大胆なシステムを採用、だけどしっかり銃撃戦も楽しめる

 先日、プレイステーション4で開始されたアクティビジョンのFPS『コール オブ デューティ ブラックオプスIII』マルチプレイβテスト。本稿では、そのβテストのリポートをお届けする。

 アクティビジョンの人気FPSシリーズ『コール オブ デューティ』の新作『コール オブ デューティ ブラックオプスIII』(以下、『BO3』)は、前作『コール オブ デューティ ブラックオプスII』の世界を引き継いでいる。公開されている動画でもわかるとおり、身体の部分的なサイボーグ化や、情報機器のインプラントが当然になった世界が舞台だ。軍事用ロボットなどの技術が進歩する一方、兵士も機械義肢などを持ち、脳や神経に接続してアドレナリンコントロールを行ったり軍事ネットワーク経由で情報共有を行うDNI(Direct Neural Interface)と呼ばれる神経拡張システムを装備。『BO3』の延長線上にある未来の戦士の戦いが描かれる。

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 さて、本作のマルチプレイはサイボーク兵士を操作するので、無限スプリントやスライディング、ウォールラン(壁走り)など普通の人間を超越した行動が可能。スラストジャンプ、ウォールラン、スイミングなどアクションに大幅な変化が施されているが、2014年に発売された『コール オブ デューティ アドバンスド・ウォーフェア』のような縦軸の移動よりは少し地に足を付けた感じ。スラストジャンプは飛びすぎることもなく、かと言って実用性が低いということもない、絶妙な調整具合だった。
 また、プレイヤーは“スペシャリスト”とよばれるキャラクターを選択し、それぞれ固有のアビリティか武器を発動させることができる。“スペシャリスト”がもつ武器&アビリティは画面右下にあるゲージが溜まると、R1+L1で発動することが可能。ゲージはキルなどスコアを獲得するとさらに溜まるといった仕様だ。

 βテストでのマップはCombine、Stronghold、Hunted、Strongholdがプレイ可能。マップの壁がほぼすべて走れるようになっており、裏取りや奇襲、大幅なショートカットが可能だった。

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▲ウォールラン

 本作は無限スプリントが採用されているが、スピード感的にはそこまで早くはないといった印象。スラストジャンプも『コール オブ デューティ:アドバンスド・ウォーフェア』よりは重量感があるような感じで、スピーディーなアクションによる爽快感というよりも、新たなアクションによって立ち回り、戦略野幅が広がり、銃撃戦もしっかり楽しめるといった印象だった。

 武器は使用するごとにレベルアップし、アタッチメントが開放される。トークンを消費して解除できるので、最大5個のアタッチメントとサイトをつけることができる。アタッチメントによっては、ラピッドファイヤをつけてレートをあげたり、グリップをつけてリコイルを抑えてたりと、自分に合った構成を見つけられるはずだ。ペイントとカモフラージュ柄を選んで見た目でも楽しめる要素もある。

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 βテストで実装されているゲームモードはお馴染みの“チームデスマッチ”や“ドミネーション”、“デモリっション”、“キルコンファームド”、“ハードポイント”、“キャプチャーザフラッグ”、“サーチ&デストロイ”、『コール オブ デューティ:アドバンスド・ウォーフェア』で追加された“アップリンク”、さらに22日には非戦闘ロボットを敵陣へ護送する新モード“セーフガード”が追加された。
 このセーフガードは、2ラウンド先取型で、防衛側はロボットをゴール地点まで護衛する。攻撃側はロボットのゴール地点到着を阻止するというシンプルな内容だ。ロボットは一定量のダメージを与えるとダウン状態となり、再起動するまで動けないので、攻撃側はいかにロボットをダウンさせてゴールまでの進行を妨げるかといったところ。対して防衛側はロボットのダウンを阻止するために敵を排除する。ロボットにはゲージがあり、攻撃を受けるとゲージは減少し0になるとダウンするので、如何に長く死なないでロボットを護衛するかがキモ。ロボットは近くにプレイヤーが居ないと動かないようなのだが、みんなこぞってロボットの近くにいるとグレネードやRuinのGravity Spikeでカミカゼアタックをキメられて大量のデス数を稼ぐだけなんてときも。攻守が両立していないチームだと勝利することは難しく、終わってみればボロ負けといった状態も少なくなかった。ぜひ製品版がでたら、攻防と立ち回りについて研究したいところである。

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 なお、βテストをプレイしていた人なら分かると思うが、マッチングにいささか問題あり。何分まってもマッチングされず、いざ戦場にでれたとしても、ものすごいラグでみんながワープしていたり……。『BO3』ではホスト接続先のPing値を随時確認できるし、β期間中もマッチング改善のパッチが配信されていたので、製品版リリース時には問題なくマッチングされると信じたい。


 筆者にとって『CoD』シリーズをプレイするのは久しぶりだったのだが、プレイしていると「ああ、いつもの『CoD』だ」と、昔を思い出すような気持ちで時間を忘れてみっちり遊んでしまった。新アクションにより『BO3』は『CoD』シリーズとしてはとっぴな内容に見えたとしても、土台にはしっかりTreyarch流のFPSがあると実感。シリーズファンとして発売が待ち遠しい限りである。自分のプレイ動画を見てしっかり復習しながら、本作の発売を待ちたい。