4Kモデル&“GigaCrysta”後継モデル!

 2015年9月20日まで千葉・幕張メッセで開催された東京ゲームショウ2015のビジネスデイに、アイ・オー・データ機器が前年に引き続き出展。ゲーミング液晶ディスプレイ“GigaCrysta”次期モデルをはじめとする4つの新規ディスプレイを公開した。会場で実際に確かめてきた機能や感想をお届けしよう。

 今回展示されていたのは、いわゆる4Kの解像度を誇る2種(40型ワイドと28型ワイド)と、三菱電機の技術供与を受けたギガクリア・エンジンIIを搭載する“GigaCrysta”の次期モデル2種(23.8型ワイドと27型ワイド)の計4種だ。

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▲ブースはゲームショウに合わせて、冒険者たちが集う西部の酒場のような佇まい。アテンドのスタッフの皆さんもカウボーイ&カウガール姿。

GigaCrysta後継のゲーミングモデルは、遅延が0.05フレーム!

 23.8インチモデルがLCD-RDT242XPB、27インチモデルがLCD-RDT272XPB。どちらも現行のLCD-RDT241XPB、LCD-RDT271XPBを踏襲したゲーミングモデルだ。

 ※現行モデルと共通の基本的機能はこちらの記事で確認されたい

 LCD-RDT242XPBのフレームは現行モデルと同じ6.4ミリ。非常にシャープな印象で、通常使用時にフレームを意識させないことはもちろん、デュアルディスプレイ時やトリプルディスプレイ時にもジャマにならない。実際、ブース手前には、現行モデルのLCD-RDT241XPBが3台並び、『ファイナルファンタジーXIV』によるデモプレイが行われていた。

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▲LCD-RDT241XPBは『ファイナルファンタジーXIV』の推奨ディスプレイだ。

 LCD-RDT272XPB、LCD-RDT242XPBとも、映像をより美しく表示するための技術を集積した超解像チップ“ギガクリア・エンジンII”を積んでおり、現行モデルでは遅延がスルーモードオン時に0.1フレームだったところが、0.05フレームと驚異の進化。アクションの激しい動きの速いタイトルをプレイしても、ズレがほとんど感じられない数値だろう。さらに、ちらつきを低減させるフリッカーレス設計や、暗い映像の視認性を上げるNight Clear Visionも新たに搭載。

 当日にデモ表示されていた映像はレースゲームの日中シーンだったため、全体が暗いゲームなどでの見やすさまで確かめきれなかったが、それでも建物の陰などの暗い部分のオブジェクトはハッキリと確認できた。全体的にゲインが上がったように白みがかかるものの、たとえばRPGのダンジョンやホラーゲームなどで威力を発揮しそうだ。

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▲左はNight Clear Vision発動時。右のOSDを見るかぎり、ノーマル時とは別に詳細設定が可能な模様。
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▲写真はLCD-RDT242XPBのもの。HDMI4つは頼もしい。

 大きく変更された点としては、側面の入力端子が挙げられる。現行モデルにあるD端子が割愛された代わりに、次期モデルではHDMI端子が4系統並んだ。うちひとつはMHL2.2対応なのは変わらず。対応する携帯端末などを接続すれば、端末の向きに合わせて画面側に表示された内容も向きを変えるのだ。もちろん、豊富な端子数はHDゲーム機を挿し換えずにつなげておくためだ。

 地味な変更点としては、どちらのモデルにもフレームにGigaCrystaのロゴが入ったことが挙げられる。とくにフレームを意識させないことを目的としているLCD-RDT242XPBでは、ロゴがベゼル天部にあるのが奥ゆかしい。

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▲LCD-RDT272XPBのロゴと展示されていた簡易的な諸元パネル。
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▲LCD-RDT242XPBのロゴと諸元パネル。

4KモデルはHDMI(4K 60p対応)/HDCP 2.2対応で死角なし!

 LCD-M4K401XVBは40型ワイド(可視領域39.5インチ)、LCD-M4K282XBは28型ワイド。LCD-M4K401XVBはギガクリア・エンジンIIこそ搭載していないものの、さすがに4K(3840×2160)かつ40型だけあり、高精細この上なく、この大きさで精緻な画像でプレイしたときの没入感を想像するとシビれる。小画面を表示させるPIP機能も、2画面を同時に表示するPOP機能も、この広さと解像度によって如何なく発揮されるだろう。実際、展示ではPIPの状態で、Photoshopでの作業画面とWindows8.1が表示されており、快適さが予見された。

 このときのWindows8.1は、IntelのスティックPC“CSTK-32W”で起動しており、さらにその電源は401XVBから取られていた。じつはこのLCD-M4K401XVBには給電専用のUSBポート(3.0A)が付いており、実際の活用例を見せていたわけだ。

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▲4K画面の右下4分の1がWindows8.1。ということは、そこだけでほぼフルHD表示だ。
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▲OSDはギガクリア・エンジンIIのものとは異なっていた。PIP/POPへのアクセスがしやすそうだ。

 入力端子にはディスプレイポート、アナログRGBを各1と、HDMIを3つ(MHL対応×1、4K 60P対応・HDCP2.2×1、通常のHDMI×1)備えており、PCはもちろん、ゲーム機、4Kチューナーなど幅広い用途への使用が考え得る。

※4k 60P対応・HDCP2.2……いずれも4Kチューナーから映像を入力するために必須の規格。

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▲「もうひとつ重要な機能を忘れていました」とスタッフ氏から紹介されたのが、ご覧のヘッドセットのフック機能。引き出して使用する。デスクトップなどで使用する場合、実際、あるとかなり便利だろう。
▲LCD-M4K401XVBの諸元パネル。

 一方の28型LCD-M4K282XBは、既存のLCD-M4K281XBをバージョンアップしたモデル。ほぼ40型LCD-M4K401XVBと同様の機能を有していたが、おもしろいのは、画面の縦横を回転して使用できるピボットと、左右に回転できるスイベルの機構を搭載したこと。ベースの高さも調節できるため、2台目、3台目として設置するようなとき、トリッキーな配置にもじゅうぶん対応してくれるだろう。

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▲通常表示。
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▲ピボットで回転。Webの一覧表示や、縦書きの文書作成などで威力を発揮する。
▲LCD-M4K282XBの諸元パネル。

 超解像技術はもちろん、PIP/POP機能や、GigaCrystaモデルにも搭載されているフリッカーレス設計も搭載。機能、大きさ、価格など総合的にバランスの取れたモデルといえるのかもしれない。

 その気になる価格と発売時期だが、4モデルいずれも10月に正式公開し、11月の発売を予定とのこと。GiGaCrystaモデルのLCD-RDT242XPBが45000円前後、LCD-RDT272XPBが60000円前後、そして4KモデルのLCD-M4K282VBが70000円前後、LCD-M4K401XVBが10万円以下と想定されているとのこと。年末にディスプレイの買い換えや追加を考えている人は、店頭で現物を見てその具合を確かめられるわけだ。

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▲リモコンはGigaCrystaモデルと4Kモデルで仕様が異なる。左がGigaCrystaモデルだ。