我、愛する者のため再び剣を取り、神々をも屠らん
ブラジルのJoyMasherの新作アクションゲーム『Odallus: The Dark Call』がSteamほかで発売された。全8面のダンジョン探索型アクション(Metroidvania)スタイルのゲームで、プラットフォームはPC。価格は1480円。
かつて戦士として名を轟かせた狩人ハギスは、息子とともに穏やかな暮らしを送っていた。しかしある日、古き神々(Old Gods)の眷属によって村が襲撃され、愛する息子がさらわれてしまう。過去に妻を亡くしているハギスは、今度こそ愛する者を守るため、人類を見捨てた神に対してふたたび剣を取ることになる。
さて本作、スタジオの作品として前作にあたる2Dアクション『Oniken』(『忍者龍剣伝』と「北斗の拳」が合体したような強烈な内容!)に引き続き、今回もレトロゲームへの愛を強烈に込めたスタイル。『悪魔城ドラキュラ』や『魔界村』といったシリーズ、そして『デモンズブレイゾン 魔界村 紋章編』などからの影響を公言しており、グラフィックはドット絵スタイル。オプションでブラウン管テレビの走査線風のエフェクトを追加することも可能だ。
一方で必ずしもNES(ファミコン)時代の表現に固執しているわけではなく、8ビット時代のパレットの制限などを考慮しつつも、両脇に所持アイテムやライフを表示して16対9の画面に対応していたり、多重スクロールを使っていたり、SEで短いボイスサンプルを多用していたりと、雰囲気とプレイ感を重視したいいとこ取りな印象(ちなみにその取捨選択の模様についてはメインクリエイターのDanilo Dias氏が公式ブログで公開しているので、マニアの人はチェックされたし)。
ゲームの内容としてはまさにダンジョン探索型アクションの王道で、基本は各マップのボスを探し出して倒して進んでいくのだが、マップの仕掛けを作動させたり、秘密の通り道を発見すると、ボスルートとは異なるエリアや面にも進めるという寸法。
先のマップで特定の装備(能力)やアイテムを手に入れてから一回戻ることで初めて行けるようになるエリアもあって、「そういえばこの能力であそこの障害進めるようになるかも」なんて考えながらマップを行ったり来たりするのが楽しい。
アクションゲームとしての難度はそこまで高くなく、各モンスターの対処法なども比較的すぐに把握できるし、復活ポイントやアイテムを買える商人などもこまめに設置されているので、「レトロなアクションゲームの雰囲気は好きなんだけど、難しくて……」という人でも挑戦しやすい作りだと思う(実際、記者はヌルゲーマーだが心折れずに楽しめている)。逆にハードコアなやり応えを求める人はちょっと物足りないかもしれないが、そういった人のために“ベテランモード”が後日アップデートで実装予定だ。
なお、言語は英語とブラジルポルトガル語に対応。日本語ローカライズはないが、まぁテキストがそんなに重要なゲームでもないし、そこまで難しい英語も出てこないので、カナ表示が一般的になる以前のレトロゲームを遊んだとでも思えば障害にならないはず。参考までに一面を通しでプレイした動画も用意してみた。ビジュアル・サウンド・ゲームデザインの統一性がかなり気持ちいいゲームなので、気になる人はぜひチェックしてみて欲しい。