ユーザーからのフィードバックを受けて、新キャラクターを決定

 2015年8月5日~9日(現地時間)ドイツ・ケルンにて、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2015が開催。E3 2015で発表され、ここgamescom 2015でも最新情報がもたらされた、エレクトロニック・アーツの『Plants vs. Zombies: Garden Warfare 2(プラントvs.ゾンビ ガーデンウォーフェア 2)』。こうしてビッグイベントで取り上げられるあたり、すっかり人気IPとして定着した感のある同シリーズ。そういえば、Chinajoyのエレクトロニック・アーツブースでも大々的にフィーチャーされていたなあ……と思いつつ、同作の開発を手掛けるポップキャップ・ゲームズのリード・ゲームプレイ・デザイナーのクリス・フォックス氏に話を聞いた。まずは、gamescom 2015に合わせて公開された、最新映像をとくとご覧あれ。

『プラントvs.ゾンビ ガーデンウォーフェア 2』の開発者に聞く 「クレイジーなキャラクターがやっぱり楽しい」【gamescom 2015】_01

――先日行われたカンファレンスでは、新たに3体の新キャラクターが発表されましたが、その詳細をお教えください。
クリス もちろん! ローズは、古の魔術師みたいな感じで、ゾンビを抑えながらプラントたちを助けてくれます。カーネル・コーンは、すごくパワフルで動きも早いので、相手に大ダメージを与えることができます。ちなみに、“カーネル”には、トウモロコシの粒という意味と、将軍という意味が掛けあわせてあります。最後がシトロン。こちらは柑橘類のことなのですが、バウンティーハンター(賞金稼ぎ)みたいな位置付けで、小さいボールになって、敵を攻撃します。

――これらのキャラクターを入れようと思った理由は?
クリス 本作では、キャラクターがとても大事なんですね。とても強力なフィーチャーになっているので、新しいキャラクターを考えるときにつねに新しいアイデアを考えているんですね。基本は、どのスタイルが性格にあっているかでアイデアを詰めていきます。たとえば、ローズだったら名前からしてエレガントなので、魔法使いにしました。そういう形で調整していって、いちばんしっくりきたのが、この3つなんです。

――性格と戦闘スタイルを合わせるということですね?
クリス まずはゲームプレイのスタイルを考えますね。まずは、今回は“ガンを持って攻撃するアサルト”的なタイプのキャラクターがほしいと思ったんですね。で、それにもっとも合うキャラクターは何か……ということで考えたときに、トウモロコシは硬くて背が高くて強い、ということで、アサルト=トウモロコシということでマッチングしたんです。

――ああ、なるほど。『2』では新キャラクターは何体くらい?
クリス 新キャラクターは14体で6つの新しいクラスが登場します。現時点で発表しているのは、さきほどご説明したプラント側の3体のほかに、ゾンビ側が3体です。海賊の“キャプテン・デットビアード”、小さいけどすばしこくで、ロボットに搭乗している“Imp&Z-メック”。そして、“スーパーブレイン”。近接戦に向いているキャラクターですね。

――いずれも個性的なキャラクターばかりですが、実際のところプラント側とゾンビ側で、どちらが人気があるのですか?
クリス ああ。地域によって違うかな。アメリカではプラントが人気だし、ヨーロッパではゾンビのほうが人気が高いですね。でも、総じてイーブンかな。

――アメリカでプラントのほうが人気が高いというのは意外ですね。ゾンビ大国なのに(笑)。トウモロコシは好きかもしれないけど……。ちなみに、今回ボツになったアイデアなんてあります?
クリス もしかして、いつか登場するかもしれないので、お話ししづらいなあ。“ボツになった”なんて言ったら、その植物にも失礼になってしまうかも(笑)。これからどんどん新しいものが出てきますので、ご期待ください。

『プラントvs.ゾンビ ガーデンウォーフェア 2』の開発者に聞く 「クレイジーなキャラクターがやっぱり楽しい」【gamescom 2015】_05

――(笑)。ところで、エレクトロニック・アーツさんは、近年“プレイヤーファースト”を掲げていらっしゃいますが、前作を経て、今作ではどの点にフィードバックが活かされているのですか?
クリス 「つぎはどうしたらいいですか?」ということで、前作のときにコミュニティーに意見を募ったんですね。私はゲームバランスを担当しているので、コミュニティーから「このキャラクターは強すぎる」「このキャラクターはちょっと弱い」という意見を受けて、適宜調整しました。さきほどご紹介した新キャラクターの“カーネル・コーン”も、いわばユーザーのフィードバックを受けてできあがったキャラクターです。前作では、ガンを持って走るアサルトタイプのキャラクターがいなかったので、「そういうのを入れたらいいのでは?」という意見が出ていたんですね。そこから考えたんです。本シリーズにおいては、ファンの皆さんといい関係を築いていて、すごく楽しくもあります。

――『プラントvs.ゾンビ』は、当初オリジナルがタワーディフェス型のゲームとしてリリースされて、それをサードパーソンシューターにしたのが『プラントvs.ゾンビ ガーデンウォーフェア』でした。当初は大胆なチェンジをするなあという印象でしたが、いまや世界的な人気IPになっています。そこまで人気を獲得している理由って端的に何だと思います?
クリス やっぱりキャラクターだと思います。キャラクターのデザインやパーソナリティーなど。とても愛すべきキャラクターなので、それに惹かれるファンの方が多かったのではないかと思います。とはいえ、最初にタワーディフェス型をサードパーソンシューターにすると言ったときは、「それはクレイジーだ!」と言われたものです(笑)。実際のところ、私たち自身もそう思っていたのですが、ひとりひとりのキャラクターを見ていくと、タワーディフェス型からサードパーソンシューターに移行しても、それがうまく翻訳されると思ったんです。キャラクターを活かしつつ、ゲーム性に落としこむことで、支持されたのではないかと。

――これだけキャラクター人気が高いと、映画やコミックなど、いろいろな展開もありそうですね。
クリス トイなどにはなっています。あと、『1』と『2』のあいだのストーリーをつなぐコミックは出ています。ただ、映画にはなっていないなあ。実現できたらうれしいですね。

――最後にファンの皆さんにひと言お願いします。
クリス クレイジーなキャラを作るのはすごく楽しいので、皆さんにもゲームを通して楽しんでいただきたいです。そして、ぜひご意見を聞かせてください。

『プラントvs.ゾンビ ガーデンウォーフェア 2』の開発者に聞く 「クレイジーなキャラクターがやっぱり楽しい」【gamescom 2015】_02
『プラントvs.ゾンビ ガーデンウォーフェア 2』の開発者に聞く 「クレイジーなキャラクターがやっぱり楽しい」【gamescom 2015】_03
『プラントvs.ゾンビ ガーデンウォーフェア 2』の開発者に聞く 「クレイジーなキャラクターがやっぱり楽しい」【gamescom 2015】_04