視聴後は巻き戻してご返却ください
クラウドファンディングサイトのKickStarterで大きな話題を呼び、1万7000人以上から63万ドル(約7800万円)以上を集めて制作されたデビッド・サンドバーグ監督・脚本・主演の短編映画「KUNG FURY」がいよいよ完成。YouTubeやSteamで無料公開中。
クレジットを抜けば30分弱の作品で、80年代のB級映画の激安な演出やチープなCG、大げさな演技などを過剰にしてからごった煮にし、DVD世代にすら分からないVHSのノイズをふんだんにまぶした奇想天外な内容は、英語が分からなくても多分オーケー。
というか、「怪しいニンジャにより相棒が殺害されるも、クンフーの血に目覚めることで窮地を脱した刑事クンフューリー。しかし、ある日ヒトラーが現代に出現し、クソデカい携帯電話越しに仲間の警官を射殺。凄腕ハッカーの協力でタイムトラベルしてヒトラーを追うことに決めるも、辿り着いたのはバイキングの時代だった……」という、読み返すたびに脳が溶けていく話なので、何も問題はない。
80年代文化も盛大にぶっ込んでおり、例えばエンディング間際に出てくる車載コンピューター「Hoff 9000」は、演じるデビッド・ハッセルホフが80年代に主演した連続ドラマ「ナイトライダー」のコンピューターK.I.T.T.へのオマージュ。ハッセルホフはエンディングテーマ「True Survivor」も歌っている!
そのほか、ジャン・クロード・バンダムの開脚ポーズをやっていたり、ファミコン用の早すぎたインタラクティブ入力デバイス、パワーグローブがハッカーの必殺アイテムとして出てきたりと、多分全世界の30-40代の元ボンクラ男子だけが喝采を上げているに違いない内容。なので、意味がわからないシーンがあっても、なんかそういうギャグなんだとご理解ください。
ちなみに記者が住むアメリカでは、一年中カンフー映画と怪獣映画とホラー映画とアクション映画を延々放送し続けるマイナーケーブル局、El Rey Networkでのテレビ放映も今晩早速行われる。
80年代映画にはゲーム化がつきもの、というわけで本編公開に合わせてSteamではPCゲーム『Kung Fury: Street Rage』も配信開始。こちらは有料で、価格は198円。『ベア・ナックル』(英題Streets of Rage)をもじったタイトルの2Dアクションで、両サイドから襲ってくるナチ軍団を2ボタンで倒していくというゲーム(※)になっている。(※追記:当初ベルトスクロールアクションとしておりましたが、厳密には異なるため実際に合わせて説明を変更しました。また、iOSとAndroidでも配信中。基本プレイは無料で、コンティニューが続いた際の広告表示を有料で解除可能)