ひさびさの新情報は気になるところ満載
2015年6月16日(現地時間)、E3会場のスクウェア・エニックスブースから放送されているストリーミング番組SQUARE ENIX E3 PRESENTSに、野村哲也氏と、『キングダム ハーツIII』(以下、『KHIII』)のCo.ディレクターである安江泰氏が登場。新トレーラーが発表されたばかりの『KHIII』や『KHアンチェインドχ』、そして大反響を巻き起こした『FFVII』のフルリメイク作品についても語った。本記事ではその内容をまとめてお伝えする。
『FFVII』のフルリメイクについて
相当な反響があり、各所から連絡がきてひと晩中対応に追われていたという野村氏。「かなり喜んでくれたようでひと安心しました。東京にいる北瀬と野島さんのほうにも、「すごい反響でしたよ」と連絡して、今後のことを話したりしていました」(野村氏)。
『KHアンチェインドχ』の制作の経緯
日本では、PCブラウザゲーム『KHχ』が展開中。「それでも海外の方がプレイしてくださっていて、『KHχ』を遊びたいという思いは感じていました」(野村氏)。もともと『KHχ』の企画の段階からスマホ向けの企画はあったものの、ブラウザ版が先行しており、今回ようやくスマホ版の発表ができたのだとか。
・スマホで展開するにあたって、ブラウザ版から変更している部分
ストーリーは『KHχ』と同じながら、仕掛けは用意しており、「なぜふたつの『χ』があるのかは、ストーリーを進めるとその秘密にたどり着くかと思います」(野村氏)。また、スマホはタッチで簡単に、そして感覚的に操作できるようにUIなどが変更されている。
・『KH』シリーズにおける、『KHアンチェインドχ』の位置づけ
『KH』シリーズの時系列において、『KHアンチェインドχ』は、「キーブレード戦争と呼ばれている出来事の、少し前のお話です」(野村氏)。なお、『KHIII』の新トレーラーでは、若いゼアノートとエラクゥスが、キーブレード戦争に関して語りあっている。あれは『KHIII』の冒頭の部分。『KHアンチェインドχ』は、キーブレード戦争を軸に、ある意味で「『KHIII』に話がつながっている部分がある」(野村氏)という。
『KHアンチェインドχ』を通して、シリーズの謎のヒントを得ることはできる?
これまでの『KH』シリーズに登場していないキャラが、今後のカギになっているのだとか。これは、エフェメラのことだろうか? 「なので、できればプレイしていただいたほうが、より深く楽しめるんじゃないかなと」(野村氏)。
アートについて、どのようなアプローチを?
『KH』のファンなら知っている、カイリのおばあさんが語るキーブレード戦争を思わせるおとぎ話。そこから着想し、キャラや背景のタッチは「おとぎ話の世界観で、おとぎ話の絵本をめくるような雰囲気に仕上げています」(野村氏)。
注目すべきディズニーのキャラは?
今後もワールドの追加を検討していくほか、「これまでコンシューマーの『KH』シリーズにはあまりなかった、アリスの巨大化といった原作に近い表現などもあります」(野村氏)。ディズニーファンがより楽しめる要素が入っているようだ。
今回のPVの見どころ
今回は『KH』らしく、ストーリーに寄った構成にしているというトレーラー。「ストーリーの謎の部分、気になるようなやり取りをメインにチョイスしています」(野村氏)。キャラのセリフなど、テキストが注目ポイント。
『KHIII』の『塔の上のラプンツェル』のワールドについて
海外メディアのインタビューを受けていて、「なぜ選んだのか」という質問が多かったという『塔の上のラプンツェル』のワールド。最初に決まったワールドだそうだが、まず開発チームがいくつかのワールドをピックアップして、アイデアとともに野村氏に見せる際、彼らが「すごく『ラプンツェル』をやりたいというのが……いちばんアツかあったんです(笑)。なぜかは安江君に話を聞いたほうが」(野村氏)。それに対し安江氏は、ラプンツェルのキャラクター性、彼女のふわふわ動く髪の毛に着目したのだと回答。「敵を吹っ飛ばしたり、ムチのように薙ぎ払えれば気持ちいいんじゃないかなと」(安江氏)。
新しい要素として、とくに取り上げるべき部分は?
『KHIII』の制作にあたって最初に会議をしたときから、「キーブレードの変形がとくにこだわっているポイント」(安江氏)なのだとか。ダブルボウガンになったり、マジックブラスターになったり、ひとつのキーブレードがさまざまに変化していくようになっているという。
ほかにも新しいワールドはありますか?
今回チョイスするワールドは、ほぼほぼ新規のワールドに。つぎはどのワールドを公開するかディズニー側と相談しており、「早めにつぎのワールドをご紹介できるんじゃないかと思います」(野村氏)。
『塔の上のラプンツェル』のワールドに出現するハートレスについて
たんぽぽのようなハートレスは、攻撃すると綿毛を飛ばし、新たなハートレスを生むのだとか。今回のハートレスについてとくに注目すべきころは、「敵が協力したり、親子関係があったりするところ。遊びに幅が出るのを期待できるかと思います」(安江氏)。
ソラの新しいコスチュームについて
『KHII』の衣装が人気があったので、変えるかどうか悩んだそうだが、久々のナンバリングであること、そしてスタッフからの意見もあって、新しくすることにしたそうだ。「『KHII』をベースにしつつ、『KH3D』が黒と赤を基調としていたので、『KHII』と『KH3D』を掛け合わせたような衣装にしています」(野村氏)。ソラが激しく動くので、動きやすいようによりスポーティーにしてもいるという。
コスチュームが変わって、彼も成長した?
頭身が高くなったように見えるものの、実際は『KHII』と変わっていないという。ただ、「髪の毛のボリュームをおさえて、先ほど言った通りスポーティーにし、装飾も少なくなっているので、すっきりして見えるのかもしれません」(野村氏)。
バトルについて解説してもらえますか?
新トレーラーでは、“アトラクションフロー”として、ティーカップやジェットコースター、バイキングシップを確認できた。「乗り物に乗っているときのスリル感、ワクワク感」(安江氏)を大事にしているという。初期はカメラの調整がうまくいかず、コーヒーカップで酔ったりもしたそうだ。「テーマパークの乗り物を全部乗れちゃうくらい、バラエティー豊かにしたい」(安江氏)と抱負も。
最後に……
安江氏は、「開発はたいへんながら、こういう場でみんなに会うと、それがエネルギーに代わる。刺激を受けるし、がんばろうという気持ちになる。いろいろありがとうございます」とファンへの感謝を告げた。一方の野村氏は、E3への準備から発表までが最大の山場だったため、発表を終えたことで「今年のE3はこれで終わった感があります(笑)。『FFVII』のフルリメイク作品含め、反響は感じています。がんばっていかないとな、と思っています」と、気持ちを新たにしていた。
なお、今年はディズニーのイベント“D23”の前夜祭として『KH』ファンイベントの開催が決定しており、そこでの続報公開が期待できそうだ。