がふたつ追加されることが発表された。敗者復活戦はエリア大会で予選ラウンドを通過するも、代表に選ばれなかったプレイヤーを対象に、エリア大会終了後の6月に開催予定。出場枠争奪戦は全ドンだー対象・年齢制限なしで、こちらもエリア大会終了後の6月に開催される模様。まだまだ出場のチャンスはあるので、腕に自信アリのドンだーの皆さんはぜひチャレンジを! ちなみに“太鼓の達人ドンだー!世界一決定戦2016”公式サイトは近日リニューアルも予定。詳細情報はこちらをチェックしていただきたい。
最後のサプライズとして、2日間で寄せられた大会課題曲への意見を、エトウ氏&ササオカ氏がひと晩で起こした「凜」の譜面映像が公開! 観覧していた来場者のなかには、すでに流れる譜面を見ながらリズムを取る猛者も。果たして来場者の意見がどのように活かされているのか、最終版の譜面をお楽しみに。