会場のそこかしこに注目作が出展

『LA-MULANA2』、『ボコスカウォーズ2(仮題)』の開発者が近すぎちゃってどうしよう! 注目度の高いインディータイトル出展ブースをリポート【BitSummit 2015】_01

 2015年7月11日、12日の2日間、京都・みやこめっせにて開催された、インディーゲームの祭典“BitSummit 2015”。ブース出展しているインディーゲーム開発者とフレンドリーにコミュニケーションを図れることも大きな魅力のひとつ……ということで、今回は、国内注目タイトルのクリエイターにスポットを当てたブースレポートをお届けする。

■『LA-MULANA2』(NIGORO)
 2015年12月のリリースを目指して開発を進めている、NIGOROの『LA-MULANA2』。今月末には、Kickstarter用アルファ版の公開を予定しているが、今回は、従来の無料体験版からマップ構成をガラリと変え、中ボスも登場する“特別バージョン”をプレイアブル出展していた。

 開催期間中、ブースには来場客がひっきりなしに訪れ、また閉会式のアワード発表では、もっとも注目すべき出展タイトルに与えられる“Vermillion Gate Award”を受賞。改めて、国内インディーゲームシーンにおける存在感や影響力の強さを証明する形となった。

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▲『LA-MULANA2』のディレクション、グラフィックを手がけるNIGOROのボス・楢村氏。「せっかくイベントに来た人には、最新の状態で遊んでもらいたい」と、特別バージョンを制作したとのこと。イベント用バージョン出展でのアワード受賞は、本人にとってまったくの想定外だったようで、ステージ上では「辞退してもいいですか?」と、思わずアワード記念品を返却しようとするひと幕も。
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▲在籍10年以上のベテランプログラマーでありながら、31歳という若さのSawatron氏。『PixelJunk』シリーズをはじめとする数々のプロジェクトに携わり、“キュー・ゲームスらしさ“を作り上げてきた中心的存在だ。

■『Nom Nom Galaxy』(キュー・ゲームス)
 BitSummitの発起人であるジェームズ・ミルキー氏がかつて在籍していた、京都所在のデベロッパー、キュー・ゲームス。今回は、7月1日にプレイステーション4版の配信が始まったばかりの『Nom Nom Galaxy』を出展していた。

 キュー・ゲームスのプログラマー/プランナー、Sawatron氏によれば、プレイステーション4版の開発を手がけたのは、イギリスのゲーム開発会社DOUBLE ELEVEN。当初は移植を担当する予定だったが、昨年に公開されたSteamのアーリーアクセス版(PC版)を見て待ちきれなくなり、異例の同時開発を名乗り出たという。“宇宙一おいしいスープ作り“というテーマは共通しているが、プレイステーション4版は、主人公の超人ぶりが強調された、ゲーム世界の独自解釈がなされているとのこと。
 気になるSteam正式版(PC版)のリリース時期に関しては明言を避けたが、「ユーザーの皆さんからの要望や、プレイステーション4版のいいところを取り入れつつ、“これぞ完成版と“自信を持てる形で出したいですね」(Sawatron氏)と語った。

■『ボコスカウォーズ2(仮題)』(ピグミースタジオ)
 会場の出入り口すぐそばにあったピグミースタジオのブースは、名作シミュレーションゲームの約30年ぶりの続編となる『ボコスカウォーズ2(仮題)』一色。赤を基調としたド派手な装飾の中、宿敵オゴレスの居場所までたどり着ける開発バージョンをプレイできた。ふたり協力プレイや、2タイプのグラフィック(手書き風の“オリジナル版”と、前作『ボコスカウォーズ』をイメージした“X1版”)を1ボタンで瞬時に切り替えられる機能を体験できるなど、開発の順調ぶりがうかがえた。ブースには、『ボコスカウォーズ』の作者であり、本作の監督を務めるラショウ氏が常駐。ソフトな語り口で、プレイヤーに遊びかたをレクチャーしていた。

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▲ライフワークのひとつである、仮面舞踏用の衣装に身を包んだラショウ氏。ブースでの穏やかな印象と、12日に行った講演でのエキセントリックな発言との対比が、なんとも印象的だった。

■『D4: Dark Dreams Don't Die』(アクセスゲームズ)
 大阪のゲーム開発会社、アクセスゲームズは、2015年6月にリリースされたPC版『D4: Dark Dreams Don't Die』(パブリッシャーはPLAYISM)の体験版をプレイアブル出展。ブースでは、本作のゲームデザイン、ディレクションを務めたSWERY氏のパートナーのおサル“シャラポワ”と、本作に登場するマネキン“スーキー”が、圧倒的存在感で出迎えてくれた。

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『LA-MULANA2』、『ボコスカウォーズ2(仮題)』の開発者が近すぎちゃってどうしよう! 注目度の高いインディータイトル出展ブースをリポート【BitSummit 2015】_08
▲12日にステージで行われた講演で、独自コンテンツをみずから展開していくことの大切さを熱く語ったSWERY氏。