ゲーム・オブ・ザ・イヤー候補に名があがるポテンシャルを秘めた意欲作

 E3に先駆けてアメリカ・ロサンゼルスで開催された『Battleborn(バトルボーン)』イベント。本稿では、世界初となるハンズオンリポートをお届けする。

『Battleborn(バトルボーン)』プレE3イベントリポート【プレイインプレッション】_04

 「おもしろい!」。率直な感想はこのひと言に尽きる。もちろん、この抽象的な言葉だけでは何も伝わらないので、そう思った点を挙げていこう。

 本作は一人称視点のシューター、いわゆるFPS……とは言えない。なぜならアクションゲーム、格闘ゲーム、RPGの要素が取り入れられているから。まず、目についたのはキャラクターの個性。重火器を持つ大男もいれば、サーベルと魔法を操る女性もいるし、弓を射るエルフもいれば、斧を操るドワーフもいる。つまり、キャラクターによって遠距離から攻撃するのが得意だったり、接近戦でこそ火力を発揮したり、さまざまなタイプがあるというわけだ。プレイヤーは自分の好みや操作のしやすさに合わせてキャラクターが選択できる。これこそが本作のキモのひとつとなっている。扱うキャラクターによってプレイの印象がまったく異なるからだ。近づいて斧を振り回して「オレ強ェ!」状態のときはアクションゲームをプレイしているように感じ、遠距離からヘッドショット(頭部(弱点)を撃つとよりダメージが与えられる)を狙っているときはまさにFPSをプレイしている感覚に包まれる。今回のプレイで筆者がもっとも気に入ったキャラクターはオレンディ。4本腕の彼女は印を結んで魔法を放つのだが、この仕草がじつにいい! 近くで銃をぶっ放しているキャラクターを横目に、「オレ、この印を結び終えたら強力な魔法をお見舞いしてやりますから!」とボイスチャットで叫んでしまいそうになるほど。あ、本作はボイスチャットにも当然対応。海外でのイベントだったため、英語とフランス語と日本語が入り交じるカオスなボイスチャットでしたが、5人による協力プレイは円滑に、かつエンジョイしながら進められた。

『Battleborn(バトルボーン)』プレE3イベントリポート【プレイインプレッション】_05

 ハンズオンで体験できたのは、“センチュリー”と呼ばれる自走兵器を護衛しながらステージを進めていくエスコートミッション。地形の構成が絶妙で、高低差や起伏があるため、平坦で地味な感じはまったくない。上空から現れる巨大戦艦。戦艦から降り立つ、中ボスと思われる巨大な敵。手に汗握る戦闘の行方は……といった感じで、展開も飽きさせないものとなっている。また、声を大にしてお伝えしておきたいのが、視界に入ってくる情報量のバランスのよさ。何が言いたいのかというと、画面に情報がびっしり表示されるわけでもなく、かといって不足しているわけでもないので、没入感は維持しながら、敵の動きや地形を把握しつつ自然とプレイできたということ。当たり前に感じるかもしれないが、意外とこの当たり前ができていないゲームは多い。敵が迫ってくる感覚や、高い場所から狙撃するときの距離感もすばらしく、キャラクターの個性がさまざまでありながら、このバランスを維持できていることにも驚いた。

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 また、もうひとつ筆者が気に入ったのが、キャラクターの成長システム。レベルが上がりました、ステータスが上がりました、ではなく、プレイヤーは“どちらの能力を選ぶか”という選択を迫られることになる。レベルアップ時にスキルが解放できるようになるのだが、必ず2種類のスキルが表示されるのだ。たとえば、一方は攻撃に特化したスキル。もう一方は防御に特化したスキル。どちらを選ぶかによって、キャラクターはさらなる個性を得る。つまり、同じキャラクターであっても、プレイヤーごとにキャラクターの個性が異なるということ。25人のキャラクターがいて、さらにどのスキルを選んだかによって能力が異なる……。あれ? これって天文学的なバリエーションがあるってこと?

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 と、あえて印象に残った要素を中心にインプレッションをお届けしてみたが、より多くの方が本作に興味を持っていただければ幸いだ。気が早いと思われるかもしれないが、本作はゲーム・オブ・ザ・イヤー候補に名があがるポテンシャルを秘めている。ハンズオンでそれほどの衝撃を感じたことを最後に記しておきたい。

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