『ストリートファイターV』教えて小野ちん! スペシャルQ&A!!

『ストリートファイターV』のスペシャルQ&A

●スペシャルQ&A

 2015年12月にアメリカのサンフランシスコで開催されたイベント“PlayStation Experience”の会場にて、カプコンUSAオフィサーの小野義徳氏を直撃取材。『ストリートファイターV』において気になる、5つの質問をぶつけてみた。


小野

小野義徳氏
カプコンUSAオフィサー
『ストIV』のプロデューサーを務め、カプコンUSAオフィサーという立場から本作でも重要な役割を担う。キャラクターのコスプレを行うなど、ユニークなプロモーションも精力的に行い、“小野ちん”の愛称で親しまれる。(文中は小野)

Q、どうしてサガットが登場しないんですか?
A、似たような性能のキャラクターが多いからです!

小野 ベガ、 バルログ、 バイソンを登場させるなら、 シャドルー四天王の「サガットも必要なんじゃないか」という意見は、当然社内からも出ていました。ただ、リュウやケンなど、サガットと同じカテゴリーのキャラクターはすでに何人かいるんですよ。今回のローンチと次期アップデートまでは、キャラクターをバランスよく登場させたかった。またキャラクターの数をやみくもに増やしたくなかったので、サガット不参戦という苦渋の決断をしました。サガットに限らず、ブランカなどシリーズおなじみのキャラクターも参戦していませんからね。もちろん、サガットやブランカを登場させてほしい方がたくさんいるのは存じていますが、 その声に応えてしまうと、 ほかにも「このキャラクターを登場させてほしい」といったファンの方の声に応えていかなければならなくなってしまうので。そういった要望は、今後キャラクターを追加する形で実現していく可能性がありますので、今後の展開にご期待ください。


Q、追加キャラクターを6人同時に発表した意図は?
A、イースポーツの観点から全員まとめて発表しました。

小野 今回のように、追加キャラクターをまとめて発表するのは、格闘ゲームとしては非常に珍しいことだと思います。 正直に言うと、 迷ったんですよね。 これまでのように少しずつ発表したほうが、ファンの方たちに期待しながら待ってもらえるかなと。 ただ、 発売後のサービス展開を考えたときに、つぎにどのキャラクターが実装されるかわからないと、どのキャラクターをやり込むか、どうやってキャラクター対策を立てるかなどが決めづらく、イースポーツの観点からするとフェアじゃないですよね。それで実装時期は追って連絡しますが、「こういうメンバーで次期シーズンを戦っていくことになります」と伝えたほうがいいと思いました。ですから、2016年は発表した6人のキャラクター以外、 いまのところ登場させる予定はありません。ちなみに、追加キャラクターをどのタイミングで実装するかは、 今後の課題のひとつだと考えています。 というのも、 どのタイミングで出してもプレミアムイベント(優勝するとカプコンカップファイナルズへの出場が決まる大会のこと)はすぐに開催されてしまうんですよ。ですから、来年のカプコンカップが始まるくらいまでに、ロードマップを発表できるといいなと思っています。発表してしまうと、実装を遅らせることができなくなるので、 開発や調整のスケジュールを厳守するという新たな課題が生まれますが(苦笑)。いずれにせよ、できるだけ公平になるように追加キャラクターを実装する予定です。 本作に関しては“リセット”をテーマに開発しています。 実装タイミングはギリギリまで考えますし、 確定したら皆さんにすぐにアナウンスしますが、 どのタイミングで実装しても、すべてのプレイヤーがほぼ同じレベルからスタートできるのではないかと考えています。


Q、世界各地で発表会を行った狙いは?
A、今後の展開のための土壌作りです

小野 今回、キャラクターを発表するときに回った地域は、『ストIV』のときに訪れなかった場所を積極的に選ぶようにしています。 メキシコやブラジルのサンパウロ、 ドバイのように生まれて初めて訪れた場所もありました。 それと、今回選んだ地域にはもうひとつ明確な選考理由もあって、カプコンカップをここ3年続けてきた中で、 急激にプレイヤー人口が増えているところや、PlayStation Networkの接続者数がとても伸びているところを積極的に回るようにしました。ですから、 どの地域も盛り上がりが本当にすごくて。それに『ストリートファイター』シリーズでは、登場キャラクターを発表するとき、「ついに自分の国が選ばれたな」という喜びも強いようですね。ネカリは名前の雰囲気やキャラクターアートの背景を見ると、中南米の地域のファイターじゃないかということで、 その地域の方たちのモチベーションが上がっていたり。 ララに関しては、『ストIII』に登場したショーンのお姉さんということで、 ブラジルの方を狙い撃ちにしていたりするので、 そういう地域での発表会は、 とくに盛り上がりを感じますね。 こうした盛り上がりをつぎのカプコンカップにつなげたいですし、 そこでまた盛り上がる土壌を作っていきたいと思っているので、 僕みずから積極的に動くようにしています。


Q、カプコンカップで印象に残ったことは?
A、新星プレイヤーが数多く登場したことです

小野 いちばんおもしろいと思ったのは、 地元から新星プレイヤーが生まれてきたことです。残念ながら32人の中に入らなかった強者もいますが、 ファイナルズに残った選手の中では、ブラジルのケオマ選手は急激に力をつけてきました。 また、 ももち選手とアツい戦いをしたフランスのルフィ選手が急激に伸びてきたとも感じましたね。そういう意味では、『ストIV』のサービスを7年間途切れることなく続けてきた甲斐がやっと出てきたのかなと思います。『ストV』でも、 彼らのような新星プレイヤーに活躍してもらいたいと期待していて。 いまの若い子たちは、 どう魅せたら観客が自分のフォロワーになってくれるのかを理解しているプレイヤーがすごく多いと思います。僕は韓国のインフィルトレーション選手が好きなんですよ。彼自身、勝つことが最優先ではありますが、ここでこれをやったら盛り上がるというのをわかっているんですよね(笑)。確固たる実力があって、そのうえで観客を魅了するプレイヤーが出てきたのは、プロの世界にとって非常に頼もしいことですし、 僕らとしても見る人が楽しんでくれるのでうれしいです。 彼らを見て、プロを目指す土壌ができてきているという雰囲気も感じています。 それと、 先ほどお話ししましたが、『ストV』はリセットがコンセプトですので、全員が同じ位置からのスタートになります。みんなにチャンスがあると思っていただきたいですし、今後も新星プレイヤーがどんどん出てきてくれると期待しています。


Q、オンライン対戦の開発は順調ですか?
A、いろいろな施策を考えながら鋭意開発中です

小野 オンライン要素に関しては、 ほかの会社とも協力して最終的な調整をしている段階です。 いろいろ苦労していますが(苦笑)、 プレイステーション4でもPCでも楽しめるようにとことん追求していきたいと思います。また、ゲーム内のカプコンファイティングネットワーク(CFN)には、対戦相手のことがある程度わかるプロファイリングシステムを入れていくとお伝えしました。この機能の行き着く先として、プレイヤーの腕前に合わせた対戦相手と遊べるようにしたいという狙いがあります。 野球でたとえると、 少年野球と草野球とプロ野球があったら、プレイする場所をオートマチックにきっちり分けようとするイメージです。もちろん、 草野球からプロ野球に行けるようにもしますし、 逆に留まれるようにもしたいと考えています。そういう場をオンラインでしっかり構築しつつ、「オフラインでも作ってください」という声にも応えていきたいですね。とはいえ、オフラインのイベントには腕に自信のあるプレイヤーの参加が多く、初心者の方が参加するにはまだまだ敷居が高いと感じています。 まずは、オンライン機能や、デジタルコミュニティーのサービスで、ゲームのおもしろさをしっかりと伝えていきたいと考えています。そして、ゆくゆくはメディアの方たちと協力して、たとえば“ファミ通杯”などの大会を開けるように、いろいろな施策を考えています。 この新しい対戦格闘ゲームを、より多くの方に遊んでもらいたいですね。