Apple TVでノリにのれるリズムゲームが登場!

 2015年10月30日、Apple TVにて『Beat Sports』がリリースされた。本作は、『Rock Band』や『Dance Central』といった名作リズムゲームを手がけてきた、Harmonix Music Systemsが開発を担当しているリズムアクション。さらに、『パラッパラッパー』を手がけた松浦雅也氏が楽曲を提供しているという。

 Apple TVというゲーマーにとってはなじみが薄いデバイスにて、どのようなゲームを楽しめるのか、インプレッションをお届けしていきたい。なお、本稿の後半には開発プロデューサーと松浦雅也氏のインタビューも掲載しているので、そちらもお見逃しなく。

Apple TV向けリズムゲーム『Beat Sports』インプレッション 楽曲を提供する『パラッパラッパー』の松浦雅也氏からの独占コメントもお届け_02
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 というわけで、まずはゲームの概要を紹介しよう。本作は球技を題材としたリズムアクションゲーム。リモコンを振ったり、リモコンのタッチセンサーをスワイプして、かわいらしいエイリアンといっしょに球技を楽しむ。もちろんリズムゲームだけあって、タイミングよくボールを叩けないとミスとなる仕組みだ。

 本作にはいくつかモードがあり、メインとなるのがシングルプレイモードだ。ここでは、“NET BALL”、“WHACKY BAT”、“ハングリーホール”という3種類のゲームを楽しむことができる。

 NET BALLは、バレーボールのような球技。エイリアンたちがボールでパスを回すので、プレイヤーのところにボールが来たとき、タイミングを合わせてリモコンを振るとボールを返せる。ジャストタイミングで打ち返したり、ミスせず連続で返し続けると、より高得点を稼げるという仕組みだ。

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▲バレーボールのような“NET BALL”。エイリアンたちがリズムに合わせてボールをまわしてくるので、タイミングよく打ち返す。スマッシュを成功させると気持ちいい!

 言ってしまえばリモコンを振るだけの単純なゲームだが、これがなかなかどうして楽しい。ポン、ポン、ポン、ポンとわかりやすいリズムが続くかと思えば、急に3拍子になったりと、ゲーム中にリズムが切り替わるため、単調なゲーム展開にはならないのだ。もちろん、リズムに合わせてリモコンを振るという動作自体が楽しいことも大きい。

 WHACKY BATは、エイリアンが投げてくるボールを、リモコンを振って打ち返すゲーム。コート上にはレーンが複数あり、同時に複数のエイリアンが出現することもある。この中から、ボールを投げてきたエイリアンを素早く見極め、スワイプで左右に移動して打ち返す。最後は、ロボットが投げてきたボールをタイミングよく打ち返すという、ホームランダービーみたいなミニゲームも挿入される。このように、前述のNET BALLよりもやや複雑なシステムになっている。

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▲エイリアンが投げてくるボールをタイミングよく打ち返す“WHACKY BAT”。レーンの移動は、左右のスワイプで行う。
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▲ラストには、ロボットが投げてくるボールをホームランで打ち返す、ホームランダービーのようなゲームも。

 ただし、こちらのほうが難しいゲームなのかと問われれば、そんなことはない。こちらはエイリアンが投げてきたボールを同じリズムで打ち返す、つまりお手本を見てから打ち返すターンになるため、NET BALLよりも余裕を持ってプレイできるように感じた。ただし、投げてきたエイリアンの場所に素早く移動する、という緊張感があるため、トータルではNET BALLと同じぐらいの難度かな。いや、うまく作られているものですな。

 3つめのゲームであるハングリーホールは、目の前にある小さな島でエイリアンたちがモグラ叩きのように現れるので、リズムを見極めてボールを打ち、エイリアンにぶつける、というゲームだ。

 エイリアンの島は複数あり、たとえば右にいる島にボールを打ちたければ、右にスワイプ。同様に、正面、左にスワイプすることで、3方向へ球を打ち分けられるというシステムだ。

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▲ボールを打って、モグラ叩きのように顔を出すエイリアンにぶつけるゲーム。ゲームを進めると、タップして力を溜めてからスワイプでショットする、新しいアクションも登場する。

 エイリアンは複数登場し、しかもどの順番で頭を出すかはどんどん複雑になっていく。そのため、最初に流れるお手本をできるだけ覚えて本番に臨むという、3ゲームの中ではもっとも覚えゲー的な要素が強い。数秒という短時間でリズムを覚え、それをスワイプでうまく再現していくのは、意外と難しいが楽しく、個人的にもっとも気に入ったゲーム。

 打てるボールは3個余裕があり、余ったボールは最後のボーナスゲームで消費してボーナスポイントを獲得できるため、パーフェクトを狙いたくなるのも熱い。ただし、ミスすると同じフレーズをまた最初から聞くことになるのは、数秒といえど若干ストレスに感じた。

 トータルで見ると、3ゲームいずれも楽しいゲームにまとまっている良作。リズムに乗って体感で楽しむ、というベースは同じながら、覚える要素が強かったり、反射神経が試されたりと、ゲームによって違った楽しさを味わえるのは嬉しい。

 また若干ながらやり込み要素も用意されている。本作は各ゲームごとに12のステージが用意されており、獲得したスコアに応じてもらえるメダルが変わるという、スコアアタック要素が楽しめる。さらに、獲得したスコアが一定に達すると、新しいアイテムがプレゼントされる要素も。プレイヤーキャラクターであるスラッガーの衣装やバットといった外見をカスタマイズできるのだ。

 かわいらしい見た目やリズムがはっきりわかる楽曲など、どちらかといえばライトユーザー向けの作りになっている。最近のリズムゲームは難しすぎて、遠ざかっていた人や、家族でワイワイ楽しみたい人には楽しめる作品だ。

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▲多人数で楽しめるマルチプレイモードも搭載。iPadやiPhoneで専用のアプリをダウンロードし、追加のリモコンとして使用する仕組みだ。

筆者紹介 喫茶板東
ファミ通.comを中心に、あんな記事やこんな記事を寄稿しているフリーライター。この記事でApple TVを初めて触りましたが、本体の小ささ&シンプルさに驚愕!