あたかも期待の新人女優が誕生したかのような存在感
2015年6月16日~18日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスにて世界最大のゲーム見本市、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2015が開催。ここでは、会期初日の6月16日に行われた、『Rise of the Tomb Raider』のプレゼンの模様をお伝えしよう。プレゼンを担当したのは、開発元であるクリスタル・ダイナミックスのノア・ヒューズ氏と、リック・ブリッジス氏だ。
“Xbox One独占タイトル”である『Rise of the Tomb Raider』は、この年末の期待作の1本(海外では、マイクロソフトのパブリッシングのもと、2015年11月10日発売)。記者の周りでも、先日行われたXbox E3 2015 Briefingで印象に残ったタイトルとして、『Rise of the Tomb Raider』を挙げる人が多い。『Rise of the Tomb Raider』は、おなじみララ・クロフトを主人公に据えた『トゥームレイダー』シリーズの最新作。本作では、若きララ・クロフトの活躍が描かれることになる。ララ・クロフトというと、アンジェリーナ・ジョリー主演で映画化もされており、ゲーム業界を代表するヒロインのひとり。
そのララが、本作ではとにかく魅力的。ララというと、どうしても前述のアンジーのイメージが強いが、『Rise of the Tomb Raider』のララは、どこか清冽なイメージがあって、日本人にも親近感が持てる。もしこれが映画だったら、「期待の新生誕生!」と騒がれるのではないか……と、ついつい映画と比較してしまったが、それくらい『Rise of the Tomb Raider』のララが存在感に溢れているのだ。開発元であるクリスタル・ダイナミックスのスタッフは、「アンジーに負けない存在感のあるキャラを!」という断固たる意気込みで開発にあたったに違いない(と記者は推察する)。そんなことを思わせるキャラクターだ。
そんな清冽なララに対して、クリスタル・ダイナミックスは新しい要素を用意した。それは“サバイバル”だ。Xbox E3 2015 Briefingでは、ララが、シベリアの雪山を乗り越えて、失われた町を訪れる途中までが描かれるのだが、ララはその道中で雪崩に巻き込まれ、いっしょに探検をしてきたジョナとはぐれ、さらにサバイバルキットの一部もなくしてしまう。過酷な極寒地で生き残ることを余儀なくされるのだ。極めて過酷な状況の中で、ララは材料をコツコツと集めてアップグレードしていったり、草を食べて空腹を満たしたり……とサバイバル生活をしていくことになる。たとえばプレゼンでは、毒キノコを採取して毒矢を作るといったデモプレイが紹介されていたのが印象的だった。野生熊とのバトルも大迫力のひと言。「女性と自然との戦いを描きたかった」とヒューズ氏。「現実世界に重きを置いた」という『Rise of the Tomb Raider』では、サバイバルというのは、格好のテーマと言えそうだ。
そして、そんな自然をテーマに据えることができたのも、リアリティー溢れる描写があればこそ。考えてみると、ララの魅力的なキャラクター造形そうで、時代の最先端を行く技術力があってこその、自然描写であり、キャラクター造形と言えるのだろう。
もちろん、サバイバルだけが本作のゲームプレイというわけではない。公開された映像でも確認できおる通り、これまでの『トゥームレイダー』ファンを納得させてくれる冒険の数々が待っているようだ。「前作よりも3倍マップが大きい」という『Rise of the Tomb Raider』。国内発売は2015年内とのことなので、ララの魅力に触れられる日が来るのを心待ちにしたい。