2015年の『餓狼 MOW』決戦! ここに開幕

 2015年5月3日(日)、東京秋葉原のe-sports SQUARE AKIHABARAにて、SNKプレイモアのアーケード対戦格闘ゲーム『餓狼 MARK OF THE WOLVES』(以下、『餓狼 MOW』)のプレイヤー主催大会“HOWARD ARENA”(ハワードアリーナ)が開催された。

 『餓狼 MOW』といえば、対戦格闘ゲームブームが円熟期を迎えた1999年に稼働開始したタイトル。『餓狼伝説』シリーズの(現在のところ)最終作であり、これまでの作品とは世代を一新したキャラクター、必殺技の動作を強制的に止める“ブレーキング”や攻撃を受ける直前でガードをすることで硬直が減る“ジャストディフェンス”といった攻防をアツくする革新的なシステム、極まったドット絵のアニメーション描写……などなど、2D格ゲーの可能性を深く追究した名作として知られている。現在も熱心なファンコミュニティが存在しており、本大会も格ゲーの名門ゲーセン”ゲームニュートン”のバックアップのもと、プレイヤー有志によって運営されている。

 大会はふたり一組による2on2(早稲田式)の形式で行われた。この日は100名50チームのエントリーし、このゲームの過去最大級の大会らしく全国から参加者が集結した。特にネオジオ系ゲームの大会ではおなじみの関東VS.関西という構図は、本作でも健在。東西の古豪有力プレイヤーの対決は大会の見どころのひとつともなっていた。

史上最大規模の『餓狼 MARK OF THE WOLVES』大会開催! “HOWARD ARENA”(ハワードアリーナ)大会リポート_02
史上最大規模の『餓狼 MARK OF THE WOLVES』大会開催! “HOWARD ARENA”(ハワードアリーナ)大会リポート_03

100人50チーム、14ブロックによる予選

 まずはエントリーしたチームを14ブロックに振り分けて、リーグ戦形式の予選が進行。各ブロック1位のチームが本戦に出場することになる。さらに、予選各ブロック2位のチームから2組の本戦枠を競う敗者復活のプレーオフを通じて、本戦に挑む精鋭の全16チームが出揃った。
 予選を通じて感じたのは、会場の和やかなムード。使用キャラクター分布を見ると、シェア上位は高火力や強力なセットプレイが持ち味のケビン、グラント、ドンファンといったところ。行動の選択肢が限られるゆえにプレイヤーのテクニカル性が求められるフリーマンを選ぶプレイヤーが目立ったのは正直、意外と感じた。運営者のひとり、わた氏に後で話を聞いたところ、「この大会は『餓狼MOW』プレイヤーにとっては、同窓会みたいな側面もあるんです。みんなが楽しむことを最大の目標にしている大会なんですよ。ですから、選ばれるキャラクターもいわゆる強キャラ一辺倒というのではなく、いい感じにバラけていますよ」とのこと。なるほど納得!

史上最大規模の『餓狼 MARK OF THE WOLVES』大会開催! “HOWARD ARENA”(ハワードアリーナ)大会リポート_04
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史上最大規模の『餓狼 MARK OF THE WOLVES』大会開催! “HOWARD ARENA”(ハワードアリーナ)大会リポート_01

熟練プレイヤーの腕が光った本戦

 ブレーキングを駆使した巧みな連係、ガードクラッシュを必ず誘発するセットプレイなど、15年以上の研究の末に辿り着いた極上のテクニックは、特に後半になるほど光った。本戦からは、ベスト4(準決勝)以降の試合にクローズアップしていこう。

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 まずは準決勝1試合目。プレーオフから勝ち上がった、“おいでよ コーハツの森”(ヴァニラ(カイン)/紫乃(ほたる))と“極限ガトリングフリーズ乱舞”(JR(ケビン)/きわみ(マルコ))の対戦だ。
 両チームとも1戦ずつ勝ち星を得た後の第3戦。挑むのはJR選手のケビンとヴァニラ選手のカイン。ふたりとも直前の勝負では果敢な攻めで勝利を得ていた。この第3戦でも得意の近距離戦に持ち込んで技を的確に当てていったJR選手だったが、肝心なところでコマンドが暴発してラウンドを落としてしまった。その後はいったん流れを戻しかけたが、ヴァニラ選手の勢いに押し切られるかのように不測のバックステップが出てしまい技がヒット。敢え無く敗退してしまった。

 そして準決勝2試合目。“絶対零度 ~アブソリュート・ゼロ~”(わた(ジェニー)/けんと(牙刀))と“関西の双首領ブラックレーベル”(エムハス・ロンゲーナ大佐(カイン)/最終鬼畜諸初狩兵器 雨森(テリー))。雨森選手は、直前の準々決勝では大逆転劇を見せて勢いに乗る最中。先鋒戦に出場してさらに勢いは加速すると思われたが、行動を読んだけんと選手の冷静な反撃が光り惜しくも勝ち星を落とす。続く大将戦でエムハス・ロンゲーナ大佐も空間の支配力で勝るわた選手のジェニーに破れてしまい、優勝候補の一角がここで涙を飲んだ。