シンプルでやりごたえのあるパズルゲーム
黒一色の画面に白い線のみで構成されたグラフィック、流れるのは昔ながらの電子音サウンド、という必要最低限の表現で作られたゲーム『SPL-T(スプリット)』。優れたデザインが印象的なアドベンチャー『DEVICE 6』や『Year Walk』をリリースしてきた実力派の開発スタジオ“Simogo AB”の新作は、シンプルで中毒性の高いパズルゲームだ。ひたすらブロックを半分に分割していくのみというストイックな作品。だが、それがいい。分割した回数がスコアになるのだが、際限なく分割できるわけではなく、ブロックには最小のサイズが決められているので、すべてのブロックが最小サイズに分割され、それ以上分割できなくなった時点でゲームオーバーになる。
極めて思考性の高いパズルゲームに仕上がっている本作だが、そのキモと言えるのが“ポイントブロック”のシステムだ。四角いケーキを4人で分けるように、ブロックを最小サイズに4分割すると、それらのブロックにいままで分割してきた回数の数字が振られて、ポイントブロックに変化し、それ以上分割できなくなってしまう。このポイントブロックは、通常のブロックを数字の回数だけ分割することで消すことができる。すると、その消えた空間を埋めようと、最上部に新しいブロックが落下してくる。これらをくり返すことで、ハイスコアを目指す。 割り切れない世の中だからこそ、深く考える本作で、割り切れる限界に挑んでみる……というのはいかが?
分割というルールが恐ろしく深い戦略を生む
ブロックの落下を考えて消す中毒性
開発スタッフのコメントによると、本作の開発には、スタジオ史上もっとも長い議論と、試行錯誤をくり返したそうで、テストしたルールは数え切れないほどだったのだとか。タップして分割するという単純なルールと、限界まで簡素化されたシステムで作られた本作を実際にプレイすると、高度な計画が求められる。攻略するには、分割回数を考慮しつつも、つねに厄介なポイントブロックを消す方法を考え続けながら、分割箇所を決定する必要がある。戦略的思考が試される!
このキャラクターがつぎの分割方向を示す
どこで分割するか?
分割する線を入れる方向は、タテとヨコの交互に、順番が決められている。画面の上部にいるキャラの形を見ながら、つぎはどのブロックを分割するか考えて行動しよう。つぎの一手が天国と地獄を分割線で分けることもある。時間制限がないゲームだというのに、高い緊張感が続く。
タッチで分割して数字のブロックを消す
右図のように、4つ以上の同じ形のブロックが十字で分けられた場合、それらはポイントブロックになる。付加される数字はいままでに分割してきた累計回数で、ほかのブロックを分割することで数字が減り、ゼロになれば消える。当然、後半になるほど数字は大きくなり、難度が上がる。
チップチューンサウンドも魅力
グラフィックだけでなく、プレイ中に流れるサウンドもシンプルだ。画面のイメージにピッタリな、ピコピコとした電子音を聴いていると、昔懐かしい携帯ゲーム機を思い出すはず。こうした音と映像のハマった作りにも、Simogo ABのこだわりを感じる。
SPL-T
SPL-T
メーカー | Simogo AB |
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対応機種 | iOSiPhone/iPod touch |
発売日 | 配信中 |
価格 | 360円[税込] |
ジャンル | パズル |