PC版の予定もアリ

 アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコで2日間にわたって開催中のプレイステーションプラットフォームのゲームイベント“PlayStation Experience 2015”。本イベントには昨年に引き続き、多数のインディーゲームが出展されている(正直アメリカで顔が広い方ではない記者ですら、立て続けに顔見知りのインディー関係者に遭遇したほど)。

 そんな中、初日朝の基調講演でトレイラーが流されるやいなや、元ネタがわかる諸氏の爆笑を誘っていたのが、スコットランドのインディースタジオStormcloud Gamesの『Brut@l』だ。海外では2016年の早い時期にプレイステーション4での発売を予定。関係者に確認した所、PC版のリリースも検討している。

 その元ネタというのは他でもない、ゲーム史に燦然と輝く『Rogue』。いわゆる「ローグライク」と呼ばれるゲームの語源となる歴史的タイトルだ。
 現在では幅広いゲームジャンルで、死んだらやり直しの一回性や再プレイ性などを重視した設計に対して「ローグライク」という言葉が適用されるが、本来の『Rogue』はダンジョンの深層へと潜っていくダンジョン探索型のRPG。「不思議のダンジョン」シリーズなどの源流にあたる。

これが本当のローグライクだ! 『ローグ』風のASCIIアート世界で展開されるローグライクダンジョン探索アクション『Brut@l』【PSX2015】_03
▲『Rogue』ってこんな感じです(インターネットアーカイブ所蔵のMS-DOS版の画像)。

 『Brut@l』はこの基本を踏襲し、ダンジョンに潜って地下26層にあるという秘宝を持ち帰るのが目的(『Rogue』で最終目的となるアイテムがあるのも26層以降)。
 一方でゲームジャンルとしては、完全リアルタイムの見下ろし型3Dアクション! なのにそのグラフィックは、ASCII文字を並べてASCIIアート的にマップを表現していた『Rogue』に余計なオマージュを捧げ、ASCII文字を黒字の3Dモデルに貼り付けて「ローグライク(ローグっぽい)」3Dグラフィックスにしているというヒネクレぶり。

これが本当のローグライクだ! 『ローグ』風のASCIIアート世界で展開されるローグライクダンジョン探索アクション『Brut@l』【PSX2015】_01
▲ASCIIアートスタイルでローグライク(風)な、ローグライク3Dアクションダンジョン探索型RPG!(長い&ややこしい)

 多分出発点は「ローグライク人気だから、グラフィックもローグみたいなローグライク作ろうぜ」みたいな雑談に違いないと思うのだが、なかなかどうして、一発ネタに終わらず、ゲームとしても面白い。
 プレイヤーキャラクターには、攻撃、回避、ガード、ジャンプ、そして盾投げといった基本アクションにくわえて、ウォーリアー、レンジャー、メイジ、アマゾンの各職種が持つ必殺技も存在。罠を避けたり、逆に周囲の環境を使った攻撃を仕掛けたりしながら戦っていくことになる。
 さらに装備アイテムの製作やエンチャント、そしてポーションの生成といったクラフト要素もあって、要素的には申し分なし。さらにエディター機能もついてくるとのこと。PS4版の日本向けリリースについては「やってみたいが……」という感じだったが、PC版なら(英語かもしれないけど)制限はないと思うので、「おっ」と心のどこかに引っ掛かった人は発売の際にチェックしてみてはいかがだろうか。

これが本当のローグライクだ! 『ローグ』風のASCIIアート世界で展開されるローグライクダンジョン探索アクション『Brut@l』【PSX2015】_02
▲たまに装備のレシピを手に入れることがあるのだが、指定されたルーン文字……ではなくアルファベットを集めることで製作ができる。レアなエンチャント付き文字を使えば毒効果などを付与することもできるぞ。