KickStarter史上に残る成功。肝心なのはここからだ

 E3開幕前日に行われたプレイステーションのカンファレンスで鈴木裕氏によって突如発表され、大きな話題を呼んだ『シェンムー3』のクラウドファンディング。KickStarterで出資額200万ドル(約2.5億円)を目標に行われたキャンペーンが、つい先ほど終了。最終的に世界各国のファン69320人から、目標額の3倍以上となる633万3295ドル(約7.85億円)を集めることに成功した。

 これは五十嵐孝司氏が新作ダンジョン探索型アクションゲーム『Bloodstained: Ritual of the Night』で打ち立てた554万ドルを上回り、KickStarterでビデオゲームについて行われたクラウドファンディングプロジェクトの過去最高額となる。なおゲーム部門全体を対象にした場合でも、878万ドルを集めたカードゲーム『Exploding Kittens』と859万ドルを集めたAndroidベースのゲーム機OUYAに次ぐ3位となる(KickStarter全体では歴代6位※)。

 もちろんクラウドファンディングがこの規模で成功したからと言って、これは始まりにしか過ぎない。まずは今回の結果を基準に、開発内容の検討が行われていくことだろう。例えばストレッチゴール(当初予定以上に出資額が集まった場合に設ける追加目標)では、白沙のコンテンツ追加と各国語対応、そしてフリーバトルについての項目をクリアーしている一方、鳥舞や白鹿村のコンテンツ追加決定には至っておらず、調整が必要だ。

 KickStarterでのクラウドファンディング終了後にPaypal経由や自サイトで直接行うクラウドファンディングで大きく伸びるケースもあるが(スペースフライトシム『Star Citizen』はこれまで合計8500万ドルを集めているが、KickStarterで集めたのは213万ドルに過ぎない)、何より大事なのは鈴木氏をはじめとする開発チームに着実に開発していってもらうこと。今後の進展に期待したい。

(※当初執筆時点での合計額を元に歴代7位としておりましたが、正しくはPono Musicを抜いて歴代6位となります。関係者各位にお詫びするとともに訂正致します。)