ウメハラ氏の講演に若いゲームファンが集結!

プロゲーマー“ウメハラ”氏による特別講義が開催! 若者に勝ち続ける秘訣を語る_01

 国内初の“プロゲーマー”として、対戦格闘ゲームを中心に世界の主要な大会で活躍するウメハラ氏。2015年4月19日、東京都江戸川区の東京アニメ・声優専門学校(学校法人滋慶学園)にて、このウメハラ氏による特別講義が行われた。

 同校では2016年4月に日本初のプロゲーマーやゲームシーンで活躍する人材を育成する専攻課程“e-sports プロフェッショナルゲーマーワールド”の開設を予定しており、この特別講義は入学予定者に向けた専攻課程説明会の一環として行われたもの。また未来のアニメ・声優界で活躍を目指す在校生に向けた講義も兼ねている。世界の名だたる対戦格闘ゲームプレイヤーとして知られるウメハラ氏の生の声が聴けるとあって、同校の会場“メディアセンター”には100人ほどの聴講者が集まった。

 まずは“闘劇”をはじめ、かずかずのゲームイベントでMCを務めた“格ゲー界の名物司会者”郡正夫氏がこの日の司会進行役として登壇。“格ゲー”ムードが高まったところで、郡氏の導きのもと、いよいよウメハラ氏が現れた。ウメハラ氏は聴講者が集った会場を見渡して開口一番「若いですね」とひと言。普段は、プロゲーマーとしての活動の一環でビジネスマンを対象にした講演を行なうことも多いというが、「若い人たちに向けて話すのは初めて」とのこと。10代が圧倒的に多い聴講者の歓迎に笑顔を見せていた。

 講演はウメハラ氏による“プロゲーマー論”や自身の体験談をもとにした成功するためのヒントを語るというものがメインだった。
 自身の著書“勝ち続けるための意志力”(小学館刊)のキーワードでもある「勝ち続ける」ことに込められた意味には、「(対戦格闘ゲームの世界において)単発の勝ちは後につながらない。勝ち続けた結果が、現在の“プロゲーマー”になれた」と、継続することの大切さと重みを説いた。
 また、その実践のために大切なのが、単に勝ち負けや目先の評価に囚われるのではなく、自分自身が成長をすることであるとも言う。「大きな成果を上げても、成長がなければ決して続けることはできない」と、これまで対戦格闘ゲームのトッププレイヤーとして君臨し続けてきたウメハラ氏ならではの考え方を披露した。「勝ち続けるためには、(自身の成長を促すために、ときには)負け続けることも必要」と独自の勝負論を語ってくれた。
 また、終盤は聴講者から募った質問に対して答えるという形式で進行。今年の活動については「今年は高額賞金の大会が多いので、どんどん海外大会に参加する」と大会への意欲を披露。賞金にまつわる話から、自身の趣味について話が及んだ際には「いまは最も好きなものが仕事になっている。その次に好きなお酒が趣味ですね」といつもはなかなか見せないコメントも飛び出した。そして、「大切にしていると将来、ためになるものを教えてください」という問いには、将来に役に立つから何かをするのではなく、「いま現在の人のつながりを大切にする」というアドバイスも。ウメハラ氏自身、勝負の世界では密な人間関係はマイナスになると思っていたが、実際にプロになってみてから決してそうではないことに気付かされたのだという。そして、ゲーム関連の学科で学ぶことについても「どんなにゲームがうまくても、人との交流が下手だとダメ。自分自身の人間性や人のつながりが大事」といい、その重要性が学べる場であるとも期待を寄せた。