オープンワールドでマシンを狩れ!
2015年6月16日~18日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスにて世界最大のゲーム見本市、E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2015が開催。16日には、ソニー・コンピュータエンタテインメントのカンファレンスで新たに公開されたアクションゲーム『Horizon Zero Dawn』のプレゼンテーションが行われた。
本作は、『KILLZONE(キルゾーン)』シリーズで知られる開発会社のGuerrilla Gamesが、じつに4年半もの歳月をかけて制作している、完全新規のアクションゲーム。カンファレンスでは、大型の敵と戦うアクションシーンが公開され、大きな話題となった。
プレゼンテーションは、開発スタッフ陣によるコンセプトの明示化からスタート。『Horizon Zero Dawn』にはキーポイントがあるといい、それは”オープンワールドRPG”、”人類滅亡後を描いたストーリー”、”戦闘システム”であるという。以下、順に説明していこう。
まず、オープンワールドというキーワードについては文字通り。世界が完全にシームレス(移動などに際してディスクのローディングを挟まない)となっており、そこに主人公である女性キャラクター”Aloy”の成長要素、いわゆるRPG的要素が入ってくるという。
ふたつ目のキーワードである”ストーリー”だが、本作の世界(舞台が地球かどうかは、まだ明らかにできないとのこと)は自然に覆われている。これは文明が進んでいないわけではなく、むしろ一度文明の滅亡を経験しているのが原因だという。この世界は滅亡から1000年後という設定で、人間が徐々に勢力を取り戻そうとしているところのようだ。
そんな世界で強い勢力を誇るのが、本作で主人公の敵となる動物形のマシン(ロボット)たち。このマシンたちはどこから来たのか、なぜいるのか、それは物語の中で明かされていくそうだが、このマシンたちと戦って冒険した先には、お宝が隠されていることもあるそうだ。
3つめのキーワード”戦闘システム”は、マシンたちとの戦いでくり広げられる、戦術性の高いバトルがそれにあたる。主人公Aloyはマシンを狩る”マシンハンター”で、ナイフや弓を始め、さまざまな武器を使う。巨大でスピーディーなマシンたちに対して、非力な人間であるAloyは、罠などを駆使して狩りを行うのだ。
実機プレイで明かされる戦術的バトルの一端
ひと通りの説明が終わった後、開発中のROMを用いて、実機でのプレゼンテーションが行われた。まずは画面表示物の説明から。画面のレイアウトはシンプルで、フィールドが大写しになっており、その端にはAloyの体力ゲージや経験値ゲージ、キャラクターの向きを示すコンパス(ミッションの目的地も表示)、使用中の武器などが表示されていた。
今回のゲームプレイでは、敵のマシンが背負うタンクの回収を目指すミッションの達成を目指す。最初に現れたマシンは”ウォッチャー”。このマシンはその名の通り監視者で、見つかると警報を発し、ほかのマシンを呼ぶという。今回のプレイでは、うっそうと茂る草に身を隠しながら近づき、ナイフで一突きして仕留めていた。
また、Aloyはハンターなので、現実世界の猟師と同様に罠も駆使する。鹿などの草食動物に似たマシンが群れている場面では、事前に銃のようなものを使って、引っかかると罠が発動するロープを張っていく。続いて、着弾すると爆発する矢を放ち、群れを驚かせて罠へと誘導。ロープに引っかかったマシンたちは爆発の罠にかかり、大ダメージを受けていた。これが、本作のキーワードである”戦術的な戦闘システム”の一例だ。なお、岩などのオブジェクトは破壊可能で、今回も爆発する矢を打ち込んだ際に弾け飛んでいた。岩を壊して道を作ったり、あるいは戦闘を有利にするといった展開もあるのかもしれない。
こうして倒したマシンからはパーツを回収でき、そのパーツを使って、新たな武器などを作っていく。また、フィールドからは、体力回復用の薬草類や花なども集められるようで、倒したマシンや薬草が生い茂る場所など、物品を得られる場所はアイコンで明示されていた。今回のプレイでは矢の作成を行ったが、矢の制作中はゲームが進んでいる状態となるため、周囲の安全を確保してから行ったほうがよさそう。なお、武器を作る場合は、ポーズメニューからゲームが止まった形で行うようだ。
小型のマシンを倒したところで、Aloyの何倍もあろうかという大型マシンとの戦闘へ。55万個のポリゴンを用いて作られているというこの敵は、破壊できる部位が93箇所もあり、その中には、壊すと武器として使える部位も存在する。また、装甲で覆われた体にはオレンジ色の弱点箇所があり、そこを狙うと3倍のダメージを与えられるため、いかに弱点を狙うかが討伐のカギとなるようだ。
この大型マシンは、尻尾の叩きつけや振り回し、噛み付き、レーザー発射など、計12種類もの多彩な攻撃でAloyを苦しめるが、スタッフが操作するAloyは、ローリングやスライディング、横っ飛びといったアクションを駆使して回避していく。ここから反撃に出るAloyは、敵を電流のようなもので麻痺させる矢を放ち、自由を奪う。次いで部位を破壊すると、武器として使えるランチャー(使い捨て)を射撃して大ダメージを与え、見事に討伐していた。
実機でのプレイが終わると、集まったメディアを対象とした質疑応答が行われた。以下では、質問の中からいくつかを抜粋して紹介する。
Q.武器は銃と弓以外にもあるのか?
A.まだ紹介できないが、いろいろと種類がある。今回はその中のふたつを紹介した。
Q.マルチプレイはできるか?
A.マッチングしていっしょに狩りに行く、ということはない。しかし、まだ具体的には説明しないが、シンクロしない形での、ゆるやかなつながりを作り出すマルチプレイ要素は存在する。
Q.日本には、大きな敵と戦うゲームが多数あり、人気を博しているが、そういったゲームから影響は受けたか?
A.『モンスターハンター』シリーズからのインスピレーションは受けた。4年半の開発で、より進化したハンティングゲームを目指している。
SCEワールドワイド・スタジオの吉田修平プレジデントも大きな期待を寄せる『Horizon Zero Dawn』(そのインタビューはこちら)。これからの動向にも、ぜひ注目してほしい。