祝・15周年! 豪華企画がつぎつぎと実現

 バンダイナムコエンターテインメントは、『太鼓の達人』シリーズの15周年を記念した“太鼓の達人 ドドンと15周年!発表会”を、本日2015年6月25日に開催。さまざまなアニバーサリー企画が発表された。

『太鼓の達人』15周年発表会でスタジオジブリ・鈴木敏夫氏が“ジブリはゲーム嫌い”の真意を語る!?_18

 『太鼓の達人』は、2001年にアーケード版の稼動が始まって以来、2016年2月に15歳の誕生日を迎える人気音楽ゲームシリーズ。来年2月までの“15周年イヤー”に予定されているさまざまな施策が、このたびの発表会で公開。記念ショートアニメを制作したスタジオジブリより、代表取締役プロデューサーの鈴木敏夫氏も駆け付けた。各企画の詳細については下記の関連記事を参照のこと。

[関連記事]『太鼓の達人』15周年を記念してスタジオジブリがショートアニメを制作! 3つの“お祭り”企画が発表【動画あり

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 まずはバンダイナムコエンターテインメント 常務取締役の浅沼誠氏が挨拶を述べた後、バンダイナムコエンターテインメント『太鼓の達人』総合プロデューサーの中館賢氏が登壇。アーケードから家庭用ゲーム、スマホアプリとプラットフォームを横断して展開されている『太鼓の達人』だが、中館氏が思い出深いタイトルはやはり2001年に稼動が始まった第1作目だそうで、「和太鼓のゲームはいままでなかったので、どう受け入れられるか、ドキドキしながら見守っていました」と語っていた。

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▲浅沼誠氏
▲中館賢氏

 15周年を迎えるにあたっては「楽しんだら誰もが太鼓の達人だ」をキャッチコピーに、既報のような“3つのお祭り”などが実施予定。ここでスタジオジブリによる記念ショートアニメの制作が発表され、アニメコンソーシアムジャパン 代表取締役社長/バンダイナムコホールディングス 執行役員の鵜之澤伸氏、そして鈴木敏夫氏が登壇した。

 ふたりは鈴木氏が徳間書店のアニメージュ編集部、鵜之澤氏氏がバンダイ在籍時以来、35年もの「腐れ縁」(鈴木氏談)だそうで、今回のコラボの前には、『太鼓の達人』に『となりのトトロ』の楽曲を収録する際にも鵜之澤氏が鈴木氏に掛け合って実現に至ったという。鈴木氏は今回のショートアニメ制作の経緯について「ジブリの中に、稼げる仕事をやりたいというやつがいまして……(笑)」と冗談交じりに語っていたが、鈴木氏と鵜之澤氏の長きにわたる親交なくしては、やはり実現しなかっただろう。

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▲鵜之澤伸氏
▲鈴木敏夫氏

 ちなみにここで鈴木氏が、「ジブリはゲームが嫌い」とのウワサに言及。「正確に言うと、(ゲームを)あまりよくわかっていないんですよ。そっちが大きいです。僕と宮崎駿も将棋なんかはやりますけど、デジタルゲームは何がおもしろいのかがさっぱりわからない。それが原因なんですよね」とその真意を明かしていたことからも、今回のコラボが貴重なものであることがうかがえる。なお、今回のショートアニメは、アーケード版や家庭用ゲーム、スマホアプリなど、ゲーム内に順次登場予定だ。

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 アニメにもある“太鼓の達人”の筆文字は、なんと鈴木氏の直筆。この文字にこめられた思いを訊かれた鈴木氏は「とくに思いはないです(笑)」とかわしながらも、「バンダイナムコエンターテインメントさんに用意していただいた音に合わせてアニメーションを作ったんですけど、太鼓の音には勢いがありますよね。なので“太鼓の達人”という字を書くときにも、ある種の強さ、激しさ、そういうものを表現したらどうかなと思って、書かせていただきました」と語っていた。

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▲トークセッションでは“鈴木節”が炸裂。ぶっちゃけ話から貴重なエピソードまで、惜しみなく披露していただいた。

 そしてなぜこういった作品になったのかを訊かれた鈴木氏は「作品を作るときに、短かろうが長かろうが、大事なものはインスピレーション」と断言。「屁理屈を並べてもいいものは作れない。そうすると、何かひとつがきっかけになる」といい、今回はねずみのキャラクターがきっかけになり、飛んだり跳ねたりというイメージにつながったそうだ。これに関連して鈴木氏は「『紅の豚』にポルコ・ロッソという人がいる。フィオが“飛行機を作るときに大事なのは知識と経験ですか?”と訊くと、ポルコが言うんですよ。“大事なのは知識でも経験でもない、インスピレーションだ”と。かっこいいんですよ」と、名作を引用してインスピレーションの大切さを語った……が、直後に「僕は宮崎駿に訊いたことがあるんですよ。“知識と経験とインスピレーション、どれが大事なんですかね”と。そしたら本人は“もちろんそれは経験だよ”と言っていましたけどね(笑)」と続け、報道陣の笑いを誘っていた。

 最後に鈴木氏は、『太鼓の達人』について「15周年やったら、20周年、30周年とがんばっていただきたい。(中館氏に)まだ若いから大丈夫ですよね(笑)」と激励。これを受けて鵜之澤氏も「ぜひ応援いただいて、20周年、30周年はもっと派手なもので(祝いたい)。劇場版のようなジブリ作品も見てみたいですね(笑)」と、壮大なプランも飛び出した(記者注:すごく見たいです)。

 また、15周年記念企画として、日本・アジア地域を対象とした世界大会“ドンだー!世界一決定戦2016”の開催も決定。これは『太鼓の達人』がアジア各国でも人気を博していることをきっかけに実現し、決勝は2016年夏ごろに開催予定。日本では中学生以上対象の本戦と、小学生部門の2部門が実施される。さらに、アジアでの人気の高まりを受けて『太鼓の達人』アジア展開も決定。7月9日発売のプレイステーション Vita用ソフト『太鼓の達人 Vバージョン』は家庭用版で初めて繁体字に対応し、アジア版が同時発売。またニンテンドー3DS用ソフト『太鼓の達人 どんとかつの時空大冒険』韓国版の発売も決定した(発売時期は未定)。今後はスマホアプリのアジア展開も準備中だという。「世界的な音楽ゲームを目指して展開していきたい。日本の楽曲を紹介する場にもなれば」(中館氏)

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 そして最後に発表されたのは、EXILEのMAKIDAIと関口メンディーが15周年タイアップアーティストに就任するというニュース。ふたりからのビデオメッセージも公開された。

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▲関口メンディー(右)は「『太鼓の達人』といえばどんちゃんのイメージが強く、語尾の“どん”が好き。どんちゃんといっしょに盛り上げていければ」と意気込みを語った。

 2001年デビューのEXILEと『太鼓の達人』は“同期”であることも判明。ふたりはテレビCMに出演することが決まっているほか、キャンペーンなどでもタイアップが行われるという。ファンならずとも続報に期待しよう!

 中館氏によると、『太鼓の達人』は15周年をいっしょに盛り上げるパートナー企業も募集中とか。今回発表された施策はいずれもビッグなものばかりだが、来年2月までのアニバーサリーイヤー期間は、さらにあっと驚く施策が実現するかも? 「このほか、いろいろなことを仕込んでいますので、ご期待してください」(中館氏)とのことなので、引き続き『太鼓の達人』に注目しよう!