砕け散ったファイアブリンガーの欠片が、物語のカギとなる?

 東京ゲームショウ2015のスクウェア・エニックスブースで配布されていた冊子“SQUARE ENIX Lineup for TGS 2015”。この冊子の、2016年に発売予定のプレイステーション Vita用ソフト『サガ スカーレット グレイス』のページには、下記の文章が記されている。

『サガ スカーレット グレイス』TGS配布冊子と、週刊ファミ通掲載の河津氏コメントから世界観を読み解く【TGS2015】_02
『サガ スカーレット グレイス』TGS配布冊子と、週刊ファミ通掲載の河津氏コメントから世界観を読み解く【TGS2015】_01
▲『スターオーシャン5』のイラストが表紙の“SQUARE ENIX Lineup for TGS 2015”。ページをめくっていくと、ファイアブリンガーの横顔が現れる。

「ファイアブリンガー」
星神を裏切り追放された邪神。
冥魔の群れと共に戦いを挑むが、
帝国を率いる皇帝に敗北し、粉々に砕け散った。
破片は流星となり、多くは燃え尽きた。
だが、いくつかの小さな欠片は地上に到達していた。
そこに秘められた邪悪なる力。悪しき者どもが渇望する力。
それが、スカーレット・グレイス

 この文章と、週刊ファミ通2015年10月1日号(2015年9月17日発売)に掲載した、本作のプロローグと河津秋敏氏のコメントを合わせると、本作の世界観が見えてくる。

プロローグ

星神を裏切った罪で追放された神“ファイアブリンガー”

邪神は彗星となり還ってくる。鎮まっていた冥魔達も暴れ始め、世界は危機に陥る。
星神はひとりの男に力を授ける。彼は人々を率い“ファイアブリンガー”と戦う帝国を打ち立てる。冥魔は地下へと押し戻され、邪神の星は彼方へと去った。
その後も邪神の星は、150年ごとに還ってくる。時代時代の皇帝が“ファイアブリンガー”と冥魔達を迎え撃った。準備に怠りなく楽々と邪神を撃ち破る皇帝もあれば、油断の果てに世界を滅亡の淵に追い込んだ皇帝もいた。
七度目の襲来で遂に、邪神の星は砕け散った。1000年にわたる戦いに終止符が打たれたのだ。人々は平和の訪れに歓喜した。“ファイアブリンガー”の破片は地上に降り注ぎ、それは人間と星神の勝利を祝う花火のようであった。

“ファイアブリンガー”が消滅すれば、帝国も不要になる。支配を続ける帝国に対して、各地で反乱が起きる。それは皇帝の息子たちによる内乱へと繋がる。混乱の中、“ファイアブリンガー”を倒した英雄である皇帝が暗殺され、帝国はあっけなく瓦解した。

それから70余年。帝国時代を知る者もほとんどいなくなった。世界の混乱は続いていた。新たな危機が迫っていることに気がつく者など、存在しなかった。
だが時代は主人公を用意する。新しい時代の新しい主人公を。

河津氏コメント

・プロローグについて
 皇帝は星神の地上における代理人でした。ファイアブリンガーや強力な冥魔たちに対抗できるのは、皇帝だけでした。帝国は皇帝を支えるためにありました。そして、帝国を支えていたのは、一般の人々だったのです。
 ファイアブリンガーが消滅したことで、人々は帝国を支える義務から解放されると思いました。平和の果実を自分たちが受け取る番だと。人々は世界を救った皇帝を敬愛し、感謝していましたが、帝国の重荷を背負う気はありませんでした。しかし、帝国もみずから解散するというわけにもいきませんから、そこに大きな軋轢が生じます。
 こういうことで、帝国は自壊してしまいます。邪神の消滅が新たな争いを産むことになるとは、人々は想像もしていませんでしたし、理解することも難しいことでした。人々は嘆き、星神に救いを求めましたが、それで世界の分裂が収まることはありませんでした。
 星神たちは共通の敵を失い、互いに勢力争いをくり返しています。人々の思いこそが彼らの力だからです。
 星神が争っている隙に、地下の冥魔たちは少しずつ力を回復していきました。いまや危機は現実になりつつあります。冥魔を束ねるファイアブリンガーは存在しませんが、さまざまな冥魔が地上の支配権を得ようと、蠢き始めているのです。

・ファイアブリンガーについて
 影の主役というか、本作のベースラインを決めるキャラクターだったので、小林さんに最初に描き起こしていただきました。赤と黒でシンプルでありながら、力強さと優美さを兼ね備えた魅力的なキャラクターというか神になっていると感じています。
 ほかにも星神や冥魔や精霊がたくさんいるのですが、その中でもファイアブリンガーは特別な存在です。

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▲謎の多い存在、ファイアブリンガー。

・主人公(男)について
 ヤンキー系のにいちゃんです。最近は畑仕事に精を出しています。本人いわく、「そろそろ大人にならないとな」。無口で誤解されやすいタイプですが、口より先に手が出るほうだったので、必ずしも誤解でもないのかもしれません。頼まれごとは断らない侠気溢れた人間ですが、そのためいろいろなトラブルに巻き込まれていくことになります。

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▲主人公(男)

・主人公(女)について
 旧帝国貴族の家柄の娘です。家臣からは“姫”と呼ばれています。父や兄の前では超甘えっこで、兄の許嫁を“お姉さま”と慕うようなかわいらしい娘です。が、じつはかなりのしっかり者。武門の家を背負って立つ気概も持っています。そのあたりを見込まれたのか、ゲーム内ではさまざまな苦難に立ち向かわなければなりません。

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▲主人公(女)

設定資料

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▲帝国跡のイメージ
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 また、東京ゲームショウ最終日にスクウェア・エニックスブースで行われたSQUARE ENIX MUSIC Presents Composer Talk Showにゲスト出演した河津氏は、主人公は複数存在し、上記のふたりは主人公の中でも若手であることや、バトルに参加するメンバーは5人であることなどを明かしている。
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 どんな内容になるのか、いろいろと想像が膨らむ『サガ スカーレット グレイス』。次回の情報公開が楽しみだ。