ゲーム開発者の“生活と仕事”の実態が明らかに
2015年8月26日から8月28日までの3日間、パシフィコ横浜で開催されるコンピュータエンターテインメント開発者向けカンファレンス“CEDEC 2015”の開催に先駆けて、CEDEC運営委員会が“ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート2015”の調査速報を公開した。
このアンケートは、ゲーム開発に携わる関係者のキャリア形成やスキルアップのためのノウハウを共有する目的で実施されたもの。ゲーム開発に携わるプロデューサー、ディレクター、プログラマー、グラフィッカー、プランナー・ゲームデザイナーなどを対象に、7月1日~8月14日、インターネットを通じて207件の有効回答を集めた。
3回目の実施となる今回の調査結果からは、仕事に取り組む姿勢や将来のキャリア志向において高い意識が維持されていることがわかり、ゲーム開発者の熱心な仕事ぶりが鮮明になった。
速報版のデータは“CEDEC 2015”公式サイトでも公開中(リンク先はPDF)。
以下、リリースより。
■開発者の28%がマネジメント職のキャリアを志向
仕事環境では、自己が所属する開発チームの人員は平均38人で、1タイトルの開発・運営に16カ月を要しています。90%が仕事に誇りを持ち、72%が専門職を志向し、第1回の調査結果で鮮明になった「生涯ゲーム開発者でありたいと願う生真面目な職人気質」に変わりはないものの、一方で、28%がマネジメント職のキャリアを志向していることも明らかになりました。
■熱心な仕事振りが、より鮮明に
普段の平均的な就業時間は、おおよそ午前10時から午後8時までで週46.4時間。全産業の平均週間就業時間である39.1時間(総務省統計局平成26年労働力調査※1)を約7時間上回っています。有給休暇取得日数は、全産業平均の9日(厚生労働省平成26年就労条件総合調査結果※2)とほぼ同じ平均8日です。また、平均的な通勤時間は45分間と、90%以上が首都圏等関東地域に勤務する割には通勤の便に配慮が見られ、ゲーム開発者の熱心に仕事に取り組む姿勢が際立つ結果となっています。
※1 「平成26年労働力調査年報I-A-第12表」(総務省統計局)(2015年8月22日に利用)
※2 「平成26年就労条件総合調査結果の概況:結果の概要(1 労働時間制度)第5表」(厚生労働省) (2015年8月22日に利用)
■今後、関わりたいプラットフォーム、据え置き型ゲーム機38%
昨年の調査では、今後3年間のゲーム産業の成長に重要なプラットフォームとしてスマートフォンと回答した割合は90%以上でした。今回調査の「今後、開発に関わりたいプラットフォーム」では、据え置き型ゲーム機が38%で、スマートフォンの29%を10ポイント近く上回る結果となりました。
本調査は、CEDEC運営委員会が、専修大学ネットワーク情報学部准教授の藤原正仁氏とともに、ゲーム開発者が働く環境および開発者のキャリアに関する意識や行動の現況を把握し、ゲーム開発者およびゲーム開発の仕事を希望する方へ、キャリア形成について考える契機となるための情報を提供することを目的としています。また、経年的に本調査を実施することにより、他産業や海外との比較なども考慮に入れ、ゲーム開発を取り巻く環境について、産・官・学それぞれの立場での対応に役立つ情報を提供するものです。