トゥーンタッチにした本当の理由とは?
2015年6月16日~18日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスにて世界最大のゲーム見本市、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2015が開催。E3開催2日目の6月17日に、マイクロソフトより2015年末配信予定のXbox One/Windows 10タイトル『Gigantic』(“ジャイガンテック”と読むらしい)のプレゼンテーションが行われた。ここでは、VP プロダクトデベロップメント、ジェームス・フィネリー氏を始めとする、開発元Motigaの皆さんによるプレゼンの模様をお届けしよう。
3月に行われたGDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)2015で発表された『Gigantic』は、トゥーンタッチの絵柄が印象的なアクションゲーム。Xbox OneとWindows 10によるクロスプラットフォームを実現するトップランナー的な役割を期待されており、ゲームプレイにあたっては、5対5によるマルチプレイが楽しめる。
ところがこのマルチプレイ、通常の5対5というわけではない。各陣営には、それぞれガーディアンと呼ばれる守護者(この場合はクリーチャーか)がおり、相互の陣営は、敵陣営のガーディアンを倒すことが、勝利条件となるのだ。そして、ゲームプレイをさらにおもしろいものにしているのが、自分のゲームプレイがガーディアンの強化に直結している点。つまり、敵キャラクターを倒すことで、自分のガーディアンのパワーアップを図ることができるのだ。それだけ相手陣営に倒されにくいガーディアンになるというわけ。自軍のガーディアンを強化しつつ、いかに連携して敵陣営のガーディアンを叩くか……従来とはひと味違ったマルチプレイを実現していると言えるだろう。
キャラクターのバリエーションの豊富さも本作の魅力と言える。本作は8月よりベータテストを開始するらしいが(日本でベータテストを実施するかは未定)、その段階で16キャラクターが用意。フィネリー氏によると、「シュータータイプやアクションタイプ、RPGタイプなど、それぞれ異なるプレイフィーリングを持っていますよ」とのこと。“シュータータイプ”や“RPGタイプ”というのもあまり耳慣れない表現だが、ゲーマーの嗜好にあわせて、操作感を調整しているということだろう。“RPGタイプ”といっても、そのままずばりRPGのようにキャラクターを育成していくというわけではないと思われるが、キャラクターに成長要素があることで、アクションが少し苦手な人でも、重ねてプレイすることで少しはプレイしやすくなったり……ということはあるようだ。「僕はシューターが好きだから、操作になれたシュータータイプのこのキャラを使う」といった楽しみかたができるようだ。いずれにせよ、選択するキャラクターにより異なる操作感が楽しめるのが、本作の魅力のひとつであると言えるだろう。ちなみに、「操作はマウスとキーボード(Windows 10)のほうが有利かもしれませんね」(フィネリー氏)とのことだ。
プレゼンで極めて印象的だったのが、デモを担当したスタッフがいいプレイを連発すると、周囲のスタッフが、「ナイス!」といった言葉をかけること。Motigaは設立されたばかりのスタジオとのことだが、こうした反応を見るだけでも、「この人たちは、楽しんでゲームを作っているんだろうな」ということをうかがい知ることができる。そもそも本作はマルチプレイなので、デモプレイを担当した方以外の9人は、きっとMotigaの本社でプレゼンに参加しているんだろうなあ……と思ってみたり。いずれにせよ、作り手自身が楽しめるゲームに外れなし!
そして、プレゼンの最後に他媒体の記者さんが「なぜ、トゥーンタッチにしたのですか?」と投げかけた質問に対するアーティストの方のお答えが印象的だった。「10年経っても古びないグラフィックにしたかった」というのだ。いまはフォトリアル全盛だが、たしかに10年後にはどうなるかわからない。トゥーンタッチならば、時間が経っても古さを感じさせないというわけだ。ということは、10年経っても継続できるゲームを目指すのかしら……と思いつつ、プレゼンルームを後にしたのでした。