インタビューでは開発秘話なども明らかに

 セガゲームスより、発売中のプレイステーション Vita、プレイステーション4、プレイステーション3用ソフト『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』。本作の発売日である2015年12月17日に東京、秋葉原にあるセガ秋葉原1号館にて発売記念イベントが開催された。

野中P、寺田D、“電撃FIGHTINGガールズ”のインタビューもお届け! 『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』発売記念イベントリポート_01

 イベントは、『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』の購入者を対象にした抽選会と、誰でも参加できるゲームの対戦会が行われた。抽選会には、キャラクターボイスを担当した声優陣の直筆サイン色紙や、電撃文庫の原作作家のサイン入り販促ポスターなど豪華賞品が用意されていたこともあり、朝早くから大勢のファンが詰めかけていた。

野中P、寺田D、“電撃FIGHTINGガールズ”のインタビューもお届け! 『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』発売記念イベントリポート_02
野中P、寺田D、“電撃FIGHTINGガールズ”のインタビューもお届け! 『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』発売記念イベントリポート_03

 対戦会には、公認応援団である“電撃FIGHTINGガールズ”が駆けつけ、発売されたばかりの本作で、ユーザーとアツいバトルをくり広げていた。

野中P、寺田D、“電撃FIGHTINGガールズ”のインタビューもお届け! 『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』発売記念イベントリポート_04
野中P、寺田D、“電撃FIGHTINGガールズ”のインタビューもお届け! 『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』発売記念イベントリポート_05
▲対戦だけでなく、試合の前後にも、会話をしてファンとの交流を深めていた。

 また、クラブセガ秋葉原新館では、同じく12月17日にセガゲームスから発売となった、プレイステーション Vita用ソフト『ミラクルガールズフェスティバル』の発売記念抽選会も開催され、こちらも多くのファンで賑わっていた。

野中P、寺田D、“電撃FIGHTINGガールズ”のインタビューもお届け! 『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』発売記念イベントリポート_06
野中P、寺田D、“電撃FIGHTINGガールズ”のインタビューもお届け! 『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』発売記念イベントリポート_07
野中P、寺田D、“電撃FIGHTINGガールズ”のインタビューもお届け! 『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』発売記念イベントリポート_08
野中P、寺田D、“電撃FIGHTINGガールズ”のインタビューもお届け! 『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』発売記念イベントリポート_09

 リポートの最後にイベント中に行われた、プロデューサーの野中竜太郎氏、ディレクターの寺田貴治氏、“電撃FIGHTINGガールズ”の合同インタビューの模様をお届けする。

野中P、寺田D、“電撃FIGHTINGガールズ”のインタビューもお届け! 『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』発売記念イベントリポート_10
▲写真左から、高橋百合子さん、アイダユキコさん、寺田貴治氏、野中竜太郎氏、かいありささん、十束おとはさん、芦澤佳純さん。

――発売を迎えた感想を教えてください。

ディレクター 寺田貴治氏(以下、寺田) 本作では前作で得た反省点を強化して、キッチリ仕上がった作品になっていると思います。ですので、前作をプレイして満足した方でも、ぜひ手に取って遊んでいただきたいです。前作は、電撃文庫創刊20周年を記念したお祭りと言っていたのですが、もう1度キャラクターたちが集結したお祭りで、心をイグニッションしていただければうれしいと思います。

プロデューサー 野中竜太郎氏(以下、野中) 皆さんの応援を受けて、前作からほぼ1年というタイミングで本作を発売することができました。いろいろなことを行っていたので、この1年間はすごく早かったなという印象です。来週12月25日にはDLC(※新キャラクター“ユウキ”と“レン”)も配信されます。年末年始は、ぜひ本作をプレイしていただいて、お祭り感を楽しんでいただきたいです。

アイダユキコさん(以下、アイダ) 電撃文庫のキャラクターで夢のタッグが組めるということで、私もとても楽しく遊ばせていただいています。コンシューマー版から、新キャラクターが追加されているので、新規のプレイヤーさんも、さらに増えると思いますね。私もまだまだ初心者なので、いっしょにイグニッションしてきましょう。

かいありささん(以下、かい) 私はいままでゲームセンターに行っても、UFOキャッチャーか、音楽ゲームしか遊んでいなかったのです。でも、“電撃FIGHTINGガールズ”になってからは、格闘ゲームをプレイする目的でゲームセンターに行くようになりました。そんな格闘ゲーム初心者の私でも遊びやすい作品になっています。いまはまだまだ上手ではないのですが、これからどんどん強くなれるようにがんばります。

芦澤佳純さん(以下、芦澤) コンシューマー版の発売は、ファンとしてもうれしいです。新キャラクターも追加されているので、どんなコンボができるのかなと、ワクワクしています。ネットワーク対戦で皆さんと戦えるのもすごく楽しみです。

高橋百合子さん(以下、高橋) 本作では、好きなキャラクターを強化できるということで、“俺色に染めてやるぜ”感があっていいなと思います。私も早く家に帰ってプレイしたいです。

十束おとはさん(以下、十束) 今年も発売記念イベントに関わらせていただけることがうれしいです。昨年は『とある魔術の禁書目録』の御坂美琴ちゃんのコスプレをしていましたが、今年から“白井黒子”ちゃんに変わりました。じつは、オーディションのときから、「白井黒子ちゃんが大好きです!」と言い続けていたので、本作でプレイアブルキャラクターとして追加されて、しかもコスプレもできたことがすごく幸せです。

――本作の開発で苦労したことはありましたか?

寺田 本作は電撃文庫の主役級のキャラクターたちが総登場しているということもあって、参加している声優さんも豪華メンバーになっています。その声優さんのスケジュール調整がたいへんでしたが、関係各所さんのご協力もあって無事に終えることができました。もうひとつは、アーケード版稼動前のお話になりますが、“イグニッションシステム”の追加を決めてから、稼動までの時間がかなり短かったので、そこがいちばんしんどかった記憶があります。いちばん最初に稼動したバージョンでは、ダメージが一気に減ったり、少しハチャメチャな感じになったりもしていました。でも、その後にユーザーの皆さんから、たくさんの意見をいただけたので、短期間ですごく密度の濃い調整ができました。

野中 僕も苦労したのは、アーケード版の稼動直前です。キャラクターバランスをどこまで調整するかなど、いろいろたいへんでした。

寺田 もともと、“イグニッションシステム”を追加するつもりはなかったんですよね。でも、開発メンバーがタイトルの“イグニッション”という言葉を見て、「キャラクターの心も熱くしていきましょうよ」と提案があり急遽追加することになりました。ですので、その後リリースまでの期間は本当にたいへんでしたね。

――“イグナイトブースト”をネットワークモードに非対応にした理由を教えていただけますか?

寺田 ネットワークモードに対応することも可能だったのですが、そうすると不正にポイントを上げたりする方も出てるくるんじゃないかという危険性を危惧して今回はオフラインのみの対応、としました。オフラインで遊ぶときにはレベル9対レベル9で対戦するというようなハチャメチャな感じも楽しんでいただければと思います。

野中 補足させていただくと、“イグナイトブースト”は、ユーザーさんが参加することによって、“自律的にゲームバランスが変化するのがおもしろいんじゃないか”というところから始まりました。ただ、ユーザーさんの反応を見ていると、どちらかというと大本のバランスにおいての競技性を好まれている感じだったので、本作ではオフラインだけの要素として入れることにしました。

――本作のここは見てほしいというような、こだわりのポイントを教えてください。

野中 開発チームの中では明確なコンセプトがありました。たとえば、『ヘヴィーオブジェクト』の“クウェンサー”については、原作でも“クウェンサー”がひとりで戦っているわけではないので、3人ひと組で戦うようにしています。そういう意味で、どのキャラクターも再現度は力を入れていますし、そのうえでどう落とし込んでいくのかというところはうまくできたと思います。

寺田 そうですね。絵的な再現度はもちろん、先ほどのお話に出ました“クウェンサー”は、原作の内容が“いろいろ下準備から、よし行くぜ!”というような感じの作品なんですよね。ですので、本作でもゲージをフルで溜めた状態で戦うと、大ダメージを与えられるようになっています。そういう風に作品のコンセプトがキャラクターのコンセプトになるように意識して制作しました。あとは、僕も全部把握できていないくらい、細かいネタが入っています。たとえば、“高坂桐乃”の2プレイヤーカラーが“新垣あやせ”に似ているのですが、そのカラーを使用しているときだけダメージのグラフィックが“あやせ”っぽく変更されています。ほかにも、“一方通行(アクセラレータ)”が“上条当麻”に殴られるときだけ顔が変わるといような、おもしろい再現もしています。そういう小ネタがかなり仕込んであるので、そこを探してもらうのも、ひとつの楽しさだと思いますね。

――本作からプレイを始める方にオススメのキャラクターを教えてください。

十束 (最初にキャラクターに対する想いを語ったので)“白井黒子”ちゃん以外を挙げにくいじゃないですか(笑)。もちろん、“白井黒子”ちゃんなんですけどね。理由は、原作に忠実な技がとても多く、試合前の掛け合いも“黒子”ちゃんならではのセリフが聞けるのが魅力です。スピードも早いので、使っていてすごく気持ちいいと思います。

高橋 前作に引き続き“折原臨也”さんです。とにかくカッコいいんですよね。原作に忠実な動きもいっぱいあるので、原作が好きな方は“臨也”さんを絶対に使ってください。

芦澤 新キャラクターの中では、“浅間・智”ちゃんがいいと思います。もちろん、プレイアブルもサポートも好きなキャラクターを選んでいただくのが、いちばんいいと思うんですけれども、本当に初めてプレイする方には派手さがあると取っ付きやすいんじゃないかな、と。そういう意味で、“浅間・智”ちゃんは、発生が早く、ボタンを押すとすぐに矢を放って攻撃してくれるので、サポートとしても頼りになります。さらに、クライマックスアーツを持っているキャラクターなので、それを出していただくと派手さもあって、ダメージを与えられるので、楽しんでいただけると思います。

かい サポートキャラクターの“魔王さま(※真奥貞夫)”です。特別好きというキャラクターだったわけではないのですが、いつも守ってくれるんですよ。先日の生放送でも大活躍してくれて、いまは“魔王さま”にキュンキュンしています。攻撃範囲も広くて、使いやすいキャラクターだと思います。

アイダ いまコスプレをしている“司波達也”を使ってほしいです。少し上級者向けかなと思う部分もあるのですが、かなりスタイリッシュな立ち回りができるので、楽しいと思います。ただ、私はまだまだ使いこなせていないので、もっとがんばります。見ていて楽しいキャラクターは、“高坂桐乃”ですね。コスプレをしたり、派手な技をかわいく見せてくれるような作り込みがされていて、使っても、見ても、何しても楽しいキャラクターだと思います。

野中 動かしておもしろいという意味では“司波達也”がすばらしいと思います。何をやってもカッコよくておもしろいという。12月25日から配信される“ユウキ”とのバトル前の掛け合いが最高なので、ぜひ見てください。あと、本作から始めて、どのキャラクターを使っていいのかわからないという人は、とりあえずシャナをオススメします。シャナはスタンダードで使いやすいキャラクターなので、使ってみてください。

寺田 全キャラクター好きなんですが、今回見所があるかなと思うのは“司波深雪”ですね。“深雪”は、戦闘前の掛け合いがいちばん増えているキャラクターだと思います。“深雪”と“白井黒子”、“深雪”と“クウェンサー”、“深雪”と“司波達也”などの掛け合いが追加されてますので、楽しんでいただければ、と。とくに“深雪”と“黒子”はすごくおもしろいことになっていますので、聞いてください。サポートキャラクターでは、“ゼロ”がオススメですね。エフェクトがかなり大きく突進するので、そこに“インパクトブレイク”を重ねると、エフェクトに隠れてキャラが見えづらくなるので、ガードがわからなくなるみたいな崩しかたもできます。あと、“ゼロ”は本作で声が初めて付いたので、声優ファンの方は、そこにも注目していただければと思います。

――ちなみに、コンシューマー版で追加されたキャラクターがアーケード版に追加されるのはいつぐらいになりそうですか?

寺田 なるべく早く追加したいと考えていますが、いまの時点ではお答えできません。

――“電撃FIGHTINGガールズ”の皆さんに質問です。前作の発売が約1年経過しましたが、変化したことや成長したことはありますか? 新メンバーのアイダさんと、かいさんは1年前の思い出などを教えてください。

高橋 ガードができるようになったことと、ジャンプをうまく使って敵を崩せるようになったかなと思います。

十束 本当に変わったことばかりです。1年前は、まわりの人から言われるくらい人前で話すことが苦手でした。でも、“電撃FIGHTINGガールズ”のリーダーになったことをキッカケに少しは人前で話すスキルが身に付いたのかなと思います。ゲームに関しても、1年前は本当に初心者だったんですけれども、週に5日~6日はゲームセンターに通うようになって、それなりにプライドとやり気も出てくるようになりました。あと、アイドルを始めたので、そちらの応援もよろしくお願いします。

芦澤 ゲームについては、私もゲームセンターに行く回数が増えて、プレイしていくうちに、どこがダメだったのかわかるようになってきました。それにまだ全部対応できてはいないんですけれども、直していけばいいところがわかるようになったのは、ひとつの進歩かなと思います。“電撃FIGHTINGガールズ”の活動としては、最初のころは自分がとにかくがんばるしかないと思っていました。でも、活動していくうちに、まわりのことを意識して、自分がどういう立ち位置で行動をすればいいのかわかってきました。そういう考えができるようになったのは、少し成長できたということなのかなと思います。

かい 昨年まではファンとして、電撃文庫さんのイベントに行っていました。そのときに確かコスプレをした人がいたような記憶があります。だから、“電撃FIGHTINGガールズ”のことを(お客さんとして)見ていたと思います(笑)。

アイダ 1年前はコスプレと仕事だけしかしないような生活でした。でも、いまこうやって活動をさせていただいて、ゲームセンターに行くという楽しみも増えました。それまでは、ゲームセンターに行くのは、UFOキャッチャーで欲しいグッズが出たときだけ行くという感じだったのですが、この活動をキッカケに行ったことないフロア(格闘ゲームコーナー)に行くようになったのが大きな変化です。まだゲームは下手なのですが、もっと勝てるようにがんばっていきたいと思います。

――最後にファンの方にメッセージをお願いします。

アイダ 発売記念イベントで、店頭に立たせていただいて、ファンの方のたくさんの笑顔を見れてうれしかったです。また、ゲームセンターやイベントなどで、そういう笑顔が見ることができる日がくるように、がんばっていきたいと思います。

かい 12月25日にDLCとして“ユウキ”ちゃんと“レン”ちゃんが配信されますので、必ずダウンロードしてください。それまでのあいだは、ゲームをたっぷり楽しみましょう。

芦澤 今日発売されたということで、まずはゲームを思いっきり楽しんでください。そして、いつかまた、皆さんと直接交流できるようなイベントを開催できればうれしいです。私たちもそういったことが実現できるように精一杯がんばっていきたいと思います。

高橋 外ではプレイステーション Vita、家では据え置き機、そしてゲームセンターでも遊べるという感じで、本当にどこでも『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX IGNITION』が楽しめるのはすごくうれしいです。好きなキャラクターを使って、もっと好きになってください。そしていっしょに“臨也”を好きになりましょう(笑)。

十束 いちファンとして今日この日が迎えられたのが本当にうれしいです。本作は“トレーニングモード”が細かく設定できるので、上級者の方もバッチリやり込めると思います。それ以外にも、“ドリームモード”という会話を楽しめるモードもあって、いろいろな楽しみかたができます。ゲームセンターは仲間がたくさんできる素敵な場所だと思うので、コンシューマー版で練習をしたら、ぜひゲームセンターにも足を運んでいただいて、いっしょに楽しみましょう。

寺田 先日、本作の監修を担当していただいている方に「このゲームは電撃文庫が好きな方が作っているので、間違いない作品だ」と言っていただけたのが本当にうれしかったです。愛を注いで作ってくれるスタッフ、“電撃FIGHTINGガールズ”、そして僕たちの“電撃文庫愛”の結晶みたいな作品に仕上げることができたと思っています。そんな全精力を注いだ作品になっていると思いますので、我々に負けないぐらいのキャラクター愛を発揮して、本作を盛り上げていただけるとうれしいです。

野中 本作のファン方々は本当に温かくて、いっしょに盛り上げてくださるので、感謝の気持ちでいっぱいです。本作はさらなる高みを目指して腕を磨いていただいてもいいですし、キャラクターを動かしているだけでも楽しめるような、いろいろな遊びかたができる作品になっています。とくに今回新規で追加されたキャラクターは、どれも動かして楽しいです。ですので、格闘ゲームが得意ではないけれども、キャラクターが好きという方も、ぜひお祭りの盛り上がりを楽しんでいただければと思います。