「ユタ田舎じゃないよー」(ケント・デリカット談)

 アメリカのユタ州リンドンにあるVRアトラクション施設“THE VOID”が、公開βとして体験チケットの販売を開始した。10ドルのチケットで2種類のデモを10分程度体験可能。1時間に6名程度のみの受け付けとなっている。

 “THE VOID”の特徴は、独自のVRヘッドマウントディスプレイを始めとする装備一式を装着して全身をVR空間に没入させながら、乗り物のシミュレーター的な装置やさまざまな仕掛け(ガスや霧の噴射装置など)が施されたアトラクションコースを歩いて冒険するという、VRと施設型アトラクションを融合した体験を提供していること。

 つまりVOIDの中では、ただの何もない通路でさえも、怪しい研究所の廊下になったり、太古の怪物が潜む遺跡のそれになったりする。VRでの実体感あるCG演出と現実空間を両立させることで、ただのアトラクションでは不可能な表現や空間を実現し、ただのVRでは物足りない空気感や存在感を補完できるというわけだ。

VRと施設型アトラクションを組み合わせた最強のアミューズメント施設“THE VOID”のβ公開が始まる_12
▲棒切れ持った危ない4人……ではなく、気分はドラゴンに立ち向かう戦士。
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▲小道具を視界内に反映できるのが強み。

 使用するVRヘッドマウントディスプレイ“Rapture HMD”は、表示部が量子ドット採用のOLEDディスプレイで片目あたりの解像度は1080P。トラッキングは120ヘルツで1ミリ以下の精度を持つという。またバイノーラル音響に対応するヘッドフォンと、体験中のコミュニケーションのためのマイクも組み込まれている。

 さらに体験中は、体験中の被弾やクリーチャーによる接触などの触感を体験者にフィードバックする“Rapture Vest”と、プレイヤーの手の動きを検出してVR空間内に反映する“Rapture Gloves”を着用する。これによりVR空間内のボタンを押したり、小道具を組み合わせて「剣を手に取る」(実際は棒切れ)、「銃撃戦をする」(もちろん実際はモデルガン)といった干渉が可能になるわけだ。
 βでは将来的にエピック・ゲームズが公開開発しているアンリアルエンジン4版『アンリアルトーナメント』を土台にしたVoid版の公開も予定しており、FPSファンとしては気になるところ(もちろん我々の脚力はあんな飛んだり跳ねたりできないわけだけど)。

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▲モックもいいとこな感じのセットでも、VRと組み合わさることで超スペースサイバーパネル端末的な何かに(イメージ図だけど)。
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▲銃も取り入れられる。βの予定では、今後『アンリアルトーナメント』新バージョンの素材を使ったVoid版が登場予定。

 というわけで記者としてはいち早く体験しに行きたいのだが、何気に大変そうなのが、この施設、ユタのソルトレイクシティ国際空港から60キロメートルほど離れたリンドンにあること。バスと電車で乗り継いで行くと3時間前後かかるようなので、レンタカーで行く以外の方法は厳しそう。うーむ、免許取るか、ドライバー役でも探すか……。

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▲施設型アトラクションの技術も組み合わせることで体感度を高めている。プシューッっとガスが噴き出す奴が謎の生命体のポッドが開くシーンで起動したり……。
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▲雨のシーンで霧が撒かれると本当に雨中にいる感じになるハズ。
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▲乗り物のシミュレーター的な装置も準備している模様。