新エリア開放をメインに、さまざまな新要素を導入予定
ネクソンが運営中のMMORPG『テイルズウィーバー』が、この2015年8月に大型アップデートを実施する。内容の一部は、去る5月23日に催されたオフラインイベント“ネニャフル学院祭 2015”でも公開されていたが、このほどさらに一歩踏み込んだ情報を、開発スタッフに訊くことができた。気になるアップデートの概要を、スタッフのコメントとともにお届けしよう。
今回のアップデートは、ざっくり分けると、“新エリア開放”、“ふたつの新ダンジョン”、“武器強化システム”、“ソウルリンクシステム（仮）” の各項目となる。取材には企画チームリーダーのイ・スンボ氏、グラフィックチームリーダーのキム・セフン氏、開発室長のチェ・ヒジン氏が、開発スタッフを代表して臨席。貴重なコメントを語ってくれた。
予測不可の魅力にあふれる新エリア“必滅の地”
この夏の大型アップデートの目玉となるのが、新エリア“必滅の地”の開放だ。ここは呪いを受けて滅亡した古代王国ガナポリーの跡地。新ダンジョン、異空間へのゲート、外伝ストーリーなど、興味深い要素が満載となっている。まずはその全体像についてを伺った。
──新エリアはどのようなエリアなのでしょう？
イ・スンボ氏（以下、イ氏） 今回のアップデートでは、“必滅の地”という『テイルズウィーバー』史上もっとも広いフィールドが入ります。このフィールドは3つに分かれていて、一般フィールドには、12種類程度の一般モンスターの群れがおり、その中に“チャンピオンモンスター”というものが存在するんです。このモンスターを倒すことで異空間へのゲートが開き、ほかの異空間に移動できたりする仕組みとなっています。
──チャンピオンモンスターは1種類なのでしょうか。
イ氏 チャンピオンモンスターは数種類いて、それ以外にフィールドには2種類くらいのボスモンスターが登場する予定です。ボスは、プレイヤーの皆さんが20～30名くらいで協力して狩らないとキツいと思いますね。そしてフィールドの真ん中には“セーフゾーン”という場所があります。ここから“封印された宮殿”や“試験の塔”といったダンジョンに入ることもできますし、街ではありませんが、街のようにNPCなどもいます。モンスターから攻撃されない、安全なエリアになっていて、位置的にもストーリー上でも、重要な場所になっています。
──いままでのいろいろなフィールドと比べても、こうした構造は今回初めてかと思いますが、どういうコンセプトなのでしょう？
イ氏 “必滅の地”は、プレイヤーの皆さんからも、これまで「ここはどういうところなのか？」と話題になっていた世界の真ん中に位置する場所です。今後の物語でも、ここは重要な意味を持つ場所になるのではと思います。ただ、物語で重要な位置を占めること以上に、今回、この広大なエリアは、プレイヤーの皆さんどうしで協力をしていただきたくて作られたエリアだというコンセプトが挙げられます。
──プレイヤーどうしの交流の場ということでしょうか。
イ氏 もちろん、ここで交流することもできます。MMORPGはみんなでいっしょにプレイするのが楽しいジャンルのゲームですよね。そこを活かしたかったんです。みんなで協力して楽しめるような、そしていままでの『テイルズウィーバー』ではなかった新しい経験ができるような場所を提供したいと思ったんです。ですので、協力の要素をいろいろと考えています。なお今回、正式なチャプターとしては入りませんが、外伝ストーリーが実装される予定です。このストーリーをプレイすると、“必滅の地”がなぜ存在しているかもわかってくるのではと思います。
異空間へのゲートを通った先には、3つのゾーンが待つ。5種類のボスがいるボスゾーン、モンスターであふれかえるモンスターゾーンA、そしてAとは趣向を変えたモンスターゾーンBだ。ボスゾーンでは、ボスを倒すと宝箱が出現し、報酬を獲得できる。モンスターゾーンAは、ステータスが低いうえ経験値とSEEDがたくさんもらえるモンスターがいて、突発ミッションなども発生。そしてモンスターゾーンBは現在調整中だが、得られる経験値とSEEDはフィールドより高く、モンスターゾーンAより低くなる予定とのことだ。
──異空間への移動は楽しい仕掛けですね。どんなところなのでしょう？
チェ・ヒジン氏（以下、チェ氏） この異空間には、3つのゾーンにランダムで入れます。まずひとつはボスの狩りができるボスゾーン。それから、たくさんのモンスターが出てくるモンスターゾーン。そしてちょっと特別なステージとして、別のゾーンを用意しています。ボスゾーンにボスは5種類います。モンスターゾーンのモンスターは一般フィールドのものとはちょっと違って、低ステータスというか、弱いんですが経験値やSEEDはよりたくさんもらえます。効率のいいところですね。そしてもうひとつの特別なステージは、行ける確率を低く設定して、それなりの特別なものを考えているところです。
──それらにランダムで入れるのですね。
チェ氏 ランダムですが、単純に3分の1の確率というわけではありません。なおこのゲートは、一度開くと数分間は活性化されているので、ほかのプレイヤーの方も、見つければここから異空間に行くことができますよ。
今回実装される“必滅の地”の大きな特徴のひとつには、予測不可能な要素があることが挙げられ。プレイヤーの遊びかたで変わってくるというこの仕様は、具体的には、どんなイメージなのだろうか？
──新エリアでは、プレイヤーの行動でいろいろな変化が起きるとのことですが、どういう仕組みなのでしょう？
イ氏 いままでの『テイルズウィーバー』のコンテンツは、「これをやるとこういうことになる」と結果が予測できていましたが、今回の“必滅の地”は、結果が予測できない楽しみがあるというところが、大きな特徴になっているんです。たとえばプレイヤーの行動によって、環境が変わったり、突発的なミッションがもらえたりというような変化が発生する可能性があります。たとえば、ある条件や行動によって、モンスターが急に増えたり、フィールド上のモンスターがすべて強くなったり、追加で突発的に「何匹のモンスターを倒せ」などといったミッションが発生したりです。でもプレイヤーの皆さんは、何がその条件なのかは、わからないままプレイするという感じですね。こうした変化も今回の楽しみのひとつではないかと思っています。
──プレイによってフィールドの状況がどんどん変化するというイメージはわかるのですが、具体的には、プレイヤーの行動と変化の関連性を予測して楽しむものなのでしょうか。もしくはランダムな要素が強くて推測できない部分を楽しむものなのでしょうか。
イ氏 開発チームで考えているのは、変化の条件をプレイヤーの皆さんに気づかれないようにしたいということです。もちろん「なんでこういう変化が起きたのか？ たぶんこうなんじゃないか？」など、予測して楽しんでいただくのは望んでいるところです。原因には気づけませんが、「もうしばらくこういうことが起きるかもしれませんよ」というメッセージだけは、なんらかの形でプレイヤーの皆さんに案内できればとは思っています。
──見逃さないようにはなっているわけですね。それから、先ほどの外伝ストーリーが登場するというのも、ファンにとっては大きな楽しみだと思います。どんな内容になりそうでしょう。
チェ氏 物語自体はひとつですが、3つくらいのストーリーラインを持っていて、過去・現在・未来というコンセプトのお話を用意しています。エフィビオーノについての話で、会話シーンなどでノクターンがちょっと登場します。この外伝に関しては、要素を原作からピックアップして、開発チームで新しくストーリーを作っているという形です。このストーリーを全部進めれば、エフィビオーノの存在の意味もわかるような内容になっています。
──デザインについてもお聞きします。今回の“必滅の地”の、ビジュアルコンセプトは？
キム・セフン氏（以下、キム氏） 魔法王国として輝いていたガナポリーが呪いの影響で滅亡し、捨てられた地であるというのが前提です。まず背景については、魔法の影響でいまは砂漠になってしまったというコンセプト。モンスターには大きく3つくらいの系統があり、まずはガナポリーの人たちが呪いの影響でアンデッドになってしまったもの。そしてもうひとつがガナポリー時代に人々が作っていた魔法人形。そして最後が、魔法の影響で登場した異空間の動物のようなモンスターです。この3タイプをいま作成しています。2Dモデルについてはある程度できていますが、3Dモデルのモンスターについては、まだまだこれからですね。
