誰でも手に取って楽しんでもらえるゲーム
2015年9月17日~20日の4日間、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2015。同イベントでも注目を集める『ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ』だが、スクウェア・エニックスブース内の『ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ』体験スぺースにて、本作のプロデューサーである藤本則義氏に話を訊くことができた。発表以来、熱い注目を集める本作のアレコレを教えてもらえたぞ!
――2015年7月に発表されて以来、2015年9月15日の“SCEJA Press Conference 2015”で発売日を、そしてこの東京ゲームショウ2015で体験ブースの初出展と、怒涛の展開を見せていますね。
藤本則義氏(以下、藤本) 2014年初頭から着手したので、確かに開発期間は短いですね。最初からPS4、PS3、PS Vitaの3ハードで出そうと考えていたので、ゲームがそれぞれのハードでちゃんと動くかという検証に時間を要したくらいでしょうか。無事に動くことがわかったときはホッとしましたね。いまは、ようやく目処が立ってきたと言えます。
――3ハードでの発売は最初から決めていたんですね!
藤本 そうなんです。このゲームはいろいろな形で楽しんでいただきたかったので。PS4やPS3で腰を落ち着けてアレフガルドを作るのもいいですし、PS Vitaでコツコツと作れるようにもしたかった。また、サンドボックスゲームを楽しんでいる小中高生の皆さんにも手に取っていただけるよう、PS Vitaに対応させることも大事だと思いました。
――そうなると、気になるのはクロスセーブ機能への対応です。
藤本 クロスセーブに関しては、もちろん考慮しました。しかし、フィールドにあるすべてのブロックの内容や位置をデータが記録する必要があります。ゲーム内では、ブロックの大きさを1メートル四方と換算しているので、セーブデータの容量がとても大きくなります。そうなると、クロスセーブを使ってサーバーにデータを上げるだけで、10分くらいはかかってしまうんです。しかも、本作はいくつものデータを作れるようにしているので、さらに時間がかかり兼ねない。ユーザーさんにとってもよろしくないし、本作のゲーム性にも合わないと考えて、本作はあえてクロスセーブに対応しないことを決めました。
――読み込みに時間がかかるのは、サンドボックスゲームでは致命的ですからね。確かに、本作は全体的に手触りがサクサクしています。ブロックを壊すのも、積むのも、モンスターと戦うのも、どれも感覚的に行うことができるので、アクションゲームのように爽快でした。
藤本 サンドボックスゲームと聞くと、めんどくさそう、難しそうと思う方も多いでしょう。でも、初めてプレイする方でもある程度ゲームをプレイすれば、サンドボックスゲームに慣れている方と同じように、サクサクと楽しめるような作りになっています。そのための“設計図”であり、壁にブロックを上下2段に置けば家として最低限の条件をクリアーしたことにするなど、わかりやすいルールにしています。今回出展しているバージョンは、それを伝えるためのものと捉えていますね。
さまざまな要素が絡み合い発展していく町と住人
――9月17日のイベントでは、村を発展させると住人が増えて行くと話されていました。
藤本 公開されたPVには、いろいろな村人が出てきますよね。これは本作のポイントのひとつでもあるのですが、彼らは独自に行動して、自分の意思で生活するようになります。
――もうひとつ気になるのが、“CAMPゲージ”です。これはどのようなシステムなのですか?
藤本 “CAMPゲージ”は、相対的に村や町を充実化させていくと上がるものです。充実化と言っても、方法は自由で、メルキドの町を再現するのもいいですし、大きなマンションのような建物を作って、その中に施設を充実させるのもいいでしょう。ぱっと見で小さな集落に見えても、中身が充実していればゲージは上がります。家をたくさん建てれば上がるのはもちろんですが、内装にこだわるだけでも評価につながります。レベルが上がれば作れるものが増えていきますよ。
――設計図通りに作ればレベルが上がるというものではないんですね。では、主人公自体にレベルという概念はないのですか?
藤本 レベルが複数あるとわかりにくいので、本作にはありません。ただ、“いのちのきのみ”を使えばHPの上限が増えます。攻撃力や防御力を上げたい場合は、より強い武器や防具を作ることになります。その種類だけでも非常に多いですよ。
――とことん自由に町を発展させられそうですね。
藤本 町や村を発展させることにこだわるのも楽しいですし、ひたすらストーリーを進めていただくのもいい。ずっと寄り道をし続けるのもいいでしょう。本作は、プレイヤーの数だけ遊びかたが存在するゲームです。だから、自分だけの遊びを見つけたら、PS4のユーザーならSHARE機能を使うなどして、世界中にどんどん広めていってほしい。モンスターも、人それぞれで異なる倒しかたができるようになっているので、そういった部分も共有していただけるとうれしいですね。
TGS2015の“スクール”に君も“入学”しよう!
――「モンスターの倒しかたも人それぞれ」ということは、PVで見られているような、落とし穴を掘ってゴーレムと戦うといった戦略も立てられるのですか?
藤本 もちろんです。PVでお見せしていることは、すべてゲームで実現できると考えていただいてけっこうです。落とし穴のようなトラップを自分で作れますし、強い武器を作って正面から挑むこともできます。ただ、複数の強力なモンスターに囲まれるなど、少し工夫しないときびしい局面が発生する可能性があります。そんなとき、いかにして危機を脱するか? 自由に対処していただきたいですね。
――今回はメルキドが紹介されていましたが、ほかのフィールドはどのようなものがあるのでしょうか?
藤本 現時点で言えることは、最後の目的はりゅうおうであるということ。そこにたどり着くまでに、きっと皆さんが驚くような、いろいろな場所が出てくるということだけです。
――楽しみでしかたありませんね! 今後の展開に期待が膨らみます。
藤本 これから発売まで、いろいろな形で皆さんに本作のおもしろさをお伝えしていこうと思います。東京ゲームショウ2015では、“ドラゴンクエストビルダーズ スクール”と称して、2015年9月19日と20日の2日間にわたってイベントを開催しています。授業形式で、フィールドの探索や家の作りかたといった部分に焦点を当てた情報を紹介しますよ。ニコニコ生放送でもイベントの模様を配信するので、チェックしてください。本作も『ドラゴンクエスト』シリーズなので、どなたでも楽しめるゲームになっています。その点をできるだけわかりやすく紹介しますので、注目していただけるとうれしいですね。