現在進行形で内容が進化する“モノづくりアクションアドベンチャー”

 スパイク・チュンソフトより、現在好評発売中の“モノづくりアクションアドベンチャー”ゲーム『テラリア』。本作は、広大な地中空間を自由気ままに巡りながら、探索中に入手した素材をもとにさまざまなモノづくりを楽しむというゲームだ。

 もともとは海外のインディーズ発祥のタイトルで、往年のレトロ(16ビット?)ゲーム風の2Dドット絵画面という見た目とは裏腹に、常識外(?)なまでに広いマップで得られる奥深い探索体験、発掘とリンクした自由で高度なモノづくりの楽しさが話題になり、インディーズゲームの世界では異例のヒットを遂げている。

 国内のコンソール版はスパイク・チュンソフトがローカライズと販売を手掛けており、レトロでどこかユルい“本作の味”をそのまま活かした、ナイスなローカライズが施されているのがポイント。プレイステーション3版は2013年5月、プレイステーション Vita版は2014年2月、プレイステーション4版は2015年2月に国内リリースされている。

 ……と、このように、じつは本作はそれなりに歴史を持つタイトルなのである。だからこそ、というわけではないのだろうが、不定期にアップデートが配信されて、ゲームの内容がいまも現在進行形で進化している。PCゲームが発祥ということもあるのだろうが、“プレイヤーの能動性=遊びのモチベーション”を高めてくれるアップデートを無料で行っているのだ。各プレイステーションハードでは、2014年に大型アップデートとしてVer.1.2(プレイステーション3、プレイステーションVita版)、そして先日の2015年8月10日には最新のVer.1.24に更新されている(すべてのプレイステーションハード)。

『テラリア』最新アップデート“Ver.1.24”でお楽しみ要素&遊びやすさがさらに向上_01
『テラリア』最新アップデート“Ver.1.24”でお楽しみ要素&遊びやすさがさらに向上_02

 アップデートというと、この手のゲームならばアイテム、敵、道具や武器の追加を追加したり、さまざまな機能の効果を調整する……といった変更点と思われるだろう。本作のアップデートも(もちろん大前提として)それらの対応が施されているのだが、とにかく項目数と内容が大胆なのが特徴だ。掘る、斬る、叩くといった用途で用いる基本装備の役割や効果からしてアップデート変更が入るほど、大胆。

 つまり、発売後の数週間にプレイしていて、しばらくブランクを経ている人が、いま現在再び本作の探索に触れてみると、同じゲームでありながら「何かが違う!」と驚くことだってあるのだ。

 本稿では、これまでのバージョンアップで変わったり進化した部分を中心に、『テラリア』の持つ自由な冒険のおもしろさについて迫っていきたい。

気ままに冒険! 最初に頭に入れておきたい『テラリア』の基本

 まずは、「『テラリア』って何?」という人のためのおさらいから。ゲーム序盤の“指針”を紹介しがてら、基本の流れをみていこう。ゲームの概要を詳しく紹介した記事と併せてご一読いただけるといいだろう。

 ゲームは地上から始まる。最初から所持する基本の道具、“剣”、“斧”、“ツルハシ”で行動を始めなければならない。このままでは“マモノ”がどんどん襲ってきて、探索もままならないし、道具もチープなまま。いちばん最初にプレイヤーがすべきことは「家を建てる」ことだ。

 ツルハシで地面を掘ってブロックを、斧で木を切って“もくざい”を回収する……というように、ブラブラと周りを歩きながら素材となるものをひたすら集める。同時にツルハシやブロックパーツを使ってキレイに地ならしすることもお忘れなく。マモノがたくさん現れる夜までに、最低限、家の原型となる“ブロックの囲み”を作っておくといいだろう。

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 続いては、素材を組み合わせて“新たな道具を作る”、もしくは“(新たな道具を作るための)道具(設備)”を作っていこう。

 後者は具体的に言うと、もくざいを組み合わせて作る簡単な工作台“ワークベンチ”。このワークベンチで地中から集めた鉱石を溶かす“かまど”、かまどからできるインゴッド(塊)で金属の道具が作れる“かなとこ”……というように、設備増強の連鎖が生まれていく。新たな設備を作ることで、強力な効果を持つ道具やアイテムが作れるし、探索で回収した素材の使い道もグーンと広がるのだ。

 この“(新たな道具を作るための)道具(設備)”は、ほかにも“のこぎりだい”、“はたおりき”、“テーブル&イス”などが存在する。最初からすべてを揃えるのはたいへんなので、余裕を見て少しずつ設備を増やしていく心構えで進めよう。

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 このように、一軒の家を拠点にして、さらに内部の設備を充実させていくことが序盤の行動の基本となる。慣れてきたら、家を別のエリアにも建てていこう。家にはNPCの住人が住み着く。NPCはキャラクターごとに壁の色を変える道具“ペイントブラシ”を売ってくれる“えかき”や、装備品の色を変える“しきそ”を作るための道具を売ってくれる“せんしょくし”などがいて、さまざまな恩恵をプレイヤーに与えてくれる。家を増やせば、NPCも増えるのでそのメリットも得やすい。そして、なによりマモノがうろつく広大なマップの中で、中で休息してライフが回復できる場があるのは助かる。

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 地下の探索は、序盤の装備では奥深く進むのは無理。ここではまず貴重な鉱石を集めることを目標にしていこう。数は少ないが、画面内にピカピカ光るところがあれば、鉱石が眠る場所だ。

 剣とツルハシはこれらの貴重な鉱石をもとにして作れば、かなり頼れる戦力になることは間違いない。がんばってきんこうせきを集めまくって“きんのつるはし”を作れば、サクサクと素早く地面が掘れて探索のペースがグンと早まるだけでなく、素材集めが一気に捗る。かなりオススメ!

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 あと、地中の探索をする上でぜひ手に入れておきたい……というか、忘れずに持っておきたい道具がある。それは、天井や壁にフックを引っ掛けることでぶら下がったり、高速移動ができる“つかまりフック”だ。重力に抗う移動ができるので、移動の自由が大きく広がる。地中でまれに手に入るエメラルド、ダイヤモンドなどの希少な石を素材にしてフックを作ると、リーチが延びることも覚えておこう。

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 そして、これはプレイステーション4版のみの対応となっているが、専用の“コンパニオンアプリ”に対応していることにも注目したい。これは本作と連携したスマートフォン(iOS/Android)対応アプリのこと。ダウンロードして、プレイステーション4とリンクをさせることで、スマートフォンにリアルタイムでマップと現在位置が表示される。ゲーム単体ではOPTIONキーを押してゲームを中断させなければ見られなかっただけに、これはうれしい機能だ。ぜひ、活用してみてほしい。