美少女アドベンチャーゲームの『にゃんにゃん』を開発中
NTTぷららが運営する、国内初のテレビ向けクラウドゲームサービス“ひかりTVゲーム”。2013年のサービス開始以降、順次サービス内容を充実させてきた同サービスだが、この度新たな取り組みを実施する。クラウドゲームとスマートフォンアプリを連携してのゲームソフトをリリースするというのだ。
NTTぷらら サービス本部 ビジネス戦略部 吉原研氏によると、今回のプロジェクトは「ひかりTVゲームのサービスを2年、3年と続けてきて、もう少し幅広い分野に挑戦して、可能性を広げていきたいと思ったんです」というきっかけから始まったという。そのときに着目したプラットフォームがスマートフォンで、「いままで取り組んでいなかったスマートフォンの世界から認知度を上げたいと思ったんです」（吉原氏）という。「クラウドゲームとスマートフォンアプリを連携させて新しい体験を提供できないか」と熟慮した制作陣は、今回のプロジェクトを推進するにあたりクラウドゲームとスマートフォンのアプリとを連携するために専用の基盤システムを開発したというから、相当な意気込みを感じさせる。
さて、そんな満を持しての体制でNTTぷららが配信するゲームタイトルは『にゃんにゃん』。「乙女系や美少女ゲーム系のデベロッパーとして、近年実力を付けてきた」（吉原氏）開発会社のサクシードが手掛ける美少女アドベンチャーゲームだ。ひかりTVゲームというと、個人的には「ファミリー向けのゲームが中心」という印象があったので、美少女アドベンチャーゲームをリリースすることは意外な感じがしたが、そのことを率直に吉原氏にぶつけてみると、「たしかにひかりTVゲームはファミリー層にフォーカスしていました」と説明してくれたうえで、「スマートフォンというプラットフォームで勢いがあるのが、美少女アドベンチャーゲームというジャンルだと判断したからです」とのこと。新たなジャンルに挑戦するという事実を見ても、ひかりTVゲームの“攻め”の姿勢がうかがえる。もちろん、美少女アドベンチャーゲームとは言っても過度な露出などは控えており、CEROで言えばC（15歳）相当の内容になるらしい。
ひかりTVゲームの美少女アドベンチャーゲームということで、ゲーム内容も気になるところだが、吉原氏によると、「美少女アドベンチャーゲームというと、女の子にモテモテでバラ色の生活というのはよくありますが、本作はそういった王道とは違った、一風変わった内容になっています」とのこと。主人公はひょんなことからネコになってしまった男子高校生で、女の子たちとの交流が描かれるストーリーになるというのだ。主人公はネコなので、相当好き勝手なことができそうだが（実際のところ、ローアングルから女の子を眺めたり、女子更衣室に入ったり……というシーンもあるようです）、そういうお色気ばかりが本作の見どころというわけでもない。女の子が誰にも言えない悩みを抱えていたりするなど、女の子には二面性があり、物語を進めることで、それが徐々に明らかになっていくというのだ。「二面性のある女の子たちを深く知ることが物語の核となるんです」（吉原氏）という。本作は、女の子たちの秘密の一面をネコの視点で解き明かしていくアドベンチャーなのだという。
気になるクラウド版とスマホ版の連携は？
では、肝心のクラウド版とスマートフォン版の連携はどうなるのか？ 『にゃんにゃん』はクラウド版がひかりTVゲーム専用タイトルとして12月頭にリリースされたばかりでスマートフォン版がサクシードよりiOSおよびAndroid向けに順次配信予定だ。スマートフォン版は基本プレイ料金無料で提供され、誰でも気軽に楽しむことができる。ただし、ひかりTVゲームの会員になるとさまざまな“連携機能”を楽しめるようになっている。セーブデータの共有はその最たるものだが、アイテム課金なしでゲームを進められるという点も挙げられる。スマートフォン版には“行動力”という概念があり、一定時間ゲームを遊んだ後は、しばらく時間を空けるか、“行動力”を回復するアイテムを購入する必要があるのだが、ひかりTVゲームの会員になると、好きにゲームを楽しめるというのだ。
クラウド版とスマートフォン版の連携機能の目玉として用意されているのが“音声認識”。これは、スマートフォン版アプリをマイクコントローラーとして活用する楽しみかたで、特定のシチュエーションで音声シーンが登場して、会話を楽しめるようになっているのだ。「認識できるワードは500くらい用意されていますよ」（吉原氏）とのことで、ヒロインたちとの臨場感溢れるやり取りが満喫できそう。さらには、女の子とネコが会話を重ねて認識できる言葉が増えていくと、“ネコ語検定”として言葉を修得していくという。いわゆるコンプリート要素も加味されているので、遊び甲斐も増しそうだ。「音声認識に対応したクラウドゲームは、おそらく日本初になります」とのことで、まさにクラウドとスマートフォンならではの連携と言えそうだ。
ひかりTVゲーム版とスマートフォン版、基本は同じ内容となる『にゃんにゃん』だが、ひかりTVゲーム版だけの大きな特徴として、フルボイスが挙げられる。スマートフォン版だと要所要所で流されるボイスが、ひかりTV版ではフルボイスになるというのだ。音声は最大でおよそ1000ワードが収録されているというから、平野さんや竹達さんのファンの方は、断然ひかりTVゲーム版がオススメ。
さらにひかりTVゲーム版だけの特徴として、ちょっとエッチなシナリオが楽しめるというから、ちょっぴり大人のファンの方は注目されたし。
豪華キャスト＆アーティストにも注目
『にゃんにゃん』制作にあたっては、豪華声優やアーティストが起用されているのも注目ポイント。まずはヒロインであるソラを担当しているのが声優の平野綾さん。「最近は女優としてご活躍の機会が増えていますが、とても演技力の高い方で、ソラの二面性をしっかりと表現されています」（吉原氏）とのこと。もうひとりのヒロインとも言える、ニューヨークからやってきた帰国子女のフィービーを演じているのは、こちらも人気声優の竹達彩奈さんだ。
一方で、NTTぷららが運営するオンラインコミュニティーサービス“部活DO！”のアニメ制作部のオーディションにて、サブヒロインのオーディションを実施。アニメ制作部の部長（キュレーター）のニーコさんが審査を担当。選ばれた部員（一般のお客様）も起用されているというから楽しみだ。
さらに、『にゃんにゃん』ではオープニング＆エンディングテーマが用意されている。これは、「しっかりとした世界観を構築したかったから」（吉原氏）との理由によるもの。とくにエンディングテーマである『I’m a Little little cat』を担当する出口 陽（でぐち あき）さんは、SKE48の元メンバーから歌手に転身したという期待の新星。ゲーム中にも本人役として登場するというから大いに注目したい。
スマートフォン版は事前予約キャンペーンがアツい
前述の通り、『にゃんにゃん』のひかりTVゲーム版は12月から提供中で、ひかりTVゲームの会員になることで楽しめる。さらに、スマートフォン版は2016年1月以降のリリースを予定しているという。そして、スマートフォン版を楽しみにしているユーザーの皆さんには朗報が！ スマートフォン版はただいま事前予約キャンペーンを実施しているのだ。事前登録の特典はふたつ。ひとつめが“特別シナリオ”の解放で、こちらは事前登録した全員にプレゼントされる。もうひとつが、ゲーム中でソラ（平野綾さん）やフィービー（竹達彩奈さん）がユーザーのニックネームを呼んでくれる権利（5名）と、平野さんと竹達さんの直筆サイン入り色紙（5名）がプレゼントされるという。ただし、こちらは事前登録したうえに、『にゃんにゃん』の公式ツイッターアカウント（@nyan2_officialをフォローして、キャンペーンをリツイートすることが条件となる。
最後に改めて『にゃんにゃん』の魅力を吉原氏にうかがってみると、「美少女アドベンチャーゲームが大好きな方には、ネコが主人公という視点のおもしろさという部分で新鮮味を感じていただけるはずです。一方で、美少女アドベンチャーゲームにあまりなじみのない方も、ネコだから好き放題やれるというカタルシスを感じていただける爽快なストーリーになっています」とのこと。
吉原氏の口からは、IP（知的財産）の展開という観点から『にゃんにゃん』に対するアツい思いが口にされた。「これはいち担当者のガッツが迸っているレベルで聞いていただけるとうれしいのですが」と前置きしたうえで、「『にゃんにゃん』は、世界観も相当大事にしつつサクシードさんとタッグを組んで作り込んでいまして、ゲーム版がヒットしたら、ぜひともアニメ化をしたいと考えているんです」というのだ。「そういうのは夢をもっていますので、ぜひとも皆さん遊んでいただいて、応援していただきたいです！」と吉原氏はアツく語ってくれた。
さらには、専用の基盤システムを作ってしまうくらいなので、NTTぷららでは今後もクラウドゲームとスマートフォンアプリを連携するゲームを予定しているのでは……とも思われるが、吉原氏によると「第2弾は構想としてはあります。美少女アドベンチャーゲームとは違った毛色のものを検討しています」とのことで、今後もクラウドゲームとスマートフォンアプリが連携したタイトルが期待できそうだ。NTTぷららによる、クラウドゲームとスマートフォンアプリとの連携による取り組みが、今後どのような成果を結ぶか、楽しみだ。
最後に、『にゃんにゃん』のゲーム中で使用されているビジュアルイラストをお届けする。こんな素敵なイラストを見せられたら、期待も高まるばかりです！
