まさかの続編発表に、おっさんゲーマー騒然!?

 先日、多くのゲームファンにとって“寝耳に水”の形で発表された、『ボコスカウォーズ2(仮)』。オリジナルにあたるX1版の2年後にリリースされたファミコン版『ボコスカウォーズ』から30年……区切りと言えなくもないタイミングではありますが、それにしたって、30年ぶりの続編は、スケール感があり過ぎです。しかも、前作をひとりで開発した伝説のクリエイター・ラショウ氏が全面的に監督するとのことで「これはひょっとして、異次元世界の出来事ではないのか」とさえ思います(大げさ?)。

『ボコスカウォーズ2(仮)』ミニ続報 「これから30年のゲームの指針となる作品に」(ラショウ氏)_02

ファミコン版『ボコスカウォーズ』30周年の意味とは?

 ファミコン版で初めて触れた人にとって、『ボコスカウォーズ』は難解な――より当時の体験に忠実な表現をすれば、“王ひとりぼっちの状態からはじまり、苦労して仲間を集めたと思ったら、よくわからないうちに全滅してしまう、不条理極まりない作品”として記憶されているかもしれません。本来は、多くの仲間を従えた状態からゲームが始まり、個々の兵士が勝ったり負けたりしながらも、“軍勢”の体を保ったまま進軍できることが醍醐味のゲーム。当時のさまざまな事情によって、そこを再現しきれなかったファミコン版が、もっとも多くのプレイヤーに遊ばれ、結果、『ボコスカウォーズ』を振り返る際の共通認識となってしまったことは、ラショウ氏にとっても不本意だったと思われます。

  「実行したコマンドが、毎回同じ結果になるはずがない。時に予想だにしない結果が出てこそのシミュレーションゲーム」――昨年リリースされたゲームクリエイター復帰第一弾『野犬のロデム』の開発者インタビューでの、ラショウ氏のコメントです。それは、ラショウ氏のクリエイターとしての基本姿勢であり、当然、『ボコスカウォーズ2(仮)』にも、反映されるでしょう。これまで本人が避けてきた、過去作のナンバリング続編をあえてリリースする背景には、ファミコン版『ボコスカウォーズ』の雪辱の思いもどこかにあるのかも……と考えるのは、うがち過ぎでしょうか。

『ボコスカウォーズ2(仮)』ミニ続報 「これから30年のゲームの指針となる作品に」(ラショウ氏)_01

どこまでがホント!? 『ボコスカウォーズ2(仮)』小ネタ集

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▲ラショウ氏(左)とピグミースタジオの“工場長”こと小清水史氏(左)。

 本題に話を戻します。現時点では、公式に発表されている情報が少なく、ラショウ氏のアートワークによる、強烈なビジュアル世界のイメージが先行している『ボコスカウォーズ2(仮)』。今年7月11~12日に、みやこめっせKYOTO(京都府京都市)で開催されるインディーゲームの祭典“Bitsummit 2015”に出展されるプレイアブル版で、その全容が明らかにされる予定ですが、待ちきれないファンのために、試作開発バージョンをプレイし、ラショウ氏ならびに開発を手がけるピグミースタジオの“工場長”小清水氏のお話を伺った私が、週刊ファミ通本誌の第一報紹介記事で書けなかった小ネタをいくつか紹介します!(※あくまでも2015年春時点での情報のため、正式版とは異なる場合がある点は御了承ください)

◆小ネタその1:“あの曲”は、バッチリ流れる!

 ファミコン版『ボコスカウォーズ』の説明書に、『すすめボコスカ』の曲名で歌詞が掲載されている、ファンおなじみのあのBGMが、試作開発バージョンのプレイ中、鳴り響いていました。音源はMIDI打ち込み風でしたが、正式版ではオーケストラ調のアレンジバージョンになる予定とのこと。

◆小ネタその2:プレイステーション4のハード性能の限界に挑む内容に!

 グラフィック面ではなく、ゲーム世界の内部計算処理面で、かなりハードを酷使する作りになるとのこと。前述の『野犬のロデム』では、オブジェクトひとつひとつの存在や状態がゲームフィールド内の事象に及ぼす影響をリアルタイム処理していたのですが、その結果、プレイステーション Vita本体(※PSM準拠)が悲鳴を上げた……という経緯がありました。したがって、ゲームとしての基本コンセプトが同じで、より規模が大きい世界を舞台にする『ボコスカウォーズ2(仮)』の対応ハードに、マシンパワーがある現行機プレイステーション4が選択されたのは、当然の流れと言えます。正式バージョンで、プレイステーション4が“まさかの処理落ち”をするかは、現時点では不明ですが、濃密なゲーム世界になることは、間違いないでしょう。

◆小ネタその3:対戦プレイモードが実装される!?

 プレイヤーがスレン王国の軍勢を操作し、CPUが制御するバサム帝国軍と戦う……という図式が、暗黙の了解としてあった『ボコスカウォーズ』。しかし試作開発バージョンでは、分轄画面での2P対戦が可能でした。小清水氏は、「戦闘バランスを確認するために仮に組み込んだモードです」と説明してくれたのですが、システム的に不可能でないことは明らか。正式版への搭載を完全には否定していなかったことから、ひょっとしたら、ひょっとするかもしれません。

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待ちきれない人はBitSummit 2015へ!

 ラショウ氏自身、「これから30年のゲームの指針となる作品に」と意気込んで制作している『ボコスカウォーズ2(仮)』。今回はゴシップレベルの情報のみでしたが、続報にご期待下さい。一刻も早く“実像”に触れたい方は、7月11、12日に、京都に行くしかないでしょう!(笑)

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