E3以来、久々にベールを脱ぐ期待作

 本日2015年11月3日、東京・ベルサール秋葉原で開催された“UBIDAY2015”。ここでは、開発担当者を招いて行われたプレイステーション4、Xbox One、PC用ソフト『ディビジョン』ステージでのデモンストレーションの模様をリポートする。

『ディビジョン』 E3 2015トレーラー

 ステージには、開発を担当するマッシブスタジオよりアソシエイト・クリエイティブ・ディレクターのジュリアン・ギャリティ氏とユービーアイソフトからローカライズディレクターの岩本けい氏が登壇した。2013年のE3での発表以降、今年のE3で海外での発売日が2016年3月8日に決定したというニュース以外は、あまり表立った動きのなかった同作は、ウイルスによるパンデミック(感染爆発)により都市のインフラがダウンし、カオスな状態となったニューヨークを舞台に、特殊部隊“The Division”の一員として戦いに身を投じていくことになる。ギャリティ氏は本作のキーワードとして、“オープンワールド”、“RPG”、そして“オンライン”の3つを挙げた。

 本作が“オープンワールド”であるために、写実的で、リアルなニューヨークを描き、ゲーム化したという。そして、そのニューヨークに危機的な状況を作り、いかに克服していくかをゲームのテーマとしている。また“RPG”では、ゲームの進行状況によって、スキル、アビリティ、武器などを組み合わせるなど、「皆さんが望むプレイスタイルが可能」(ギャリティ氏)だという。そして“オンライン”。オンラインでは最大4人での協力プレイが楽しめるほか、プレイアブル出展されていた3対3対3による対戦プレイも可能だ。

『ディビジョン』 さまざまな試みが散りばめられた注目タイトルのステージをリポート【UBIDAY2015】_01
▲(左から)岩本けい氏、ジュリアン・ギャリティ氏。

 世紀末のような危機的状況ながら、またニューヨークの街並みが美しいのも特徴。本作では、新たに“Snowdrop Engine”というゲームエンジンを開発している。このゲームエンジンのおかげで、時間が経過することで変化するライティングや次第に積もっていく雪などを表現できるようになった。ギャリティ氏が「世界でいちばんライティングの表現が上手」というスタッフもいて、廃墟となったニューヨークが、儚くも美しく描かれているのだ。また、ゲーム中のすべてのオブジェクトは、レンダリングされて配置されているそうだ。こうした工夫により、壊滅的で何もなくなったはずのニューヨークの街に活気を与えている。

 ゲーム画面の中には、マジソン・スクエア・ガーデン(MSG)のように、ニューヨークを象徴するような建造物などが視界に入るように工夫されているという。そのMSGは、ゲーム中では食料等の配給基地となっている。また、本作には、“CLEANERS”や“RIKERS”という、思想の異なる3勢力が存在し、いかに敵対勢力を出し抜くかもポイント。画面上のUI(ユーザーインターフェース)にも最新の注意が図られたという。情報量が多くなりがちなため、各情報に優先度をつけてから画面上に配置。優先度の低いものは、あまり視界に入らないか、画面に表示しないようにしたそうだ。

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▲さまざまな工夫によって再現されたニューヨーク。マルチプレイがアツイ。

 「未知のゲームを作っているので、すべてにおいて難しい」と語るギャリティ氏。“UBIDAY2015”では、PC版でのプレイアブル出展されていた(※今年のE3と同じバージョン)が、気になるのは日本での発売日。海外では3月8日に発売となるが、日本では来年の早い時期にベータテストを行い、それからになるとのこと。少しずつ全貌が見え始めてきた『ディビジョン』の続報を楽しみにしたい。

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▲イベントの最後には、来場者からの質問コーナーも設けられた。