リアルタイムで変化する“陣取り合戦”のシステムを採用

 KADOKAWA、グリーエンターテインメントプロダクツ、ホビージャパンは、3社で共同開発するカードゲーム『銀鍵のアルカディアトライブ』の制作発表会を本日2015年6月10日に開催した。ここでは、その模様をお届けしよう。

新世代カードゲーム『銀鍵のアルカディアトライブ』制作発表会をリポート スマホアプリと連動したことによる新しい楽しみかたとは?_03
▲左より、池田正道氏、原田考多氏、一戸健史氏。

 KADOKAWA ライセンス事業局 MD事業部 担当部長の池田正道氏、グリーエンターテインメントプロダクツ 代表取締役社長 原田考多氏、ホビージャパン ゲーム事業部部長 一戸健史氏は、それぞれ『銀鍵のアルカディアトライブ』の概要と企画意図を説明した。

 なお、本作は3社の委員会制で成り立っており、各社はそれぞれ“得意分野”である以下の役割を担っているとのこと。

・KADOKAWA:カードゲームとアプリの販売およびイベント運営、ストーリーや世界観の設定
・グリーエンターテインメントプロダクツ:アプリ開発
・ホビージャパン:ゲームルール開発

■市場を大きくするためには

 池田氏は、ここ3年でトレーディングカードゲーム(以下、TCG)の市場が下降の一途を辿っていることに危機感を抱いていたそうだ。一方で、ネイティブアプリゲームの市場が格段に伸びているという現状から、アプリユーザーをTCGに誘引するために3社で考えたのが、『銀鍵のアルカディアトライブ』なのだという。

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▲TCG市場の推移
▲ネイティブアプリ市場の推移
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 本作は、カードゲームプレイにスマートフォンを連動させたまったく新しい遊びとして打ち出されているとのこと。カードゲームとスマートフォンの完全連動は日本発の試みであり、特許も出願中なのだそうだ。

 池田氏は、『銀鍵のアルカディアトライブ』がTCG市場を大きくする役割を担っており、ショップとメーカーが連動して初めて売れる商品であると語る。そのためには、ショップで大会を開くなどしてユーザーによろこんでもらう、メーカーはユーザーが安心してイベントで遊ぶことができる環境の整備が必須とのことだ。

■コミュニティーをよりオープンにするための方法とは

 グリーエンターテインメントプロダクツの原田氏は『銀鍵のアルカディアトライブ』を企画するにあたって、 “TCGがなぜおもしろいのか”という根本の部分から考えたそうだ。原田氏によると、TCGではコレクション要素やデッキ構築もおもしろさのひとつであるが、中でも重要なのは、その場の空気や、表情の読みあい、会話などの深いコミュニケーションが楽しめる“対面対戦での相手との駆け引き”なのだという。

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 原田氏は、TCGが抱えている大きな課題は、“ユーザーが分断されている現状”と語る。ショップのTCGのコミュニティーはローカルな場所に限定されているという現状があり、同じカードゲームを遊んでいるユーザーが全国にいるにも関わらず、分断されているのがもったいないと感じていたのだそうだ。そこで、原田氏は『銀鍵のアルカディアトライブ』においてスマートフォンを使って各地にいるプレイヤーと対戦していくことで、ローカルだったコミュニティーがよりオープンになると期待しているという。カードゲームとスマートフォンを連動させたのは、TCGユーザーもアプリユーザーも両方も楽しめるプラットフォームを作るということが、最終的な目的になるようだ。

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 さらに、『銀鍵のアルカディアトライブ』にはすべてのユーザーがコミュニケーションをするための“陣取り合戦”というシステムが採用されている。これは、参加者全員の勝敗がスマートフォンを介して記録されており、リアルタイムで陣地を奪い合うゲームが展開されるというもの。これまでの対面対戦のようにその場だけでゲームが終わるのではなく、1戦1戦の結果が積み重なって記録されるため、全国のプレイヤーとともに戦うという実感が持てるのだそうだ。

■3つの重視した点とは

 ホビージャパンの一戸健史氏は『銀鍵のアルカディアトライブ』について、「TCGとスマートフォンを連動させたことで、これほどまでに楽しみが広がるのかと、開発を通して実感しています。その魅力は口頭や文章では説明しきれないので、ぜひ体験会に来て、まずは遊んでみてほしいです」と語った。

 また、一戸氏は本作の制作にあたり以下の3つの点を重視したという。

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(1)シンプルな操作でゲーム性を追求
 アナログのカードゲームと、デジタルのスマートフォンの操作が頻繁に行き来するようなことがないように調整をしているとのこと。なおかつ、シンプルかつ奥深いゲーム性を目指しているという。

(2)メインキャラクター中心のゲームデザイン
 メインキャラクターをスマートフォン上でカスタマイズすること可能。見た目の変更はもちろん、オリジナリティ溢れる能力や、派手な必殺技を持たせることができるそうだ。

(3)新しいゲーム感覚の実現
 本作ではアナログとデジタルの融合のため、通常よりも多くの時間と人員をかけて、デジタルのデータとアナログカードの制作を同時に行っているとのこと。

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