アークシステムワークスが贈る対戦格闘ゲームの祭典

 2015年8月15日、アークシステムワークスの対戦格闘ゲームの祭典“ARC REVOLUTION CUP 2015”(あーくれぼ2015)が東京都の品川インターシティホールで開催された。本稿では、サイドトーナメントとして開催された『アンダーナイト インヴァース エクセレイト エスト』と『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』の模様をリポートする。

あーくれぼ2015とは?

 あーくれぼ2015は、今年で3回目を迎える対戦格闘ゲームの全国大会。今回は家庭用ゲームタイトルをメインにした賞金制の大会となっている。メイントーナメントとしてプレイステーション4用ソフト『GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』(以下、『GGXrd』)と『ブレイブルー クロノファンタズマ エクステンド』(以下、『BBCPEX』)、サイドトーナメントとしてアーケード版『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』(以下、『P4U2』)と『アンダーナイト インヴァース エクセレイトエスト』(以下、『UNI st』)の計4タイトルで競われた。
 大会形式は、『GGXrd』と『BBCPEX』、『P4U2』が3ON3のチーム戦、『UNI st』がシングル戦で行われた。今回は予選を行わず出場希望者の中から抽選で参加者を選出。そのためか、さまざまな地域の混合チームも多く見受けられた。

サイドトーナメントの『アンダーナイト インヴァース エクセレイト エスト』&『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』部門をリポート【あーくれぼ2015大会リポート】_39
サイドトーナメントの『アンダーナイト インヴァース エクセレイト エスト』&『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』部門をリポート【あーくれぼ2015大会リポート】_40
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サイドトーナメントの『アンダーナイト インヴァース エクセレイト エスト』&『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』部門をリポート【あーくれぼ2015大会リポート】_42

GO1選手が新キャラクター“フォノン”で最新作初の公式大会を制覇

 『UNI st』は、『メルティブラッド』シリーズでその名を馳せたソフトハウス“フランスパン”が制作した、初のオリジナル対戦格闘ゲーム。2012年にアーケードで第1作が稼動開始した後、幾多のバージョンアップや2014年のプレイステーション3版発売を経て進化。そして2015年7月24日よりタイトルを一新した最新作の稼動が始まった。本大会ではその稼動したばかりのアーケード版によって競われた。

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 本大会でのルールは1on1、1勝で勝ちあがり、途中のキャラクター変更はありというもの。最新作を用いた闘いなので、新たに加わったキャラクター“フォノン”ももちろん使用可能となっている。“あーくれぼ2015”の最初の大会として、全国の予選を経て集まった32人によるトーナメント戦がスタート。大会はハイスピードな本作のバトルと相まって、スムーズに進行。ベスト4に勝ち上がったのは、かい選手(セト)、ネクロたん選手(アカツキ)、GO1-3151(GO1)選手(フォノン)、リオン選手(セト)と、全国の強豪、新旧の強キャラクターが揃う様相になった。

サイドトーナメントの『アンダーナイト インヴァース エクセレイト エスト』&『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』部門をリポート【あーくれぼ2015大会リポート】_47
▲左:かい選手(セト)/右:ネクロたん選手(アカツキ)
サイドトーナメントの『アンダーナイト インヴァース エクセレイト エスト』&『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』部門をリポート【あーくれぼ2015大会リポート】_48
▲左:GO1-3151(GO1)選手(フォノン)/右:リオン選手(セト)

 準決勝1戦目は、かい選手とネクロたん選手の闘い。セトとアカツキは本作でも屈指の“押しの強さ”を持つキャラクター、手数の多さで流れを支配してガードをどう崩していくかが対戦のカギとなると予想されたが、実際始まってみるとそのような展開になっていた。この闘いはこじ開けたチャンスから、セトならではの猛烈なセットプレイを披露したかい選手が勝利した。

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 準決勝2戦目は、GO1選手とリオン選手の対戦。GO1選手といえば関西の古豪としてその名を全国に轟かせているプレイヤー。2015年7月アメリカで行われた世界最大級の格闘ゲーム大会“EVO2015”にも参戦し、サイドトーナメントとして開催された本作の大会で優勝を果たしている。この日はステージでも「I'm EVO Champ」と語り、観客の笑いを誘った。
 いっぽうのリオン選手は今年のシリーズ作公式大会でも優勝を果たした実力者。この対戦はGO1選手の経験の多さが勝ったようで、GO1選手はセトの空間を巧みに使った動きに、絶妙なタイミングの対空攻撃で対処。新キャラクター、フォノンの能力を使いこなしている様を見せてくれた。

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 決勝戦も、このGO1選手のテクニックが光る場面が随所に登場。驚異のリーチの長さを誇るフォノンの鞭技を巧みにふるいかい選手のセトを寄せ付けず、最後は超必殺技でフィニッシュ。“横綱相撲”の貫禄で、最新作初となる公式大会の覇者となった。

サイドトーナメントの『アンダーナイト インヴァース エクセレイト エスト』&『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』部門をリポート【あーくれぼ2015大会リポート】_54
サイドトーナメントの『アンダーナイト インヴァース エクセレイト エスト』&『ペルソナ4 ジ・アルティマックス ウルトラスープレックスホールド』部門をリポート【あーくれぼ2015大会リポート】_55

【『UNI st』部門優勝 GO1選手インタビュー】
――おめでとうございます。貫禄の優勝でしたね。

GO1選手(以下、GO1) ありがとうございます。『UNI st』が稼働してから、どのキャラクターを使うか少し迷ったのですが、せっかくなので新キャラクターのフォノンを使うことにして、ひたすらやり込んでいました。この結果が出せてうれしいですね。

――フォノンというキャラクターは闘ってみてどうですか?

GO1 キャラパワーとしては中位くらいだと自分では思うんですが、いまのところ対戦する人が慣れていないからこその強さがあるように感じました。それは今日の試合にも表れていましたね。

――しかし、闘いぶりを見ると、大きな大会の場でありながら的確な判断が冴え渡ったように感じました。

GO1 今日はかなり冷静に闘えたんですよ。

――決勝戦のかい選手戦、準決勝のリオン選手戦。ともに本作屈指の押しの強いキャラクターであるセトを相手にした闘いでした。事前に何か方針を立てていましたか?

GO1 事前に考えていたことはありましたよ。セトは消失のコンフュージョンというワープ技があるのですが、この技に対しては対空技を仕込んでおくといったことや、崩しが困難なキャラクターなので、中段攻撃を積極的に攻めていこうとか、いろいろと考えていましたよ。また、待っていてもしょうがないので、序盤からガンガン攻めて自分のペースを握るつもりで闘いました。

――決勝戦でのかい選手との闘いについては、いかがでしたか?

GO1 セトというキャラクターについては対策はできていたのですが、かい選手がどんなプレイをされるかたなのか、あまり知らなかったので、正直言って最初は手の内を探りながらの闘いでしたよ。

――印象に残った試合はありますか?

GO1 2回戦、ノーツ選手(カーマイン)との対戦でした。じつは関西にカーマインのプレイヤーがいないんですよ。『UNI st』が稼働してからも1、2戦しか対戦経験がなくてノーツ選手と当たるのが嫌だったんです。窮地に陥ったのですが、最後は相手を崩すことができてなんとか逆転できました。自分の勝負強さを実感しました(笑)。セト戦と違ってこの闘いこそ鬼門でしたね。