システムの全貌が明らかに

 2016年2月18日にコーエーテクモゲームスより発売される『進撃の巨人』。プレイステーション Vita、プレイステーション4、プレイステーション3で発売される同作は、テレビアニメ版『進撃の巨人』のストーリーが追体験できるほか、オリジナルエピソードも盛り込まれるなど、ファン注目の内容となっている。本記事では、そんな同作の開発陣を直撃。同作のプロデューサー・鯉沼久史氏と、ディレクターの喜多村智行氏に、ゲームにまつわるさまざまなことを聞いた。

立体機動装置で飛び回りながら戦う! ゲーム版『進撃の巨人』開発陣インタビュー_04
▲鯉沼久史氏(写真左)と喜多村智行氏(写真右)。

――本日は、発売を約2ヵ月後に控える『進撃の巨人』について、いろいろおうかがいしたく思います。

鯉沼久史氏(以下、鯉沼) よろしくお願いします。

──まずは、キャラクターのお話からうかがいます。本作で操作可能なキャラクターは、エレン、ミカサ、アルミン、クリスタ、サシャ、コニー、ジャン、リヴァイ、ハンジ、エルヴィンの10人となっています。この10人を選んだ基準は?

喜多村智行氏(以下、喜多村) 本作は、“ストーリーの追体験”がテーマになっています。原作のシナリオでも、エレンが捕まったりするシーンなど視点がいくつか変わっていますので、ゲームでもストーリーに合わせて操作するキャラクターを考えることで、原作さながらの状況を作り出そうと、現状の形になりました。

――ストーリーのどこを描くかをまず考えて、それに合わせてキャラクターを決めたというわけですね。

喜多村 そうですね。

――ライナーやユミルなどのキャラクターを操作可能にするかどうかは、やはり悩まれましたか?

喜多村 かなり悩みました。ただ、やはり本作では原作のシナリオを忠実に再現することを重視していますので、今回の10人で行くことにしました。

――調査兵団の団長・エルヴィンが操作できるのは驚きました。

喜多村 何よりも原作で非常に重要なキャラクターですので、エルヴィンは入れなくてはいけないな、と思っていました。

立体機動装置で飛び回りながら戦う! ゲーム版『進撃の巨人』開発陣インタビュー_02

――ストーリーモードのようなものがあって、そこでシナリオを進めていく、というのがメインの遊びになるのでしょうか?

鯉沼 “進撃モード”というものがあるのですが、これがいわゆるストーリーモードです。このモードでは、アニメ版『進撃の巨人』のストーリーをなぞっていくことになります。

喜多村 テレビアニメ版は、現在2期の制作決定が告知されていますが、本作では1期の冒頭から最後までを描いています。エレンたちが最初、訓練兵団に入るところから始まります。

――先ほど、エレンが捕まるというお話がありましたが、そのときはほかのキャラクターを操作することになるのでしょうか?

喜多村 はい。最初はエレンを操作して進めていくのですが、エレンが捕まったあとは、ミカサやアルミンがプレイアブルになったりします。それと、たとえば調査兵団が壁外に調査に行っているシーンですと、そこに訓練兵団のエレンたちはいませんので、リヴァイなどを操作することになります。ストーリーに合わせて、プレイするキャラクターが変わっていきます。

鯉沼 原作ではキャラクターごとにスポットが当たっていきますが、それをゲームでも取り入れているんです。

――イベントでも、アニメを再現している部分がありますし、それも含めてストーリーを描いていくわけですね。

喜多村 はい。原作の名シーンですとか、各キャラクターのかっこいい場面などもしっかりとイベントで作ってありますので、そういう部分もファンの方に楽しんでいただけると思います。また、原作を知らないという方でも、ゲームを遊びながら『進撃の巨人』のストーリーを知っていただけるぐらい、再現しています。

――進撃モードでは、ゲームオリジナルの任務も発生するんですよね?

喜多村 そうですね。原作では描かれていなかった部分も、本作では描いています。

鯉沼 主軸となる物語の裏で、じつはこういうことが起こっていた、という内容ですね。先ほども言ったように、アニメの『進撃の巨人』では、各話ごとにスポットの当たるキャラクターが変わっていましたよね。とすると、活躍が描かれていない人も、裏では何かをやっていたはずなので、そういった“あのとき彼らは”という感じのエピソードをオリジナルで描いています。

――それはコーエーテクモゲームスさんが考えて、原作の諫山創先生に監修を受けたのですか?

鯉沼 はい。諫山先生や、担当編集さんにも確認していただいて、『進撃の巨人』のストーリーとして、しっかり仕上がっています。まったく新しい物語で、そういったところを厚めに入れてあるので、アニメを見た方でもまた新たな発見があると思います。 

――それは、ファン必見ですね。ほかに、ゲームモードはあるのですか?

喜多村 “壁外調査モード”というものがあります。これは、用意されているさまざまなミッションを達成していく、というモードです。歯応えのあるミッションなどもありますので、やり込んでお楽しみいただければと思います。

鯉沼 進撃モードは、ゲームをクリアーすれば、従来の『無双』シリーズのフリーモードのように、好きなキャラクターでそのステージを遊べますが、基本的にはシナリオによって、使えるキャラクターが決まっています。それに対して、このモードではキャラクターを自由に選ぶことができます。ですから、好きなキャラクターを使い込んだり、あるいは成長させるときに、このモードを遊んでいただければと思います。

喜多村 キャラクターたちが使う武器を強化するための素材を集めたり、兵団資金を集めたりといった目的でも、このモードを利用してほしいですね。