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VRでアイコンタクト、感情表現の概念を導入したアイトラッキング付きヘッドマウントディスプレイ“FOVE”とは?【イベントリポート】_08
▲FOVE

 2015年5月19日、家庭用機器としては初となる視線追跡型ヘッドマウントディスプレイ“FOVE”のクラウドファウンディングサービスのキックオブイベントが開催された。その模様をリポートする。

 Kickstarterは、従来のヘッドマウントディスプレイにはなかった“視線追跡機能”を搭載しているヘッドマウントディスプレイ“FOVE”を、製品の完成を高めつつ製造を開始することを目標として、25万ドルを募ったクラウンドファウンディングとなる。

VRでアイコンタクト、感情表現の概念を導入したアイトラッキング付きヘッドマウントディスプレイ“FOVE”とは?【イベントリポート】_01
▲小島由香氏

 まず、“FOVE”についての紹介プレゼンテーションで、FOVE CEOの小島由香氏は「VRは2段階の大きな進化を遂げてきた」とコメント。
 第1段階は受動的な鑑賞体験を通してユーザーを仮想現実世界に存在させることができた。しかし、つねに頭を動かしていなければならず、酔ってしまったりと長時間のプレイには向かなかった。
 第2段階では、動作感知(モーショントラッキング)を使って仮想現実世界との関わりを持ち、操作が可能になった。しかしこの操作も、現段階ではユーザーからマシンへという一方通行でしかない。
 
 “FOVE”はこの第1段階、第2段階の仮想現実世界にも大いに挑戦しつつ、視線追跡技術(アイトラッキング)を導入することで次の第3段階を目指しているとのこと。
 第3段階では、視線を送りツールを操作し注視すること(画面に映るキャラクターとアイコンタクトをとるなど)で情報を引き出し、仮想現実世界に“感情表現”という関わりを導入するとのことだ。
 
 また、“FOVE”はユーザーが見ている所だけレンダリング処理しており、注視していないところは低解像度でレンダリングすることで、現在のヘッドマウントディスプレイに必要なPCの要求スペックを1/6にまで抑えることができる。この技術を使って、将来的には低スペックPC、スマートフォンでも操作が可能になることを目指している。

 そのほかにも、ALS(筋萎縮性側策硬化症)の人とアイトラッキングをつかったコミュニケーション、身体に障害がある人にアイトラッキグをつかってピアノを演奏してもらう“Eye Play the Piano”プロジェクトを進めており、障害者支援(医療)、教育、観光、会議といった幅広い用途に活用されることを目的としているとのことだ。

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