音楽は伊藤賢治氏、キャラクターデザインはクロサワテツ氏が担当
日本一ソフトウェアは、プレイステーション Vita用ソフト『勇者死す。』を、2016年2月25日に発売することを発表。コンセプトやキャラクター、システムなどの最新情報を公開した。
『勇者死す。』とは、2007年~2012年にモバイル用アプリとして配信されたマルチシナリオ型RPG。“限られた時間で物語を進める”といった基本ルールのもと、さまざまな独創的なシステムでロングヒットを記録した。桝田省治氏による“濃いシナリオシステム”は、リリースより8年がたったいまでも強烈なオリジナリティを放っている。今回は、本作を形作るふたつのコンセプトと、そこから織りなされるストーリーからご紹介しよう。
(C)2007 Shoji Masuda/Pyramid, Inc.
■コンセプト(1)
「自分の葬式が見てみたい」
いま死んだら、誰が泣くか、葬式には何人集まるか、友人は何と言って自分を送るか、知りたい。
こわい気もするが、自分の葬式をこの目で見て確かめたい。
誰もが少なからず持つ興味である。
が、現実的には生前葬でもしない限りは、絶対に充足することはできない。
このゲームを通して、プレイヤーに疑似体験させたい。
――桝田省治『勇者死す。』企画書より
『勇者死す。』でプレイヤーの分身である勇者は、そのタイトル通り、5日が経過すると死んでしまう。これを避ける方法はない。本作は勇者の死後、執り行われる“自分”の葬式を体験するものだ。
■コンセプト(2)
「魔王を倒して、本当に平和が来るのか?」
いわゆるファンタジーの冒険談は、勇者が魔王を倒した後が、描かれることは稀有である。
本当に世界に平和は訪れたのか!? 全国百万人の勇者経験者は、知りたいはず。
そのひとつの答えをRPGファンに提示したい。
――桝田省治『勇者死す。』企画書より
魔王の部下である魔物たちはどこへいったのか? 魔王討伐のために手を取り合った人間とそれ以外の種族はその後、共存できるのか? 魔王の軍勢によって滅ぼされてしまった町は誰が復興するのか? 誰がお金を払うのか? 『勇者死す。』は、RPGをクリアーしたときにふと浮かぶ疑問に向き合い、ひとつの答えを提示する。
■ストーリー
物語は、主人公である勇者が魔王を倒すところから幕を開ける。
勇者と魔王の戦いは、勇者が魔王と刺し違えることで決着。一度は命を落としてしまった勇者だが、神様の計らいで5日間だけ命をもらい、復活をとげ、自分が救った世界を見て周ることに。
しかし、魔王を倒したことで平穏が訪れると思われていた世界は、善と悪では割り切れないさまざまな問題に直面し、いまだ混乱の渦中にあった。
さらに、魔王を倒したときを頂点に、勇者の力は余命が減っていくにつれてどんどん弱くなっていき、最終的には仲間の手助けなしには雑魚モンスターにも苦戦するように。
そんな勇者が、限られた5日間という時間の中で何を見て、何を成すのか。世界はどのように勇者を迎え入れるのか。約束の5日間が過ぎ、避けられぬ“死”が訪れたとき、どのような葬式が行われ、人々は勇者にどのような言葉を捧げるのだろうか……。
キャラクター
◆勇者(声:代永翼さん)
「いざとなったら刺し違えてでも魔王ギールは、必ず俺が倒す。だから俺を行かせてくれッ!」
みずからの命と引き換えに魔王ギールを倒した勇者。その後、神様の計らいで5日間の命を与えられ、自分が救った世界の各地を巡る。魔王を倒すより前の記憶に欠落があり、“とある女性を愛していた”という強い思いはあるが、その人が誰なのかを思い出すことができない。
◆天使ユリア(声:今井麻美さん)
「では、悔いなき五日間を」
一度命を落とした勇者をふたたび現世へと甦らせた、神様の使いである天使。記憶をなくし、よみがえった勇者のサポートを行い、5日後に死す勇者を迎えに来る。勇者に世界を見てまわったり、忘れてしまった最愛の人を探すことを薦める。
◆フローラ(声:村川梨衣さん)
「せめて、あなたが救ったこの国の各地を巡り、ご自身の偉業をその目で確かめてくださいませ。」
やや世間知らずなところもあるが、心優しいこの国の王女。勇者に恋焦がれており、勇者がよみがえった後もアイテムの支援をしてくれるのだが、交換条件として、勇者に結婚を持ちかける。
◆魔王ギール(声:最上嗣生さん)
「ならば、勇者よ、ともに地獄に堕ちようぞ!!」
破壊の限りを尽くし、勇者の命と引き換えに倒された魔王。死してなおも、その影響力はすさまじく、破壊された町や人々の心に大きな爪痕を残している。なかには魔王の復活を望む者さえも……。