技術面からゲーム開発者の功績をたたえる“CEDEC AWARDS 2015”

 2015年8月26日から8月28日までの3日間、パシフィコ横浜で開催中のコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス“CEDEC 2015”。本カンファレンスに併せて開催される“CEDEC AWARDS 2015”各部門の最優秀賞が発表された。

 今回発表された最優秀賞は、“エンジニアリング”、“ビジュアル・アーツ”、“ゲームデザイン”、“サウンド”、“ネットワーク”の各部門優秀賞を対象に、受講者および講演者と、CEDEC運営員会の投票により決定。本日8月27日に開催された授賞式の模様は、後ほど改めてリポートする。

 以下、リリースより。


【「CEDEC AWARDS 2015」最優秀賞】

◆エンジニアリング部門
コンテンツ開発環境の標準として開発現場へ多大なる貢献
「VisualStudio」開発チーム(マイクロソフト)

受賞理由:開発環境の標準としてその技術コンセプトは開発スタイルのあり方そのものに大きな影響を及ぼし続けてきた。プログラム開発現場への長年にわたる多大な貢献を評価。

◆ビジュアル・アーツ部門
ギルティギアシリーズにおけるアニメ調の表現
「GUILTY GEAR Xrd -SIGN-」開発チーム(アークシステムワークス株式会社)

受賞理由:セルアニメ調表現を描画のみならずアニメーションなど細部に至るまで追求し、ついにリアルタイムもここまできたかと唸らせる品質。その上でゲームプレイ感覚を損なわせずにまとめあげた点を評価。

◆ゲームデザイン部門
「ねこ」の魅力を最大限に活かすためのゲームデザイン
「ねこあつめ」開発チーム(株式会社ヒットポイント)

受賞理由:ねこの観察という題材を最大限に生かし、従来の枠に囚われないゲームシステムと、SNSを活用した投稿機能で、普段ゲームをしない層まで広く浸透させた。

◆サウンド部門
総勢約60名のゲーム音楽家たちによる夢の饗宴
「大乱闘スマッシュブラザーズfor Nintendo 3DS / for Wii U」桜井政博/ 任天堂/ 参加音楽家及びサウンド開発チーム(有限会社ソラ(桜井政博)/任天堂株式会社)

受賞理由:総勢約60名の著名ゲーム音楽家を起用し、400を超える楽曲数を収録した。近年人気の高まりを見せているゲームミュージックシーンにおけるファンの期待に応えつつ、規格外のボリュームをひとつの作品としてまとめあげたサウンドプロデュースを評価。

◆ネットワーク部門
GPS技術を使った新しいユーザー体験
「Ingress」開発・運用チーム(Niantic Labs)

受賞理由:高精度のGPS補正技術を利用した地球規模の陣取りゲームを実装し、数百万のゲームプレイヤーを屋外に誘い出すことに成功しただけでなく、その実装のために、Google App Engine上で数千台のサーバを協調動作させ、地球全体に散らばる数百万の三角形とリンクの交差判定をはじめとする複雑な処理を実装し、運用し続ける高い技術力を評価。

「CEDEC AWARDS」は、コンピュータエンターテインメント開発の進歩に顕著な功績のあった技術およびその開発者を表彰するものです。2008年に初めて開催し、今回で8回目の開催となります。

【「CEDEC AWARDS 2015」特別賞・著述賞】
コンピュータエンターテインメント開発全般に貢献した方を表彰する「特別賞」と、ゲーム関連書籍の著者に贈る「著述賞」は以下の通り決定しております。

◆特別賞
西角友宏氏 『スペースインベーダー』(1978年)開発者
岩谷徹氏 『パックマン』(1980年)開発者

◆著述賞
「3Dゲームをおもしろくする技術 実例から解き明かす
ゲームメカニクス・レベルデザイン・カメラのノウハウ」
著者:大野功二氏