日本で初の大会開催! PvP“比武”の魅力とは?

 2015年10月3日、エヌ・シー・ジャパンが提供するMMORPG『ブレイドアンドソウル』のPvPコンテンツ“比武”を用いた大会イベント“ジャパンチャンピオンシップ”の決勝戦が、秋葉原Galleria Loungeにて開催された。

 今回の決勝戦に駒を進めた8名が決定するまでの予選では、上位16名まではポイント形式で選出し、16名によるオンラインでのベスト8決定戦を実施。この決勝戦は、『ブレイドアンドソウル』では日本において初の比武によるオフラインでの対戦イベントでもある。

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▲大会の模様はニコニコ生放送とYouTubeで放送された。MCはさまざまなゲーム実況でおなじみのe-sportsプレイヤー・StanSmith氏(写真左)と、ファミ通3代目ゲーマーズエンジェルの青木志貴さん(写真右)。
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▲対戦の模様は、β版から『ブレイドアンドソウル』をプレイしている現役プレイヤー・悠兄氏(写真右)も加わって解説された。

 『ブレイドアンドソウル』は、高速で地や空を駆けて移動し、戦闘では各職業ともに多彩なスキル“武功”を自在にくり出しての戦いが楽しめる、アクション性が非常に高いゲームだ。武功はすべてキーひとつで出せる手軽さながら、特定の技の後でのみ出せる強力な大技が多く、コンボをつきつめると非常に奥が深くなる。

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▲各武功はポイントの割り振り次第で異なる性能に分岐できる。広いフィールドを生かして遠近問わず動き回れる点と併せ、自由度が非常に高い。

 “比武”に入ると各キャラクターのレベルは均しく調整され、装備も規制される。対戦格闘ゲームのように、キャラクターの性能を活かせるプレイヤーの腕と知識が、純粋に対戦の結果へつながるようになっているのだ。

 職業どうしの相性はあることにはあるが、各職業ともに気絶やグロッキーといった状態異常を起こす技を持っており、それを決めてからのコンボによる大ダメージで一気に優劣を入れ替えることが可能となっているため、勝負の行方は最後まで分からない。また、それらの状態異常から脱出する抵抗系の武功も各職業ともに持っているので、一方的な試合にはなりにくい。

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▲自由に動き回って攻撃を回避しやすいため、相手を状態異常で釘付けにするのが攻めの基本的な起点となる。それに対する抵抗系武功は、まさに命綱だ。

 加えて、武功のクールタイム(武功を再使用できるまでの時間)が、さらなる奥深さを作り出す。相手の抵抗系武功をいかに使わせて追い込むか、また自分の切り札となる強力な攻撃スキルをチャンスに使用できる状態にしておけるかなど、クールタイムを絡めた駆け引きは非常にシビアだ。

 対戦格闘ゲームに例えるなら、ガードでは対処しきれない強力な技の数々と、相手の攻めを中断できる無敵回避技があるものの、そのほぼすべてにゲージがあり、使いどころを考えないと一気に攻め込まれて対処できなくなるといったところ。

 対戦格闘ゲームの大会ではこうした水際の読み合い、手札の切らせ合いがいちばん盛り上がるところだが、『ブレイドアンドソウル』の“比武”はその状態がつねに続く、一瞬も目が離せない内容となっている。

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▲今大会でも対戦中は会場の関係者全員が息を飲み、勝負が決まる瞬間には大きな感嘆が漏れた。この緊張感と盛り上がりは、まさに対戦格闘ゲームの大会そのもの。

ベスト4決定戦から名勝負が続出!

 このように対戦格闘ゲームと同等かそれ以上の緊張感に満ちた“比武”だが、今回の大会では、決勝戦は3本先取、それまでの試合はすべて2本先取で勝利となっており、さらに1回もミスが許されないルールとなっていた。

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 当日のトーナメント表を見るとわかるとおり、いちばん多かった職業は、猫を召喚して自分と猫の連携で戦う“召喚士”。遠距離からのダメージソースが豊富で、猫の近接からの大ダメージコンボも持つ職業だ。

 ほかの職業も、さまざまな状況に対応でき、武功がひととおり使用できればダメージも非常に大きくなる“リン剣術士”、制限時間付きながら召喚士の猫のように召喚できる魔霊と、遠距離からの高威力スキルの連発が強力な“邪術士”、防御能力が非常に高く火力も十分にある“滅砕士”、姿を消しながらの高速移動とそこからつなげられる高威力の武功コンボが強力な“暗殺者”と、本作ならではのワンチャンスから一気に勝負を決められる職業が揃っており、すべての対戦中、一瞬も目が離せなかった。その試合を順を追って解説してこう。

 初戦は、NicoJean選手とぼっちなう選手の試合。いきなり召喚士どうしの対戦という注目カードとなった。

 召喚士が持つ、高ダメージかつある程度の連射が可能な遠距離攻撃武功“ひまわり”をいかに当てるか、そのための移動妨害武功や状態異常武功の撃ち合いと読み合いが展開。最初は緊張気味だったものの、NicoJean選手の“ひまわり”を当てにいく精度がすさまじく、状態異常の駆け引きにも勝利し、グロッキー状態へのとどめで一気に勝負を決めた。

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▲馬のマスクを被っての対戦ながら、ぼっちなう選手(写真右)の動きは非常に精密。状態異常と抵抗の駆け引きなど、“比武”の縮図がさっそく垣間見えた。

 続いての第2試合、Qliphothx選手(邪術士)とヴィジュアル系選手(滅砕士)の対戦も非常に見どころの多い試合となった。

 職業性能的にはやや不利とされる滅砕士ながら、邪術士の強みである魔霊との高火力連携をうまく防御技でしのぎ、魔霊がいなくなった間に大技を的確に当て、火力の差を埋めていくヴィジュアル系選手の奮闘は、すさまじいのひと言。結果はQliphothx選手の2連勝となったものの、一時はその体力を残り1割弱にまで追い込む善戦を見せてくれた。

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▲事前に邪術士対策を練ったとの情報に偽りなく、不利を感じさせない善戦を見せてくれたヴィジュアル系選手(左写真、右)。邪術士の圧倒的な火力を、当日ここまでしのぎきれた選手はほかにはいなかっただろう。

 続く第3試合、にゃん選手(召喚士)とHei選手(暗殺者)の対戦では、予選まで対召喚士戦では100%の勝率を誇っていたHei選手が、1戦目では召喚された猫を絶妙のタイミングで行動不能にしつつ、暗殺者の高いダメージディーラー能力を発揮し、時間切れからの判定勝ちを収めた。

 だが2戦目、3戦目とにゃん選手は、ダウン状態に猫が跳びかかってマウントポジションをとって拘束。そこに“ひまわり”の連射を浴びせるという大ダメージコンボが炸裂させ、にゃん選手の勝利となった。

 大ダメージにより一気に勝負が決まったかのようにも見えたが、じつはいずれの場合も直前に猫を攻撃し、行動不能に追い込むことがもう少しでできる状態だったため、かなりの僅差の勝負であったとも言える。

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▲Hei選手(左写真、右)の姿を消しての高速移動とラッシュを防御技“たんぽぽ”でしのぎつつ、マウントからの連打での勝利。生放送のコメントも大いに盛り上がった瞬間だった。

 第4試合は隣の剣ちゃん選手(リン剣術士) vs ダーインスレイブ選手(リン剣術士)という、初戦に続く同職業の対決。対応力が高いリン剣術士どうしの戦いとなると、武功のクールタイムが勝負の分かれ目となるため、これまでの試合よりも慎重な攻防が展開した。

 お互い手の内を知り尽くしているぶん、ダウンからの起き上がり攻撃などといった罠にはいっさい引っかからない両者の対決は、チャンス時にダメージソースとなる“雷光閃”を使用可能状態でほぼ毎回決めることができた隣の剣ちゃん選手が2連取で勝利。あと数秒のクールタイムで勝敗が分かれる場面もあった、僅差の戦いだった。

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▲ダーインスレイブ選手(左写真、右)も行動不能からの空中打ち上げコンボで何度も大ダメージを取っていたが、数秒の差が明暗を分ける結果となった。

上位4名が世界大会に進出!

 NicoJean選手、Qliphothx選手、にゃん選手、隣の剣ちゃん選手とベスト4が決定し、決勝戦を迎えようとしたところで、大会会場では『ブレイドアンドソウル』プロデューサーの三浦周氏が登場。今大会の後、韓国で2015年11月に開催される『ブレイドアンドソウル』ワールドチャンピオンシップに、今大会の上位4名が日本代表として予選参加することになると発表した。

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▲三浦周プロデューサー(写真中央)から、今後の“比武”大会の展開が説明された。

 2013年から過去2回、『ブレイドアンドソウル』の本場である韓国で開催されてきた“比武”大会。今年2015年の大会は、日本、韓国、中国、台湾の4か国からそれぞれ4名の代表が集まり、16名でのトーナメント戦となる。

 ベスト4に進出した4名の選手は、国別チーム戦というわけではなく、それぞれ個別に選手としてこのトーナメントに参加することとなる。対戦格闘ゲームでは日本の大会でも幾度もその驚異的な強さで魅せてくれた韓国や、昨今ゲームに対する情熱にすさまじいものがある中国と台湾のプレイヤーとの対決となると同時に、日本人どうしの再戦ももちろんありうるわけだ。

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▲ベスト4の選手にはゲーム内の特別な衣装に加え、世界大会参加時には力の象徴として鬼をイメージしたユニフォームも用意されるとのこと。
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▲ワールドチャンピオンシップは11月5日より開催。個人戦ながら賞金総額1億2千万ウォン(日本円にして約1200万円)の、MMORPGの大会としてほかに類を見ない大規模な大会となっている。