『進撃の巨人』は“多対一”でいきたい

 ドイツ・ケルンにて、現地時間2015年8月5日から9日にかけて開催されたヨーロッパ最大のゲームイベント“gamescom2015”。同会場にて、コーエーテクモゲームス代表取締役社長 鯉沼久史氏を直撃! gamescom開催に合わせて電撃発表された『進撃の巨人』について話をうかがった。

電撃発表された『進撃の巨人(仮題)』! gamescom会場にて鯉沼久史氏を直撃!!【gamescom 2015】_02
電撃発表された『進撃の巨人(仮題)』! gamescom会場にて鯉沼久史氏を直撃!!【gamescom 2015】_01

■プロフィール
鯉沼久史氏(文中は鯉沼)
コーエーテクモゲームス代表取締役社長。『戦国無双』を始め、多数の『無双』シリーズやコラボレーションタイトルを手がける。2015年4月より、同社の代表取締役社長に就任している。

――『進撃の巨人』ゲーム化のきっかけはどういったものだったのでしょうか?

鯉沼 講談社さんと「当社のゲーム『三國志』が30周年を迎えるにあたって、いっしょに三国志を盛り上げる企画をやりませんか?」というお話をさせていただいていて。その際に、『進撃の巨人』のライツご担当者をご紹介いただいたんです。その後、『進撃の巨人』を家庭用ゲーム機で作ってみたいと考え、お話ししたところ、「ぜひやってください」とご快諾をいただけた、というのがゲーム化の経緯ですね。

――なるほど。開発プロデューサーはどなたが担当されるのですか?

鯉沼 私がプロデューサーを務めます。

――え? 鯉沼さんみずから?

鯉沼 はい。プロジェクト開始時と立場が変わってしまっているので、取り組み方が難しいですが、製作総指揮は私のほうで行っています。

――それは楽しみです。ゲーム内容についてお話をうかがいたいのですが……。

鯉沼 『無双』シリーズは“一対多”でしたが、『進撃の巨人』は“多対一”。『無双』よりもタクティカルな要素を強く出したい、と開発チームに提案しました。原作者である諫山創先生がゲームがお好きで、歯ごたえのあるゲームにしてほしいというリクエストはいただいています。ふだんゲームを遊ばない方でも楽しめるものにしつつ、敵を倒す歯ごたえを高くして、先生の希望に応えようと。ゲーム性の確認は、諫山創先生にしっかりさせていただいています。

――確認のためにうかがいますが、いわゆる『無双』タイプではない、と?

鯉沼 はい。まったく新しいアクションゲームとなります。

――では『討鬼伝』のような?

鯉沼 『討鬼伝』は4人でのマルチプレイが特徴でした。一方、『進撃の巨人』はNPCの仲間の犠牲と助けがあって進められる……と、これ以上はまだお答えできません(笑)。

――主人公はエレンになるのでしょうか?

鯉沼 主人公やゲーム内容、ストーリー部分については続報にご期待ください。ただ、マンガやアニメを見ていない方でも、本作をプレイすることで『進撃の巨人』の物語がわかるようになっています。

――gamescom開催に合わせてティザー映像が全世界同時公開となりましたが……。

鯉沼 マンガ『進撃の巨人』最新刊の発売や実写映画公開のタイミングがgamescom開催と合ったこともあり、海外から国内に(話題、情報を)持っていくのもおもしろいかな、と。また、原作の設定を考えたときに、ドイツ開催のgamescomはピッタリだと考えて。じつは、発表から1日でティザー映像の再生数が20万を超えて、欧州の期待度はすごく高いと感じています。おかげさまで海外の大手メディアも大きく取り上げてくれているようですし。

――なるほど。ちなみに、鯉沼さんがgamescomに来られるのはひさしぶりなのでしょうか?

鯉沼 じつは初めてなんです。『進撃の巨人』が発表されるということもありましたが、社長に就任したということもあり、欧州最大の見本市を一度見ておこうと思いまして。

――そうだったんですね。実際にgamescom会場をまわられて、感想はいかがですか?

鯉沼 北米もそうですけど、欧州も家庭用ゲームのパワーを感じますね。PCも強いですし。いずれにせよ、座ってじっくり遊ぶゲームの人気度の高さを改めて感じました。

――最後に『進撃の巨人』を楽しみにしている方々へメッセージをお願いします。

鯉沼 新しいアクションゲームということで、開発チームも悩みながらずっと取り組んできたタイトルです。今冬発売予定と発表していますので、なるべく早くお届けしたいと思っていますが、いいものにすべく、作っては壊し、作っては壊しとやっています。コーエーテクモゲームスの新しいアクションゲームにご期待ください。

電撃発表された『進撃の巨人(仮題)』! gamescom会場にて鯉沼久史氏を直撃!!【gamescom 2015】_03
▲gamescom 2015では、Deep Silverブースにてポスターなどが展示。『進撃の巨人』はドイツでも人気が高く、会場ではコスプレイヤーの姿も多数見かけた。

 『進撃の巨人』ティザー映像には、迫力満点のビジュアルで描かれた“巨人”に立ち向かうエレンを始めとした大勢の兵士たちの姿を確認できる。対応機種は、プレイステーション4、プレイステーション3、プレイステーション Vita。発売時期は今冬(欧州は2016年)を予定している。週刊ファミ通9月3日号(8月20日発売)では、『進撃の巨人』の情報を大ボリュームで掲載する予定なので、気になる方は週刊ファミ通の情報をお見逃しなく。