ミンゴスの浴衣写真が載っている本誌は2015年10月22日発売
週刊ファミ通11月5日号(2015年10月22日発売)誌上にて、ファミ通編集者による2ページ企画コンペを掲載。その企画のうちのひとつ、武藤先輩による“ミンゴスのグラビアが見たい!”において、声優の今井麻美さんにインタビューを敢行したのだが、写真を大きく、たくさん載せた結果、インタビューを掲載するスペースがあまりにも小さくなってしまったので、誌面の小さいスペース用に編集をする前のインタビュー原稿を、ファミ通.comで独占(※当たり前)掲載! 本記事に掲載できる今井さんの写真は1点のみなので、もっとたくさん写真を見たい人は、週刊ファミ通11月5日号(2015年10月22日発売)を買ってください!
5月16日生まれ。声優、歌手として活躍中。代表作は、『シュタインズ・ゲート』牧瀬紅莉栖役、『アイドルマスター』如月千早役、『グランブルーファンタジー』ヴィーラ・リーリエ役など。(文中は、今井)
――今日は浴衣を着ての撮影になりましたが、いかがでしたか?
今井 隅田川沿いという風情のある場所で写真が撮れてよかったと思いました。よし、100点の回答!
――用意してきたみたいな(笑)。
今井 ごめんなさい、冗談です(笑)。今回は自分で選んだ浴衣ではなかったので、ふだん着ない柄の浴衣が着れて楽しかったですね。自分で選ぶと、どうしても自分の趣味全開になっちゃうんです。浴衣の場合はちょっと変わった柄とか、大ぶり柄を選ぶ傾向があるので、小花柄の浴衣という滅多に着ない浴衣が着られてうれしかったです。
――趣味で選ぶときのポイントは?
今井 私は柄よりも縫いが気になるんです。縫いのいい浴衣だと、着心地もよくなるので、浴衣だけではなくお洋服もそうですけれど、仕立てがいいものが結果的にはいいですよね。
――こだわりポイントが渋いですね。
今井 誕生日占いで、5月16日生まれは“洋服の縫いにこだわる”と書いてあったので、本当に当たっているなと思いました(笑)。
――今井さんは声優さんでありつつ、歌手活動もされていますが、声優をしながら歌手活動を行うのはたいへんでは?
今井 昨今、音楽活動をされている声優さんが男女問わずすごく増えていて、私もありがたいことに6年も続けさせていただいているのですが、やっぱり歌1本で生計を立てている方に比べると、自分のようないろいろと手を出してしまっている人間は引け目を感じる部分がゼロではないんです。ただ、最近はその感覚がひとつ上の感覚になれたと思っていて、演技が歌に、歌が演技にというように相互的にすごく作用していることを感じられるようになったんです。演技をする人にしかできないような表現の方法が自分には少しできるのかもしれないなと。“言葉を伝える”というのが声優の仕事ですから、自分は知らず知らずのうちに歌詞の意味などを伝えるという点に特化するよう努力してきたんだなと最近感じています。
――演技の表現が歌に作用していくというのは、なんとなくわかるのですが、歌から演技への作用というのは?
今井 若いころは、演技は本職なので“絶対にこうあるべき”とマジメに考え過ぎていた部分があったんです。それが歌となると、逆にある意味で自分の“フィールド外”になるので、自分の性格上かまえすぎず、肩の力が入らずに楽にできたところがあったんです。“肩の力を入れずに楽しんでできる”ということが、私が演技をするうえで、じつは足りていなかったところで、「力を抜いていいんですよ」と言われることが若いころはすごく多かったんですよ。それはお芝居へのこだわりや、お仕事に対してマジメすぎるところが私にあったからだと思うのですが、そんな頑固な私の肩の力を抜くきっかけを作ってくれたのが音楽で。でも、プロフィールの趣味の項目に“歌”と書いていたのですが、自分名義で歌手活動をするようになって書けなくなってしまったんですね。それは先ほど言ったように“こうあるべき”という枠の中に“歌”が入ってしまったからだと思うんです。
――なるほど。
今井 でも、もともと私は歌が大好きで、“これが好きなんだよね”、“こう表現したいんだよね”という気持ちで歌を歌っていたのだから、“こうあるべき”という型にはめずに、自分の好きな気持ちをもう一度取り戻そうと思って。そう考えたときに、「これって演技といっしょじゃん」と気付いたんですよ。それからすごく楽にお芝居ができるようになったというか、肩の力が抜けたんですよ。ちょっと気づくのが遅かったんですけどね(苦笑)。固いというか、頑固というか、そういった部分を音楽をたくさんやることによって発見できて、音楽が肩に入っていた力を抜いてくれたという感じです。
――歌手活動の中で、今井さんは精力的にライブをこなされていると思うのですが、11月にはアコースティックライブが行われますね。いままで今井さんのアコースティックライブと言えば特殊な場所だったのが、今回ふつうのホールになった理由は?
今井 それは後悔をしていたからです……嘘です(笑)。
――(笑)。
今井 いちばん最初は沖縄でライブをやろうという話があったのですが、その時点ではアコースティックライブではなかったんです。会場ありきでライブの開催を決めていった経緯があったのですが、その会場がいろいろな機材を持ち込んでやれるような場所ではなくて、洞窟の中という限られた電力のもとでやるという場所だったんです。それならばアコースティックライブにしようとなったのが最初のキッカケですね。本当に偶然だったんです。それで、やってみたら、自分の中ですごく感性に響いたというか、「楽しい!」と心から思えたんですよね。音の作りかたみたいなものが、ライブハウスやライブ会場といった場所とはぜんぜん違っていて。さっきの話と通じるものがあると思うのですが、“ライブハウスでのライブはこうあるべき”というようなイメージが自分の中である程度確立していて。自分の中での正解、及第点のライブの歌いかたといったモノが、ある程度イメージできてしまうんですよね。「こういう音で、こういう演奏になるのなら、こういう歌いかたにするといいだろう」とか。でも、沖縄の遺跡という、とんでもなく神秘的な場所で歌ったら自分の声が鈴のように鳴り響いていて、それを聴いたときに“どうするのがいいとかじゃない”というか、“全部委ねられる”というか、そんな感覚を味わうことができたんですよ。いままで自分が歌ってきたものとはまったく違う歌に仕上がったんですね。それで「アコースティックライブ、いいね!」という想いがチームの中でも共有できて、その後もちょっと変わった会場でアコースティックライブを行うことで、「自分の可能性を引き出してみようか」ということになり、石切り場や満天の星空の下の淡路島の円形広場といった会場を選んできました。でも、今回は“ハイレゾで映える曲”を、私がパーソナリティーを務めているWebラジオ『今井麻美のSinger Song Gamer』でリスナーの皆さんといっしょに作ったんですよ。『leap of faith』という楽曲なんですが、「この曲がいちばん活かせるホールでアコースティックライブをやろう」ということになり、今回は横浜のみなとみらいホール(大ホール)でアコースティックライブを行うことになりました。みなとみらいホール(大ホール)には、パイプオルガンが常設されていまして、『leap of faith』でもパイプオルガンを使っているので、場所が奇抜というよりは、“アコースティックでいろいろな楽器を活かせる場所”という理由で選ばせてもらっています。一見ふつうの場所ですが、いままでいちばん難しいことにチャレンジしようとしていると思いますね。いわゆるスピーカーから音を出すのではなくて、楽器が奏でている音をそのままお客さんにも聴いていただくというホールになるので、楽器の生の音を体感していただけるんです。だから、ライブに来てくださる皆さんもそうですが、私も歌うときにリアルに自分の体のまわりで鳴っている音を聞きながら歌うことになるんですよ。だから、1度機械を通した音ではなく、楽器そのものから出てくる音を楽しめる会場だと思います。いままでにない試みですので、楽しみですね。
――編成的には、オーケストラのような感じなんですか?
今井 はい。バイオリンが8(1stが4、2ndが4)、ビオラが2、コントラバスが1と、弦楽器がオーケストラ編成になっています。ほかにも定番のグランドピアノ、アコースティックギター、パーカッションもいたりと、かなり大編成になっています。
――いままで4人での編成はありましたが、初めての編成になりますね。
今井 そうなんですよ。ゲストで出たライブなどで、そういった編成の中で歌ったことはあるのですが、自分のライブでは初めてなので、すごくドキドキしています。でも、“yuan”ちゃん(清水 歩さん)がストリングス編成のコンサートマスターを務めてくれているので、超絶ワクワクもしています(笑)。
――『leap of faith』では、パイプオルガンやハンマーダルシマーといった楽器が使われていて、それらの奏者さんもアコースティックライブに参加されるそうですが、『leap of faith』以外の楽曲では使われていない楽器も多いですよね? それはどうするんですか?
今井 じつは、今回の楽曲は全曲アレンジしています。
――えーーー!?
今井 けっこう早い段階から準備を進めていて、アレンジを全部発注しているので、皆さんが慣れ親しんだ私の楽曲が、この日のためだけに作られたアレンジで奏でられると思っていただくのが、いちばんわかりやすいと思いますね。
――そうすると今井さんのライブに行ったことがある人も、行ったことがない人も、全員が初めて聴く、初体験のものになるというわけですね。
今井 そうですね。私のアコースティックライブは裏キーワードが“挑戦”なので、いまは楽しみにしているところです。
――毎回、今井さんはアコースティックライブを行うたびに“自分はレベルアップしている”とおっしゃられていますけど、そういう瞬間がまた見られることになりそうですか?
今井 確実だと思いますね。もしくは自分の能力のなさに打ちひしがれるかの2択だと思っているぐらいです(笑)。たとえば栃木の石切り場でのライブはある意味、沖縄で1度経験しているのとそんなに大差ない環境のはずだったんです……本来は(苦笑)。半屋内で楽器を演奏している種類は違えど、そんなに変わらない予定だったんですけど、まさかの極寒とか(笑)。
――(笑)。
今井 ものすごく過酷な状況になっていて。淡路島のときはそれほど過酷な状況ではなかったですね。私が雨女ではないということを証明ができた、すばらしいライブになりましたし(笑)。ただ、夜空の下で、ヒグラシや鈴虫の鳴き声がうっすらと聞こえる環境で歌うという経験も特殊なことだと思うし、想像では追いつかない表現力というものが絶対にあったと思います。そういう形でちょっとずつ“これを知る前の私よりも、知った後の私のほうがきっと表現力が上がっているだろうな”と感じていて。今回は予測不可能なので、行ってみなきゃわからないなと(笑)。
――なるほど。最後に、一応ゲーム媒体なので最近ハマっているゲームについてうかがえれば。
今井 『チェインクロニクル』(以下、『チェンクロ』)と、『ヘイ・デイ』と、『クラッシュ・オブ・クラン』ですね。あと最近『太鼓の達人プラス』を始めました。クッソ下手なんですが、『チェンクロ』がコラボしていたので始めました。でも、本当に下手なので難易度“ふつう”までしかクリアーできなくて、“むずかしい”とか意味不明です(笑)。
■今井麻美アコースティックライブ2015
会場:横浜みなとみらいホール(大ホール)
日程:11月22日(日)
一般販売:9月26日(土)より発売中
価格:6200円[税込](全席指定)
※購入は各種プレイガイドで!
チケットぴあ
イープラス
ローチケ(Lコード:76169)
ディスクガレージ