深みのあるストーリーが楽しめるキャンペーン
2015年6月16日~18日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスにて世界最大のゲーム見本市、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2015が開催。ここでは、開催初日に行われたマイクロソフトによる『Halo 5: Guardians』のプレゼンテーションの模様をお届けしようと思う。プレゼンを担当したのは、開発元である343 Industriesのトップ、ボニー・ロス氏とプロジェクトマネージャーのクリス・リー氏、そしてキャンペーンモードを担当したニコラ・マキラ氏だ。
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『Halo 5: Guardians』といえば、言わずとしれたマイクロソフト最大のフランチャイズ『Halo』シリーズの最新作。しかも初のXbox Oneでの展開ということでファンからの期待も相当大きいわけだが、日本でしばらく新情報を聞かないなあ……と思っていたら、本国ではとんでもないことが明らかになっていた。そう、スパルタンロックの登場が発表されていたのだ。Xbox E3 2015 Briefingで『Halo 5: Guardians』のメインビジュアルを見て、「このマスターチーフに対峙している男は誰だろうなあ?」と思ったら、スパルタンロックだったというわけだ。まずは、少し前に公開されたものになるが、極めてファンの興味を惹く、マスターチーフとスパルタンロックの映像をお届けしよう。
メインビジュアルを見ると、何となくライバル関係にも見えるスパルタンロックだがUNSCから使命を受けた戦士(そもそも“スパルタン”だから敵のハズはないか)。さらに言ってしまえば、このスパルタンロックは、『Halo: The Master Chief Collection』に収録されていた映像『Halo: Nightfall』のエージェント、ジェイムソン・ロックがスパルタンになった姿でもある。本作のキャンペーンモードでは、プレイヤーはマスターチーフとスパルタンロックの双方を交互にプレイしてストーリーを進めていくことになるのだ。しかも単独ではなく、4人で協力しながら戦うことになる。マスターチーフはブルーチームで、スパルタンロックはファイヤーチームだ。
本作にはスパルタンロックを始め、数多くの新キャラクターが登場するが、それは「深みのあるストーリー展開のため」と、ニコラさん。ちなみに、ファイヤーチームのバックは、『Halo 3 ODST』に登場したバックと同一人物であり、こうした過去シリーズとのつながりも、深みのある“Haloユニバース”の構築にひと役買っているようだ。
キャンペーンでのゲームプレイでは、プレイヤーはひとり(残りキャラはAI)で戦うこともできれば、友だち3人に協力してもらって戦うことも可能。しかも343 Industriesの開発陣によると、プレイはシームレスでつながっており、友だちが「夕食だから」ということで抜けても、即座にAIが代理を務めてくれるのだという。もちろん、そのあと誰かがさらにプレイを引き継ぐことも可能だ。気軽にドロップイン/ドロップアウトできるというわけだ。ちなみに、AIにはどのようなプレイをするか指示を与えたり、オーダーを出すことが可能だ。たとえば、『Halo 5: Guardians』では瀕死になった仲間を助けられる“リバイブ”という機能があるのだが、AIに対して何よりもリバイブを優先するというというオーダーを出すことも可能なのだ。
“Warzone”はとにかく楽しい!
『Halo』シリーズの何よりの魅力はマルチプレイだが、『Halo 5: Guardians』ではこのマルチプレイも進化。その象徴が12人対12人による“Warzone”だ。広大なフィールドで、ブルーチームとレッドチームに分かれて、1000点を獲得するまで戦う“Warzone”。基本は、PvP(プレイヤー対プレイヤー)の趣きが強いが、「PvE(プレイヤー対AI)のエレメントもあります」とクリスさん。フィールドには適宜NPCのキャラが配置されてり、味方のチームをサポート。さらには、AIによるエイリアンの勢力も配置されており、こちらを倒すことでポイントをゲットできるのだ。
プレイしていてわかるのだが、この“PvEのエレメント”が、ゲームのプレイに彩りを与えてくれる。たとえば、最初は「味方のNPCなんて必要なのか?」と懐疑的だったのだが、いざ敵陣地に出撃する段になると、味方の陣地を守ってくれるNPCは心強い存在。基地に誰もいないと「残ったほうがいいのだろうか?」と気をつかったりもするのだが、NPCが守っていてくれると、心起きなく敵地に赴けるのだ。エイリアンの第三勢力もありがたい存在。たとえば、対人戦に疲れたときに「ちょっとエイリアンでも狩りに行くか」という気持ちになれるし(けっこう強いので、むしろ狩られることのほうが多いですが)、何よりもエイリアンは倒すと高い点数がもらえる設定がなされているので、一発逆転を狙うために、エイリアンを狙うといった戦いかたも可能だ。それだけマルチプレイの楽しみかたの幅が広がるというわけ。
ゲームシステムも練り込まれている。“Warzone”では、ベースとなる地点にアクセスすることで武器が自由に選択できるようになっているが、最初からすべて使えるというわけではない。ゲームをプレイしながら決められた条件をアンロックすることで、プレイヤーはレベルアップし、適宜使える武器が増えていくのだという。しかも、個人とチームそれぞれで異なる条件があるらしい。さらには“レックカード”というものもあり、カードを保持していないと武器が使えない……といった状況もあるらしい。つまり、レベルが上がったからロケットランチャーを使えるようになったと言っても、のべつ幕なし使えるというわけではないようだ。
というわけで、マルチプレイに定評のある『Halo』シリーズが、さらに練り込んでマルチプレイの楽しさを追求したのが“Warzone”との印象。たぶんシリーズ上級者が楽しめる仕掛けがわんさか盛り込まれていると思うが、カジュアルFPSユーザーが、あまり難しいことは考えずに遊んでも充分に楽しめる。「『Halo』のマルチプレイはやっぱり楽しい!」というのが率直な印象だ。
と、そんなことをつらつら考えていたら、日本から朗報が飛び込んできた。 『Halo 5: Guardians』の国内発売日が2015年10月29日に決定したというのだ。ボニー・ロス氏が「過去最高の野心作」と言うのもうなずける『Halo 5: Guardians』。『Halo』シリーズの新時代を拓く本作にご注目を!