天下統一を狙うゲーム性が際立つ『覚醒の章』2ndシーズン
『信長の野望 Online』は2003年のサービス開始以来、12年のあいださまざまなアップデートを重ね、長くファンに愛され続けてきたMMORPGだ。2014年12月にスタートした最新章である『信長の野望 Online ~覚醒の章~』が2015年9月9日に2ndシーズンを迎え、伊達家が新勢力として参戦することになった。その大型アップデートを目前に控えた過日、本作のプロデューサーの渡辺知宏氏とディレクターの川又豊氏の元を訪ね、ファン待望となる『覚醒の章』2ndシーズンの内容などについて話をうかがった。
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--『信長の野望 Online』の現状はいかがですか?
渡辺知宏プロデューサー(以下、渡辺) 12年の積み重ねで『天下夢幻の章』から続く『覚醒の章』によって、プレイヤーの皆さんにさらに楽しく遊んでいただくためのインフラ整備を、いちばんのコンセプトとしてやってきました。“天下統一”というゲーム性を一度見直すことで、すべての行動が天下統一につながるようになり、各勢力の活動がよりダイナミックに変化するゲームに生まれ変わりました。
--天下統一は、いちばん盛り上がるところですからね。
渡辺 過去には、天下統一が数年間も成されなかったこともあり、「いつになったら天下が統一されるんだ?」という状況も起きていましたが、いまは1年以内で決着が着くようになっています。
--具体的にはどのように変化したのですか?
渡辺 いままでは冒険や生産をして、がんばって強くなって合戦へ行くという流れだったのですが、いまは冒険、生産、合戦のそれぞれが、ダイレクトに天下統一の指標となる“天下人得点”というパラメーターを上げることにつながるようになりました。つまり、生産だけをしていても所属している国を強めることにつながって、天下統一に参加できるわけです。「戦国生活を楽しもうね」というふわっとした感じから、戦国生活をする中で、明確に天下統一に進む仕組みに変わってきたと言えます。
--大名家どうしの戦いがよりクローズアップされて、天下統一を狙うゲーム性が際立ったということですね。
渡辺 戦国時代のおもしろさは、天下統一のなかでいろいろな人がそれぞれの思いで暮らしていることだと思うんです。ひとりひとりの行動が天下への流れを作るなかで、どんな感動が生まれるのか。それをMMORPGでシミュレートするという。やはり、本作をずっと遊んでくださっている方は、勢力内のコミュニティーをしっかり築かれていて。同じ釜の飯を食べた仲間と言いますか、いっしょに戦って暮らしてきたことが大きいので、より勢力を充実させるアップデートをしていきたいと考えました。
--今回は伊達家が参戦するのが目玉だと思いますが、勢力自体が追加されることはずいぶん久しぶりですね。
渡辺 2004年ぶりですね。サービススタート以来と言ってもいいくらいです(笑)。
--新勢力を追加しようと思ったこと、数あるなかで伊達家を選ばれた理由は何ですか?
渡辺 やはり、シーズンが回っていくなかで、新しいシーズンに何が必要かということを考えた結果です。新勢力が入ってこないと、つぎのシーズンの状況も同じでマンネリになってしまわないかと。そのためには、一石投じるような要素が必要でした。そこで、伊達政宗のような大きな石をドーンと(笑)。伊達家が加わることで、天下統一までの動きも随分変わってくるだろうと思ったのがいちばん大きな理由ですね。そのうえで、プレイヤーの皆さんから「勢力を追加してほしい」というご要望もすごく多かったので……。ほかにも「フィールドが追加されないとだめ」とか、「ダンジョンを追加してほしい」など、さまざまなご意見から原点に立ち返ったときに、“新勢力の追加”という大きなインパクトによってリリースすることが今回のコンセプトになりました。
--近畿や中部よりも、フィールドを増やすなら東北がいいとか。
渡辺 そういう事情もあります。ですので、フィールドとセットで皆さんが望まれている要素を追加したと言いますか。
--伊達政宗や愛姫のふたりにはボイスがついているそうですね。
渡辺 伊達政宗を間宮康弘さん、愛姫を近藤唯さんに演じていただいています。
川又豊ディレクター(以下、川又) 間宮さんには『討鬼伝』など、当社の作品のナレーションも担当していただいています。
渡辺 もちろん、『信長の野望 Online』のプロモーションムービーでもナレーションを入れていただいています。ゲームキャラクターにも声をということになり、間宮さんの声を聴いたときに、……お姿とはギャップがあるのですが、非常にいい声で(笑)。私の思い描いていた伊達政宗そのものだったんですね。じつは、間宮さんもβテストのころからの『信長の野望 Online』のプレイヤーなんですよ。
--すごいですね!
渡辺 パッケージも全部持ってくださっていて。こんなことが実現するとは思わなかったのですが、伊達政宗という原点に立ち返った、12年の念願が叶ったと思っています。
--間宮さんもきっと感無量でしょうね。ところで、伊達家にはいろいろなキャラクターが出てくると思いますが、NPCとして片倉小十郎らも出てくるのでしょうか。
川又 もちろん出てきます。支倉常長など、伊達家好きの方に喜んでいただけるようなメンバーが入りますので、そのメンバーで合戦などをして楽しんでいただければと思います。
奥州の雄、伊達家が天下を獲る!?
--たとえば、いままで上杉家にいた人などが、伊達家に移ることはできますか?
川又 シーズン開幕で移籍の期間をご用意していますので、そこで移ることができます。
--それは伊達に人が押し寄せる可能性もありますね?
渡辺 その可能性はありますね。ちょっとドキドキしています(笑)。
--もしかしたら、天下が伊達家のところに行くかもしれないですね。
渡辺 そういう風に流れが変わることも期待しています。
--現状ではどの勢力の人気なのですか?
川又 ちょうど今日、天下分け目の決戦の決着がつくところなのですが(※編集部注:収録日は2015年9月3日)。
渡辺 シーズンが切り替わるところなので(笑)。まさにタイムリーなお話です。
川又 人気が高いのは上杉家、武田家で、今回の決戦もその二大勢力がメインで行われました。
--『信長の野望 Online』なのに、織田家じゃないんですね(笑)。
川又 織田家も人気ですが、人数や合戦の強さでは上杉家、武田家が突出しています。
渡辺 織田家はカジュアル層が多いようですね。『信長の野望 Online』ですので、ピュアな気持ちで入りやすいのでしょう。
--なるほど。つまり、いわゆるやり込み勢は上杉家&武田家になると。
渡辺 そうです。玄人好みと言いますか(笑)。
シリーズ最強の敵が出現したり、天下統一後にみんな平等になったり
--新要素である“古い地図”とは、どういったものですか?
川又 メインになるコンテンツではないですが、時間の空いたときにちょっと遊ぶような要素です。レアアイテムとして、古い地図がドロップするようになるのですけれど、それで宝探しのような遊びをすることになります。古い地図で獲得するのが、職業の枠を超えて技能が使えたり、武器に特定の種族に対して攻撃の効果が上がる特殊効果がついたりする、いままでになかったアイテムです。
渡辺 入手したアイテムによって、戦闘のバリエーションが広がっていくことになります。装備によって戦略も変わってくるはずですよ。
--新勢力の追加によって、フィールドだけでなく“龍泉洞”というダンジョンも増えたそうですね。
渡辺 これまでよりさらに強い敵を求めて徒党(パーティ)を組み、ダンジョンに潜っていくということが『覚醒の章』2ndシーズンの最終目的です。ですので、龍泉洞にはシリーズ最強の敵もご用意しました。
--それほどの強さなんですね!
渡辺 いままでの『覚醒の章』では、デイリーで遊べるコンテンツをしっかり開発し、提供してきましたが、『覚醒の章』2ndシーズンでは“最強の敵に挑む”という目的をしっかり持っていただこうと思いまして。
--プレイヤーの皆さんの動向や平均レベル、装備などから調整されていると思うのですが、トップの人たちから見てもかなりの歯ごたえですか?
渡辺 トップの方たちにとって歯ごたえがある部分も用意しています。ただ、それだけではそうでない方が厳しくなってしまいますので、段階的に中級レベルの方からに遊んでいただけるようなダンジョンとして設計しています。
--なるほど。では最後だけがエンドコンテンツのような難度になっていると。
渡辺 そうですね。比較的簡単なことからひとつひとつクリアしていく目標を、ダンジョンの中に設けています。
--「ここまでクリアできた」などと、指針になるようなダンジョンなんですね。
渡辺 そうですね。指標にもなりますし、周囲の皆さんにも強さを認められます。
--レアなアイテムを入手できたり、レアポップのモンスターなどもいますか?
川又 毎日の積み重ねも重視しなくてはいけないところですが、やはりRPGでワクワクすることって、「新しいダンジョンで、いつか対峙する最強の敵を目指しながらレアなアイテムを見つけていく」ということだと思います。ですので、10年、20年と変わらないおもしろさをこのダンジョンで再現できないものかと。もちろんレアなモンスターも出ますよ。それに加えて、今回はモンスターを家臣として使役できるような要素を入れていますので、かなりいろいろな方にやり込んでいただけるのではないかと思っています。
渡辺 これまでの家臣は人間の姿をしていましたが、今回はモンスター型のものが増えています。「獲ったぞ!」とみんなに見せびらかせるようなものなので(笑)。そういうレアなものはゲームにとって非常に大事だと思っています。家臣については今後もどんどん充実させて、プレイヤーの皆さんのステータスになるようなものを追加しようと考えています。
--確かにやる気を喚起されますね。それから、国勢システムにも調整が入るそうですが。
渡辺 前回のシーズンの反省を踏まえて、シーズンの最初で皆さんがなるべく同じスタートラインに立てるようにしています。また、冒険、生産、合戦が天下統一につながるんですが、実際の活躍は見えづらかったので、実感も薄かったことと思います。そこでいろいろな要素を入れて、自分の貢献がどう変化をもたらしているかをわかりやすくしました。
川又 12年間ご意見をいただき続けてやっと実現できたのですが、天下統一した後に、属国のある勢力が有利な状態から始まっていたのをイーブンにしました。『覚醒の章』スタート時より、全ワールドのなかでひとりだけが手にできるレアアイテム、“大名物”が国勢に関わるようになったのですが、この初期配分を変えることによって順位を均一化できると考えました。大名物とは、不可侵条約など外交に利用できたり、領土ではなく大名物を目当てに合戦を起こしたりもできるものですが、初期領土が少なくても大名物があることで、外交が活性化します。そこにさらに伊達家も加わるので、『覚醒の章』2ndシーズンでは、まったく新しい国勢を体験していただけると思っています。
最初から強い武器が持てる『プレミアムバーチャルパック』などさまざまなパックが登場
--『覚醒の章』2ndシーズンを期に、さまざまなキャンペーンが始まりますね。
渡辺 新シーズンが始まって、しかも伊達家に参加する皆さんは、初代、つまりオリジナルメンバーになるわけです。言い換えれば、今後の伊達家を作る人たちです。だから、ぜひ新規プレイヤーの皆さんにもプレイしていただきたいですね。そういった方たちが困らないようにするサポートするキャンペーンを多数用意しています。
--それが“新シーズン開幕! ウェルカムキャンペーン”ですね。
渡辺 14日間無料の体験版でゲームを開始していただいた方に、ゲーム内で交換できる“刻日の印”というアイテムをプレゼントします。これは3ヵ月課金した際の特典に相当する量を受け取ることができます。これを成長アイテムや移動に役立つアイテムに交換することで、かなり有利にゲームを進めていただけます。また、新規プレイヤーの皆さんの導線として、家臣といっしょに成長する流れでゲームの序盤を楽しめるように再構築しています。また課金をすると、ねねや蘭丸の見た目をした家臣を雇えるアイテムがもらえる特典もご用意しております。すでに遊んでくださっているプレイヤーの方には、友だちを招待するとお互いに特典がもらえるキャンペーンを行っていますので、こちらも活用していただければと思います。ほかにも特典はたくさんありますが、『プレミアムバーチャルパック』を購入すれば、最初から強い装備が持てるので、初心者の方には重宝していただけると思います。
--体験プレイもしやすくなるとうかがいました。
渡辺 体験版に関しては、2015年9月9日よりGAMECITYの市民IDの登録が不要になります。ですので、まずゲームをお試しいただいて、それから登録したい方は登録の手続きがとれるようになります。
--登録が不要になるのはPC版限定でしょうか?
渡辺 すべてのプラットフォームが対象ですよ。
--それはかなり気楽に試せるようになりますね。
渡辺 『真・三國無双Online』では2015年8月末からできるようになっているのですが、非常に好評です。『大航海時代Online』も含めコーエーテクモのオンラインタイトルでそういった施策をしていきますので、ぜひたくさんの皆さんに遊んでいただきたいと思っています。
--体験版は、製品版のどれくらいの要素が遊べるのですか?
渡辺 体験版で制限している部分は、体験版のキャラクターで稼いだお金を、他の製品版キャラクターに譲渡できないようにするのがメインで、そのほかの部分はほとんど製品版と変わりなく遊べます。基本的に中級者レベルまではサクサクと達成できると思います。体験の期間は2週間ですね。また12月2日まで16時-18時のあいだであればプレイが無料になるキャンペーンもありますので、お金をあまりかけられない方も、こういった時間を有効に活用していただければゲーム内も非常に盛り上がるんじゃないかと思います。もちろん、バーチャルスターターパックを購入すれば、180日間はその後の追加課金なしでも遊んでいただけますよ。
『信長の野望 Online』は、じつは女性プレイヤーも多い
--新規のプレイヤーの方に、プレイのコツを教えていただけますか?
渡辺 そうですね、新規の方は抵抗があるかもしれませんが、やっぱりほかのプレイヤーとコミュニケーションをとっていただくのがいちばんだと思います。じつは昔からプレイしている方って、みんな質問して欲しがっているんですよね(笑)。だから、すごく丁寧に教えてくださるんです。私もときどき新しくキャラクターを作って、新参者としてこっそりプレイするのですが、アイテムをたくさんくださったりと、皆さん本当にやさしいです。12年という歴史もありますし、仲のよさが伝わってくるんですよね。ゲーム内でコミュニケーションをとる機会をご用意していますし、わからないことは思い切って誰かに聞いてみてください。
--ベテランになると、頼られたくなるところはありますね(笑)。
渡辺 あとは、最近の『信長の野望 Online』の新規プレイヤー流入の統計情報によると、女性のプレイヤーさんが以前より増えてきています。戦国好きな女性が増えているという背景を感じますね。
川又 伊達家が入るというのは、コミュニティをゼロから作る良いきっかけになると思っているんですね。これを機会に、伊達家に新しくキャラクターを作ろうと考えてくださっている方もたくさんいらっしゃいますので。そういう時期に新規で参加されると、非常にスムーズにコミュニティーにご参加いただけるのではないかと思います。
--いろいろなお話をありがとうございました。最後におふたりから、プレイヤーの方にメッセージをお願いします。
川又 いつも『信長の野望 Online』をご愛顧いただき、ありがとうございます。『覚醒の章』2ndシーズンについては、ついに念願の新勢力の登場ということで意欲的に開発してまいりました。ニュース記事のコメントやSNSで、「あの伊達家が参加するなら復帰しよう」とか、「始めよう」というコメントを見掛けていました。新シリーズということで、非常に楽しみにしてくださっていることを受け、これにお応えするべくよいものをお届けさせていただきますので、ぜひご期待ください。
渡辺 いつもプレイしてくださっているプレイヤーの皆さん、たいへんありがとうございます。12年間の夢、MMORPGの夢というところで、新しく伊達家が参戦していますので、ぜひ伊達家に集まっていただければと思います。また、天下統一のシステムも新しくなっています。復帰プレイヤーの方に対してご用意した“帰参者キャンペーン”もたいへん好評で、実際に復帰された方もたくさんいらっしゃいますので、常連の方、復帰された方、新規の皆さんで新しいシーズンを楽しんでいただけたらと思います。