紅莉栖を救えなかったβ世界線を描く正統続編
2015年9月17日(木)から9月20日(日)まで、千葉・幕張メッセにて開催された東京ゲームショウ2015(17日・18日はビジネスデー)。最終日となる20日にセガブースで開催された『シュタインズ・ゲート ゼロ』のステージをリポートする。
登壇したのは、プロデューサーの松原達也氏(MAGES.)と、同作に出演している声優の花澤香菜さん(椎名まゆり役)、藩めぐみさん(椎名かがり役)、後藤沙緒里さん(桐生萌郁役)。
『シュタインズ・ゲート ゼロ』は、主人公の岡部倫太郎が牧瀬紅莉栖の命を救えなかった、もうひとつの世界線を描いた作品。それについて松原氏は、「アニメで言うと23話で、タイムマシンに乗らず、紅莉栖を救うことをあきらめたβ世界線」と説明した。本作では、人間の記憶をコンピューターに保存するシステム“Amadeus(アマデウス)”が開発され、紅莉栖の記憶を宿したAIも登場する。
ここで、今回の登場人物のイラストがスクリーンに映されたが、やや暗い印象の岡部のイラストについて、「紅莉栖を救えなかった後悔と彼なりになんとかしようとあがいた結果」と松原氏はコメントした。
続いては、声優陣がそれぞれのキャラクターについて語ってくれた。花澤さんは「毎回守られてばかりいるけど、今回は積極的に動いてオカリン(岡部)を助けている」そうだ。また、“大人のまゆしぃ”も登場するそうなのだが、「年齢は……」と花澤さんが言おうとすると、松原氏が「夢が壊れちゃうので(笑)」と話すひと幕も。
藩さんが演じる椎名かがりは、まゆりの養女という設定。藩さんによれば「世界線によって、たちばも話しかたも変わる。ただ、どの世界線にいてもお母さん(まゆり)のことは大好き」だと説明してくれた。
スクリーンには、かがりと鈴羽のスクリーンショットが映された。何とも緊迫したこのシーン、松原氏がタイムマシンに乗り込む直前のシーンだと教えてくれた。また、かがりが持っている緑の“ウーパ”は、重要なキーアイテムなのだそうだ……。
また、後藤さんが演じる萌郁は、本作でも重要な立ち位置のキャラクターで、それを説明しようとすると「核心に触れてしまう」(松原氏)のだとか。後藤さんは「世界線が変わるごとに、新しい一面が出てきました」とコメント。
ネタバレ上等! 主題歌「アマデウス」に込められた意味とは?
ここで、本作のオープニングムービーが公開された。バックに流れる「アマデウス」を歌うのはもちろんいとうかなこさんで、作詞作曲を志倉千代丸氏が手掛けている。松原氏は「ゲームクリアー後に聞くと、また“ネタバレソング”と言われるはず(笑)」と言うが、そのフレーズひとつひとつに重要な意味が込められているのだろう。
そんなオープニングムービーを見終わり、キャストに感想を求めようとした瞬間、後藤さんの眼から涙が……! もしかしたら、このムービーには演者にしか感じることのできない“何か”があったのかもしれない。
ステージの最後に松原氏は「『シュタインズ・ゲート』は今年で5年になります。シリーズの集大成としなるように、またこの先もまだまだ『シュタインズ・ゲート』ワールドを広げていきたいと思います」とコメントした。