シリーズ最新作が、いよいよ日本上陸!

『エターナルシティ3』サービス開始に向け開発陣を直撃 “ゾンビ愛”があればこそ生まれたゲーム_01

 ゾンビと人類の戦いを描くオンラインゲーム『エターナルシティ3』。日本での正式サービスは2015年9月の予定だが、それに先がけ、7月某日に都内で開発陣がインタビュー取材に応じ、作品の詳細や魅力などを語ってくれた。その内容をお届けしよう。

ETERNALCITY3 Promotion

 『エターナルシティ3』(以下、『EC3』)は、人気MMORPG『エターナルシティ』(以下、『EC』)シリーズの最新作。開発は韓国のMONSTERNETで、日本でのサービス運営会社はアラリオとなる。すでに韓国では、サービスはスタート済みだ。今回、インタビューに応じてくれたのは、MONSTERNETの企画理事/取締役のKwon Jongjin(グォン・ジョンジン)氏と、ゲーム事業室 室長のHan Hee Chang(ハン・ヒチャン)氏のおふたり。『EC3』では、グォン氏がプロデューサー、ハン氏がディレクターを担当している。

『エターナルシティ3』サービス開始に向け開発陣を直撃 “ゾンビ愛”があればこそ生まれたゲーム_02
『エターナルシティ3』サービス開始に向け開発陣を直撃 “ゾンビ愛”があればこそ生まれたゲーム_03
▲プロデューサーのグォン氏(左)と、ディレクターのハン氏。どちらも大のゾンビ好き。

ゾンビゲームを作るために会社を設立!?

――まずはMONSTERNETさんの概要についてお聞かせください。

グォン・ジョンジン氏(以下、グオン) MONSTERNETは、2001年に設立しました。社長と取締役の、兄弟で立ち上げたのですが、もともとゾンビというコンテンツが大好きで、好きなモノで好きなゲームを作ってみようかというところで始まりました。そして『EC1』、『EC2』をリリースし、今回、『EC3』を日本でサービス開始することになります。

――そもそもゾンビのゲームを作りたかったから、会社を設立したということですね。なぜそれほど、ゾンビがお好きなのでしょうか?

グォン まずゾンビという存在が、現実でも実際にありえるような話だという認識を持っていまして、たとえば自分の家の前にゾンビが現れたらどんな気持ちなんだろうとか、その緊迫感とか緊張感に興味を持ち、ゲーム製作に至っています。ちなみに、近年に入って、韓国でもゾンビ映画は人気がありまして、ゾンビというコンテンツも浸透してきていますよ。

――なるほど。では、『EC1』、『EC2』の反響を教えてください。

グォン 韓国では、ゾンビをテーマとしたゲームがあまりないので、興味があるユーザーにとっては、「ゲーム性が独特で好きだ」と、好評をいただいています。現代を背景として、銃器や手榴弾を使ったりとか、ファンタジーな世界ではないリアルなシューティングものとして、かなりユーザーからご好評をいただきました。

見どころはシリーズを通した物語の連結性

――その人気作が、『EC3』ではどのように進化するのですか?

グォン 『EC1』、『EC2』、『EC3』と、表から見るとつながりがないように見えているのですが、シナリオ的には裏で全部つながっています。全体的なエンディングが『EC3』になるのか、もしかしたらつぎになるのかはわかりませんが、シナリオの連結性を感じて、物語を楽しんでもらえればと思います。

――MMORPGでありながら、シナリオもけっこう重視している感じなのですか?

グォン シナリオが、最大のアピールポイントとなります。

――見どころはどのへんですか?

グォン ストーリーは、現代を背景としたものになっていますので、本当に明日でも起こり得るような、リアルで説得力のある物語になっています。そのテーマとして、変異ウィルスがなぜこんなに広まってゾンビが生まれてきたのか……、その原因を究明するためのストーリーということがポイントとなりますね。

――ストーリーを貫く、全体的なテーマなどはありますか?

グォン アポカリプスに立ち向かう、人間の生き残るための本能、といったことが挙げられます。

――『EC2』は2010年に配信ですよね。この『EC3』は2015年で、ユーザーは5年間、つぎのストーリーがどうなるか、待っていたのですか?

グォン 『EC2』や『EC3』はそれぞれでシナリオは完結しています。ただし、『EC3』を進めていくなかで、こういうところがあったから『EC2』はじつはこうだったんだと、裏でのつながりに気づいていくわけです。『EC1』、『EC2』、『EC3』と、別々でストーリーは楽しめるのですが、何かしら裏でつながりがある設定にはなっているんです。

――もともとそういった構成を考えて、制作に当たったのですか?

グォン そうですね。当初から、三部作で考えていました。

――『EC3』のシナリオはどなたが?

グォン メインとなるストーリーは、私みずから考えています。ただゲームが壮大ですので、サブ的なシナリオは、べつのライターさんがいたりもします。『EC1』から『EC2』までは10年開いているので、継ぎ足されたストーリーがあったりとか、背景の設定がちょっと変わったりとか、そういうこともあったのですが、そこをうまくつながりのある物語に作り上げるのが、苦労するところです。ただしメインとなるストーリーは自分で手がけているので、そこだけはブレないようにと心掛けています。

――当初に抱いていた三部作のストーリーは、時代を経て変わってきた部分などもあるのでしょうか?

グォン 大きな枠のなかではブレてはいないのですが、細かい設定というのは、ちょっと変わってきたりしています。

――『EC3』のシナリオ作りは、けっこうサクサクと進みました? それとも産みの苦しみとかがあったりしたのですか?

グォン すごく悩みました。とくに、どういうところで説得力あるつながりを作るのかという点。これは今後のアップデートでも、悩むところだと思います。たとえば『EC1』で、“時間旅行”というものがあるんですけど、それが『EC3』でも出てきて、ユーザーは「コレがあったから、『1』ではこうなったのか!」となります。そういった部分でのつながりですね。

――さきほど、アップデートとおっしゃいましたが、いくつかのアップデートののちに物語が完結するというイメージでしょうか? だとしたら、どれくらいのスパンになりそうですか?

グォン アップデートは、おもにサブシナリオに関しての話です。メインシナリオは、いつごろに終わるというのは、これからの事業的な判断だったりだとかも絡んでくるので、いまの時点でお答えするのは難しいです。

――メインシナリオは、『EC3』の配信時で、完結ではないのですか?

グォン その時点ではまだ、完結ではないです。エンディングが2年後になるのか、3年後なのか、いまの段階ではお答えできません。

――では『EC3』配信時の物語では、三部作全体で思い描いていたストーリーの、何%くらいになる見込みでしょうか?

グォン 全体で見ると、『EC3』公開の時点で、8割くらいは来ています。

――残り20%が、アップデートで補完されるか、もしくは『EC4』で語られるということですね。

『エターナルシティ3』サービス開始に向け開発陣を直撃 “ゾンビ愛”があればこそ生まれたゲーム_09

新エンジンでシステムもパワーアップ!

――システム面でのこだわりという部分も、お伺いできればと思います。

ハン・ヒチャン氏(以下、ハン) 大きくふたつあります。まずひとつは、大規模な戦闘で、ゾンビがワラワラ何100体も出てくるところ。もうひとつは、クオータービュー形式で、まわりの地形などを利用して戦略的に戦うというところ。これをアピールしたいですね。これは、新しいゲームエンジンを採用したからこそ可能になったことで、新エンジンでは、何100体というゾンビが同時に出てきても、プレイがスムーズにできることを可能にしています。

――ひとつの画面に、MAXで大体どのくらいのゾンビが出てくるのですか?

ハン いち画面で、最大300体くらいです。最初はチャットで、「なんじゃこりゃ!?」って驚きの反響があったりもしました。テスト目的でゾンビを出してみたら、最大で600体くらいまではいけたのですが……、ふつうにユーザーが遊ぶプレイ向けとしたら、300体レベルですね。

――ちなみに、新エンジンでは具体的にどんな点が進化したんですか?

グォン いちばんの点は、3Dになったということですね。『EC2』までは、フル3Dではなかったですから。あとは3Dになったことで、周りの地形を利用できるようになったことです。

――「3Dに」、というのは、ユーザーの要望も大きかったのですか?

グォン 『EC1』のころからのユーザーから、「こういうゲームが3Dで出てほしい!」という声がありまして。じつは『EC2』でも3Dでやってみたかったんですけど、ちょっと難しいところがあって、やっとこの『EC3』で、実現できたんです。

――もともとなぜ、自社エンジンでやっていこうと?

グォン ゾンビの特徴で、何10、何100と同時にワラワラわいてくるということにプラスして、銃弾が何10発と飛んでいきます。その処理を行うには、既存のエンジンでは少し無理がありました。また自分たちが作りたいゲームを自分たちのスタイルで作るために、自分たちのエンジンを持っていたほうが効率よく開発できるんじゃないかと思いました。

――作りたいゾンビゲームに最適化したエンジンがほしかったということですね。ちなみに、エンジン名“ブルドーザー”の由来は?

グォン マップ上にタイルの形を敷いて、その上にいろいろなオブジェクトを置いて、ひとつのマップを作るんですね。それを片付けて、また新しいタイルに草や建物だとかを置いていく。その片付ける過程が、ブルドーザーで物を押し出すようなニュアンスだったので、“ブルドーザー”と名付けました。

『エターナルシティ3』サービス開始に向け開発陣を直撃 “ゾンビ愛”があればこそ生まれたゲーム_08

シリーズ最新作は注目ポイントが満載!

――そのほか、『EC3』ならではの、注目してほしいゲーム性などがありましたら、ぜひ。

ハン やっぱり、シナリオを楽しめるところですね。クエストを通じてユーザーがシナリオに入り込んでいくところ。あとは先ほども出ましたが、アクション性です。エンジンの特徴でもある、地形を利用するという部分で、壁に登ったりとか、柵を飛び越えたりとか、高いところから下に向けて攻撃を行うとかですね。

グォン アクションに関しては、いちばんはやはり、地形を利用して壁を這い上がったり、クルマの上にジャンプしたりとか、そのあたりです。細かいところで言うと、スキルでゾンビを吹き飛ばしたりだとか、倒したゾンビを足で蹴ったりだとか、そんなところも見てほしいです。やっぱりゾンビ! とくに、走ったりジャンプしたりという、ゾンビのアクションにぜひ注目していただきたいです。

――ゾンビもいろいろ流派があって、人によっては「走るゾンビはイヤ!」という人もけっこういたりすると思いますが、そのへんに関しては?

グォン 最近の映画のトレンドでもあるんですけど、走っているゾンビが増えてきているので……、それを取り入れています。

――天候や時間帯とか、そうした演出も注目したいところですね。

グォン 昼と夜という概念がありまして、昼は明るく夜は暗くなりますが、それだけじゃなくて、温度という概念も入れています。暖かいときと涼しいときの特徴を、目で見て感じ取れるような視覚効果ですよね。それも少し表現したかったんです。あとは雨が降ったりとか雪が積もったりとか……。ただし、こちらは開発は進んでいたものの、プレイの快適さという点を考慮して、実装はしていません。今後はアップデートで、追加されるかもしれません。

――昼と夜で、ゾンビの素早さが変わってきたりもします?

グォン 『EC2』では、そういったシステムがあったのですが、けっこうユーザーから酷評だったんです。昼と夜のスパンがけっこう短くて、「夜はどこかで待っていて昼に攻撃すればいいじゃん」という戦法が生まれて、好きな時間に行動が取れないようなこともありまして。難易度やバランスをあまり変えてほしくないという意見もあったので、今回は昼と夜でのゾンビの強さは変えてないです。ただ『EC2』ではそんなシステムが存在したので、もしユーザーからそうした要望があったとしたら、適応することも可能です。

――モードも豊富ですが、これだけ作るのはたいへんだったのではないですか?

グォン 最近のオンラインゲームのユーザーは、プレイスタイルがさまざまです。すべてのユーザーに幅広く楽しんでいただくために、いろいろ用意をしました。今後も、ニーズに合わせた形で改善・追加していきたいと思っています。

――キャラのパワーアップに関しては、敵のゾンビたちを倒して得られるアイテムでグレードアップする形ですか? そのシステムに関して、『EC3』で変わった点はありますか?

グォン 前作までは、ちょっと複雑でわかりにくいという意見もありました。でも今回の『EC3』では、こうすればグレードアップできるんだという、直感的な仕様になっているのが特徴です。

――基本、武器は銃ですが、それ以外には何か?

グォン 基本はシューティングゲームですので、銃がメインとはなります。ただその種類は26種類と豊富で、ハンドガンだったりとか、ライフル、火炎放射器だったりとか、いろいろあります。

ハン もちろん、そうした武器だけじゃなく、“スキル”もあります。クレイモアでの地雷攻撃とか、空爆支援なども、スキルとして使えますよ。

『エターナルシティ3』サービス開始に向け開発陣を直撃 “ゾンビ愛”があればこそ生まれたゲーム_11
『エターナルシティ3』サービス開始に向け開発陣を直撃 “ゾンビ愛”があればこそ生まれたゲーム_07