『エースコンバット7』開発陣インタビュー完全版! 「3つの軸を追求します」

2015年12月10日発売の週刊ファミ通で第1報が載った『エースコンバット7』。記事内に掲載した、プロデューサー・河野一聡氏へのインタビューの完全版をお届け。

●8年ぶりのナンバリングに懸ける想い

 2015年12月10日発売の週刊ファミ通でスクープ情報を載せた『エースコンバット7』。記事内では、本作のプロデューサー・河野一聡氏へのインタビューも掲載したが、掲載しきれなかった部分を補完した完全版をここにお届けしよう。


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▲『エースコンバット7』プロデューサー・河野一聡氏。これまでのシリーズ作では、『エースコンバット04 シャッタードスカイ』のアートディレクター、演出、『エースコンバット5 ジ・アンサング・ウォー』のディレクターなどを務めている。『エースコンバット インフィニティ』ではプロデューサーを担当しつつ、シリーズ全体を統括。

●PVはすべて実機で動かしています

――8年ぶりのナンバリングとなりますが、まずはコンセプトをお聞かせください。

河野一聡氏(以下、河野) ナンバリングタイトルとして大事なところは何かを見極めて、よりよい“ナンバリングの『エースコンバット』”にするのがコンセプトです。応援してくださるユーザーの方々が望んでいらっしゃる作品に仕上げていきたいと考えています。

――いつもはタイトルに副題がついていましたが……?

河野 今回の発表では、皆様にナンバリング最新作を開発していることを伝えることを第1の目的としていますので、とりあえずは確定している『エースコンバット7』というメインタイトルのみお見せしています。副題に関しては、必要かどうかも含めて検討中です。今後の発表をお待ちください。また、ナンバリングとは言え、初めてのお客様が十分に楽しめるようにすることも考えております。

――なるほど。PVも迫力がすごいですね。

河野 ちなみに、PV映像の第1弾では、プリレンダリングで作ったものではなく、人物や航空機の動き、雲の流れなど、すべて実機で描写しています。本作では3つの軸を追求することを目標としていて、そのひとつが立体的に描いた雲を始めとする空の表現です。これまでは雲の絵を描いた看板のようなものを配置して表現する手法が当たり前でした。本作では立体的な雲をきちんと作り、特定の雲を目指して飛行すると、その通りにその場所に雲が実在する“陸と空の2層のマップ構造”を構築しています

――雲の中に突入する感じがリアルに体験できると。

河野 積乱雲の周囲を旋回したり、雲の中へ飛び込んだりといったことが違和感なく楽しめます。雲の中と外は気流や天候が異なるなど、地形的な効果も考えています。また、雲の下にうっすらと地上が見えたりするのも見どころです。実際に飛行機に乗ると、地平線の彼方まで雲海が広がっている“空の世界”の光景が見られたりしますが、本作ではそれを(見せかけではなく)実際に描写することが可能です。

――未知の体験となりそうで楽しみです。そのほかの軸についてもお聞かせください。

河野 もうひとつの軸は“飛行機ゴッコ”の楽しさを追求することです。何でもリアルに近づけよう、というものではなく特殊な兵装や特殊な機動といったものですね。

――機動というと、コブラやクルビット(いずれも空戦機動の一種)といったテクニックが可能になるということですか? PVでもSu-30がそれっぽい動きをしていましたが……。

河野 はい。現在ディレクターの濱中君(濱中雄大氏)と相談しているのが、ワンボタンの入力で誰でも簡単に出せる必殺技のようなものではなく、上手な方が操縦を駆使して実現できる、といった方向です。そして3つ目の軸は、“敵への攻略性の向上”となります。その3つを追求したキャンペーンモードにします。

――それは楽しみです! ところで、『アサルト・ホライゾン』や『インフィニティ』では現実の世界を舞台にしていましたが、本作ではどうなるのでしょうか?

河野 ナンバリング作品での架空世界が舞台になります。ただ、プレイステーション2の時代から10年以上経っていますから、シリーズ作品に触れたことがない新規のお客様にも受け入れられるものにしたいです。

――これまでの作品に登場した大陸のどこかがメインの舞台になると。

河野 そうなります。具体的にどこのお話、というのはまだ言えませんが(苦笑)。

――軌道エレベータを実現する場合、赤道直下が望ましいという説を聞いたことがありますが……。

河野 そのあたりはご想像におまかせします(笑)。

――(笑)。それにしても、本作での軌道エレベータはインパクトありますね。

河野 本作でのシンボル的な存在です。実在はしていませんが、空想SFだけの存在でもないんですよ。実現を計画している日本の建築会社もありまして、本作を作るにあたって実際にスタッフがお話を聞いてきました。

――現実に存在してもおかしくないものをシンボルにしたわけですね。PVでバンジージャンプをしている場所は最上部ではないようですが、どのくらいの高さにあるのですか?

河野 PVの人物は宇宙服のようなスーツを着ており、これがないと耐えられない高さです。ちなみに、“建造物の高さ”というとちょっと違うのですが、地表からもっとも遠い部分(宇宙ステーションのさらに外側へ伸びている、遠心力を得るための部分)は高度10万キロに達しています。

――間違いなくシリーズ最大の建造物ですね。地表に近い部分は東京タワーみたいに広がっていますが……?

河野 地表付近は、宇宙への玄関の役割を果たしますので、コンテナふ頭などの施設があるべきだろう、といったことが前提の基礎部分となっています。

――戦闘機が通り抜けられそうですね。と言うか、通り抜けたいです。

河野 はい、できますよ。フライトシューティングのゲーム性も考えてデザインされています。


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▲多くのSF作品に登場している“軌道エレベータ”。背の高い塔ではなく、宇宙ステーションからケーブルを垂らすことで、ロケットを使わずに宇宙への物資の運搬が可能になるというもの。