フリー・トゥ・プレイタイトルも充実
2015年7月30日、中国・上海の上海新国際博覧中心にて、アジア屈指の規模を誇るゲームイベント、ChinaJoy 2015が開幕した。毎年夏のさなかに開催され、とにかく“アツい”という印象があるChinaJoy。今年はさらに熱波も押し寄せ……ということで、暑さもひときわといったところだが、そんな暑さに負けないのが会場の“アツさ”。そう、今年もソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)とマイクロソフトの2大ハード陣営がなかよく出展を果たしているのだ。ご存じの通り、昨年中国政府が14年ぶりに家庭用ゲーム機を解禁。その後待っていましたとばかりに、2014年9月にXbox Oneが、翌2015年3月にはプレイステーション4とプレイステーション Vitaが発売され、今回は、両陣営のハードが中国でリリースされて、初のChinaJoyとなる。熱気に溢れるのも無理からぬところと言えるだろう。
で、とにかく注目度が高かったのが、SCEブース。圧巻だったのが、開場直後に行われたオープニングセレモニー。壇上には、先日行われた“2015 PlayStation Press Conference in China”にも姿を見せていた、SCE ワールドワイド・スタジオ プレジデントの吉田修平氏に、SCEJA デビュティプレジデントの織田博之氏、SCE上海プレジデントの添田武人氏に加え、なんとSCE社長兼グローバルCEOのアンドリュー・ハウス氏が登壇。VIPの勢揃いに、SCEの中国市場に対する本気ぶりが改めてうかがえた。ハウス氏は、今年のプレイステーション4とプレイステーション Vitaのローンチ以降、20タイトルをリリースできたことに言及しつつ、「プレイステーションはこれまでも、新しいゲームタイトルの開発やクリエイターの育成に力を入れてきましたが、今後はここ中国においても、世界中の素晴らしいゲームを中国のユーザーの皆さまにご提供するだけでなく、現地のクリエイターの方々の作品をプレイステーションでお届けできるよう、これからも邁進してまいります」と意気込みを語った。
[2015年7月31日14時49分修正]吉田修平氏の役職の記載に誤りがあったため、該当の文章を修正いたしました。 読者並びに関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。
さて、気になるSCEブースだが、ユーザーからの注目度がもっとも高かったのは、やはり中国本土初上陸となるProject Morpheus。既報の通り、『サマーレッスン』、『The Deep』、『The Playroom VR』、『SEGA feat. HATSUNE MIKU Project: VR Tech DEMO』の4タイトルがプレイ可能で、ChinaJoy開幕直後から、長蛇の列ができていた。あまりの反響ぶりに、SCEでは整理券配布という対応にしたようだが、さすがの人気ぶりといったところだ。興味深かったのは、Project Morpheusの試遊を眺める来場者が絶えなかったこと。“中国本土初上陸”とはいうものの、やはり海外ニュースなどでProject Morpheusの情報は事前に入手していたらしく、知名度は抜群といったところだ。
入り口近くで出展され目立っていたのが、Perfect Worldの『Warframe』とBLUESIDE『キングダム アンダー ファイアーII』で、それぞれ8台ずつで展開。両者の共通するのはフリー・トゥー・プレイタイトルであるということ。中国市場を攻めるにはフリー・トゥ・プレイが有効とのSCEの戦略が見える。ちなみに、『キングダム アンダー ファイアーII』は、世界初のプレイアブル出展とのことだ。
そのほか、先日のカンファレンスを賑わせた『ストリートファイターV』 や『聖闘士星矢 ソルジャーズ・ソウル』、『風ノ旅ビト』などが人気を集めていた。大作からインディー、さらには最新テクノロジーを活かしたProject Morpheus向けタイトルと、幅広い57タイトルが揃ったSCEブースだった。