大幅に進化を遂げた名作スタイリッシュアクション
『デビル メイ クライ 4』の発売を控えた2008年。当時中学生の筆者は、製品版を早くプレイしたいという気持ちを抑えきれず、何度も近所のゲームショップに通っては体験版をプレイする日々だった。
あれから筆者も年を取り、いまでは成人。7年の歳月で成長した私に対し、『デビル メイ クライ 4』も、バージル、レディ、トリッシュという3キャラクターや新モードの追加を掲げて、あのころよりもさらにスタイリッシュになって帰ってきた。今回は、本作を試遊させていただく機会があったので、追加キャラクターのひとり、バージルに重点を置き、その模様をお届けしよう。
試遊の際は、新キャラクターのバージルを操作して“ブラッディパレス”に挑戦。ブラッディパレスは、敵を全滅させながら101ステージを進み続けるというモードで、残り時間か体力がゼロになるとゲームオーバー。敵の撃破やステージクリアーにより時間は増やせるが、先に進むたびに敵は強くなるため、なかなか難易度は高い。
カッコ悪い行動は厳禁!
バージルの新たな戦闘スタイルは、居合の術を基本とした“コンセントレイション(集中)”。その場で静止するか歩くほか、敵に攻撃を当てたり、相手の攻撃を避けることで、HPゲージの上にある“集中ゲージ”が上昇。ゲージが伸びれば伸びるほど、攻撃力の上昇や、技の範囲拡大など、さまざまな恩恵が得られるのだ。
反対に、戦闘中にダメージを受けたり、攻撃を空振りするなど、スタイリッシュの名にそぐわぬかっこ悪い立ち回りをした場合は減ってしまう。この集中ゲージを維持しながら戦うのがバージルの基本となる。
敷居が高いと思うかもしれないが、バージルには“幻影剣”という遠距離攻撃があり、歩きながら幻影剣を当てるだけでもゲージは伸びる。さらに、幻影剣を当てた敵には、“エアトリック”という技で瞬時に接近可能。これの恐ろしいところは、ある程度離れた場所でも、エアトリックを使えば敵の目の前まで移動できてしまうことだ。幻影剣の発射速度はかなり速く、ロックオン状態にしておけば、よほど速く動く敵が出ない限りは当たる。
目の前の敵を倒したはいいが、つぎの標的が離れている……というような状況でも、幻影剣をひとつ当て、あとはエアトリックをするだけでいい。加えて、エアトリックでの移動でも集中ゲージは上昇するので、いいことづくめ。ヒットした幻影剣は長時間敵に残るため、エアトリックのために使うなら1回でも十分。まず始めに複数の敵へ幻影剣を当てておくと、戦闘時の移動がかなり楽になった。
また、空中でのコンボが終了した際にエアトリックを行うと、上空の敵にも近づけるので続けざまにコンボ攻撃が可能。幻影剣が当たっている限り瞬間移動ができる。移動に関して言えば、ネロやダンテよりも楽と言えるかもしれない。
3種類の武器を切り換えて戦う
バージルが使用できる近接武器は、“閻魔刀”(やまと)と“ベオウルフ”、そして“フォースエッジ”の3つ。『デビル メイ クライ 3 スペシャルエディション』のときにバージルが使えた技のほとんどがが引き継がれており、単純な移植ではなく個々にさまざまな個性付けがなされてパワーアップしている。さらに、ネロやダンテと同じく、自分の内に眠る悪魔の力を解放する“魔人化”も使える。魔人化中に使うことで、通常とは動きやヒット数が変化する技も存在する。
鋭利な刃を持つ日本刀状の閻魔刀は、攻撃速度が早いほか、範囲も広い。『デビル メイ クライ 3 スペシャルエディション』では高威力の代わりにヒット数が少なく、単発技が多いといった印象が強かったが、今回はダンテの“ミリオンスタッブ”のように高速で連続攻撃を行う技が追加されており、使い勝手は非常にいい。筆者自身、プレイしていてもっとも使っていた武器は閻魔刀だった。
籠手と具足の形を身につけるベオウルフは、近接攻撃に特化している。リーチは短いが、ボタン長押しで溜められる攻撃が多く、威力は総じて非常に高い。ワンツーパンチからの連続回し蹴り“ベオウルフコンボA”や、空中から地上へ急降下しつつ蹴りを放つ“流星脚”など、ファンには懐かしい技も揃っており、ダンテが使えた“キック13”も使用可能。連続で回し蹴りをお見舞いし、空中に敵を打ち上げられるので、途中で閻魔刀に切り換えて空中コンボに持ち込むなんてことも。ちなみに、魔人化により変化する技は、前に高速で回転し攻撃する“月輪脚”だ。
大剣のフォースエッジは、『デビル メイ クライ 3 スペシャルエディション』のときより動きが速くなっており、閻魔刀との二刀流に派生する技なども追加され、より扱いやすくなった。高速で突きを放つ“スティンガー”や敵を空中へ斬り上げる“ハイタイム”、空中から斬り下ろす“兜割り”などはどれも扱いやすい。また、バージルの“ラウンドトリップ”には周りの敵を吸い寄せる効果があり、まとめた敵を次元斬で一掃、などというコンボも成立した。
おおよそ1時間強ほどという短いあいだではあったものの、バージルの操作感を十分に楽しむことができた。幻影剣とエアトリックの組み合わせは敵との距離を詰めやすく、“悪魔の右腕”を使ったアクションのネロに似て非なる特徴を持っていた。加えて複数の武器を切り換えて戦うという点は、ダンテにも通じるところもあり、バージルは両者の特徴を融合させていると言える。
ただ、だからといってふたりの特徴に埋まることなく、閻魔刀を軸にくり出す神速の居合術、剣技の数々は、やはりバージルならではの戦い方。“正統進化”の煽り文句は伊達ではなかった。
ニコニコ超会議で『デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション』を楽しもう
ニコニコ超会議2015では、バージルを操り、15分間でブラッディパレスをどこまで進めるかを競う“ブラッディパレスチャレンジ”というイベントが開催される(一部の試遊台ではネロ、ダンテも使用可)。ちなみに、筆者が試遊の際に行った測定では、20階が最高だった。今月末、試遊台の前にたった人たちがどんな記録を出せるのか、純粋にひとりのプレイヤーとして楽しみだ。
また、試遊したプレイヤーには特製クリアファイルが贈られるほか、“バサラ4皇vsDMC4SEチャンネル”と題し、『戦国BASARA4 皇』と『デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション』の合同Web生放送が実施される予定だ。MCの人気生主ガッチマン氏と小林プロデューサーのほか、多数のゲストも予定されているとのことなので、こちらもぜひチェックしてほしい。